凡庸の唄 (4)
凡庸の好きな言葉――
下手の横好き。
何事にも興味をもって当たること。
関心を横に拡げることで
世界の広さ、
物事の豊かさ、
人々の多様性、
社会の許容量が実感できる。
縦方向にだけ進んでいては、
孤高の山は見えても
牛馬が草食む草原、
銀鱗ひらめく緑の湖(うみ)を
見ることはできない。
高山植物の名前を覚えられても、
平地や森を彩る
他の無数の植物について、
花に来る虫たちについて、
人に聞かねば分からない。
分からなければ、
彼らの助けを得られず、
生きていけない。
凡庸は
雑学者であることを少しも恥じない。
雑学は無知よりも数段優れている。
スペシャリゼーションが
もてはやされた時、
凡庸はその道を断(ことわ)った。
「下手の横好き」ができないからだ。
白亜の城に囚われること――
凡庸が最も嫌ったことだ。
スペシャリゼーションの階段を昇っていくと、
専門外が見えなくなる。
専門外の知識を
他に頼らねばならなくなる。
知識だけでなく、
技術も他人任せになる。
技術が機械に移行した現代(いまのよ)では、
機械に頼って生きなければならない。
機械の指示に耳を傾け、
目を皿にしてパネルを見つめ、
マニュアルを片手に
オロオロしながらボタンを押す。
押し間違えて頭を抱える。
いったいこれが人間の進歩か、
文明の発展か。
谷口 雅宣
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コメント
総裁先生ありがとうございます。1~4までのブログを拝読いたしました。 凡庸人について知ることができました。 このように純天真爛漫でありたいです。神様は人間に善なる能力も与え、それを引き出す力も与えてくださっている。が実際は愚かなものを優先して満足しようとしています。先生が副総裁先生の時代には、くる年もくる年も、環境、資源、平和は三つ巴であると御指導をいただきました。昨年は衛星放映で台所に立っている私は「地球はもう後戻りしにくくなっている」という言葉を耳にしました。悔しいけれど これが現実であると納得してしまいました。現在の幸せ以上に幸せを求める者は温暖化ではないと否定している人まで現れる。凡庸の1のような自然の豊かさのなかに視野を深く広げて自然を愛で 人間の善きものを素直に観じつつ生きれることが今、本当に今 そのようにいきることが大切であると感じております。
ありがとうございます。
投稿: 足立冨代 | 2017年1月13日 (金) 10時07分