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2016年7月 7日 (木)

今こそ「万物調和」の教えを拡げよう

 今日は午前11時から、山梨県北杜市にある生長の家“森の中のオフィス”の万教包容の広場で、「万教包容の御祭」が行われた。同祭にはオフィス職員が参加したほか、御祭の様子を伝える映像は、インターネットを通じて生長の家の国内の教化部を初め、海外の各拠点にも配信された。 
 
 私は御祭の最後に、概略以下のような言葉を述べた-- 
 
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 皆さん本日は、第4回目の「万教包容の御祭」にご参加くださり、ありがとうございます。この御祭は、3年前の7月7日に、“森の中のオフィス”の落慶を記念して始められました。その目的は、世界の宗教や民族、文化などが、多様性をもちながらも一つの中心のもとに大調和する実相世界の構図を、私たちの運動を通して現実世界にも現していくことを誓い、祈念するためであります。そのことを象徴するのが、七重塔であります。 
 
 今日は先ほど、この万教包容の広場で4基目の七重塔が除幕され、その基台に『甘露の法雨』と『大自然讃歌』『観世音菩薩讃歌』の経本が納められました。この3つの経本は、これまでの1年間、オフィスの本部講師、本部講師補の方々が心を込めて読誦してきたもので、「神・自然・人間の大調和」実現を目指す私たちの誓願が込められています。 
 
 いま「神・自然・人間」と3つの言葉を使いましたが、この3つは本来、一体のものであるというのが、私たちが信ずるところであります。言葉というものは--特に、私たちが「名詞」と呼んでいるものは、人間の感覚でみれば「別々に分かれて見えるもの」を取り上げ、それらに名前をつけたものです。この現象世界の中には、実に膨大な数、膨大な量のものが存在しますが、その全体を捉えることは人間の感覚によっては不可能なので、私たちはそのごく一部を頭の中で切り取って名前をつけ、その名前を使って世界を理解しようとしているのです。 
 
 写真撮影を例にとれば、世界全体の写真はどんなカメラによっても撮れないので、その一部をフレーミングで切り取り、切り取った画面に大きく写ったものに名前をつけるようなものです。これが私たちが普段使っている言葉の重要な機能です。これはとても便利な機能なので、日常生活で普通に使っている分には問題は少ない。しかし、デメリットがないわけではない。その1つは、言葉で名前をつけた部分が、それ以外の部分とは別個に、独立して存在するような印象が生まれるということです。しかし、本当は、その名前の部分と写真のその他の部分は、別個で、相互に無関係であることはなく、同じものの一部であったり、密接な関係で結ばれていることがほとんどです。 
 
 例えば、「山川草木」という言葉がありますが、この言葉の文字面だけを見ていると、「山」と「川」と「草」と「木」は、別個の独立したもののように感じられますが、私たちがこの八ヶ岳の麓で生活していてよく分かることは、これら4つは決して分離することができない全体の一部で、相互に密接に支え合っているということです。山があれば必ず川が流れます。川の周辺には草木がよく繁り、そのおかげで川が氾濫しないで一定のコースを流れる。だから、山の形が一定なのも、草木が繁っているからと言えます。 
 
 『観世音菩薩讃歌』の終りの部分には、これと同様のことが「空をゆく雁の群」を例に挙げて描かれているのを、思い出してください。 
 
<--天使かく説き給えば、 
天の童子の姿かき消え 
虚空高く雁の一群の飛び行く姿見ゆ。 
その時天空より大音声の響きて曰く 
「見よ、雁と虚空と分かつこと能わず。 
虚空と山河と分かつこと能わず。 
山河と海は不可分なり。 
すべての生物と地球は一体なり。 
汝ら自らを一個の卑小な肉体と見るべからず。 
人間は山河なくして存在せず、 
海陸と別に存在せず、 
そこに生くるすべての生物と共に在るなり。> 
 
 この引用箇所は、文学的表現のように聞こえますが、生物学や生態学が発達した今日では、科学的事実でもあるわけですね。人間は、生態系の一部として、空や山河や海陸と、そこに生きるすべての生物に支えられて生きている、ということです。これが生物としての人類の真実なのですから、人間社会の中での個人の位置も、この全体的構造と違うはずはないのです。つまり、すべての人々は、お互いに助け合い、支え合って生きているのです。しかし、人間には、そういう大調和の全体像が見えなくなることがある。それは、社会全体の中での自分の位置が分からなくなる時です。これを「identity crisis」とか「自己同一性喪失の危機」とか呼びます。 
 
 自分が一体何者であって、何に価値を見出せるか分からなくなってしまう。社会での自分の位置が失われる。どこへ行っても、そこは自分の居場所ではないような気がする。人とのコミュニケーションがうまくとれず、友だちができない。友達がいても、別れてしまった……そういう精神的危機は、貧困の中で生まれることもあるけれども、先進諸国の物質的繁栄の中でも生まれることがあります。自分の“本当の姿”を忘れ、一個の肉体だと思う。そういう人間の中には、自分を疎外する社会を破壊して、自分自身も破壊したいという願望を抱く人もいるのです。 
 
 私は、ISの呼びかけに応えてテロを行う人々の多くが、そのような自己同一性の危機に陥った人だと考えています。つい最近も、バングラデッシュのダッカで、外国人向けレストランを狙ったテロが起こり、日本人7人を含む20人が犠牲になりました。一見、このこととは関係がないように見えますが、より広く世界に目を向けると、イギリスの国民投票ではEUからの離脱派が多数を占めました。これは、ヨーロッパへの大量の移民の流入によって、イギリスの文化的・社会的同一性が失われると感じた人々の、恐怖心から生まれた結果と思われます。アメリカの大統領選挙でも、移民流入の制限と、人種や宗教差別を隠さない大富豪の候補者が、国民の半分を代表する立場にあるというような、アメリカ史上稀にみる異常事態が起こっています。 
 
 そして日本では、過去の憲法を復活させ、中国に対抗するために軍備増強を推進しようとする総理大臣が、高い支持率を維持していることは、皆さんもご存じの通りです。 
 
 このように、世界の多くの人々が、本来一体で大調和している世界の構図を認めずに、分離・独立・相互対立の動きが世界中で広がっているように見える今こそ、この「七重塔」に象徴される「万教包容」「万物調和」の教えと、アイディアと、生活法を推進していく私たちの運動の重要性は増大していると言わねばなりません。七重塔の「7」は「すべて」を表します。そのすべてが、それぞれの個性を失わずに、中心軸(つまり神意)から逸れずに全体を構成している。その姿は、調和していて美しい。 
 
 それを表現しいるのが、七重塔です。この塔は毎年、この日に一基ずつ増設していくことが決まっていますが、その理由は、私たちの万教包容・万物調和のメッセージが年ごとに世界にどんどん拡大していくことを誓願し、その誓いを視覚的にも表現することによって、運動の拡大を進めるためです。 
 
 どうか皆さん、「神・自然・人間の大調和」という実相世界への信仰をこれからも高く掲げるとともに、人間社会の分離・対立を未然に防止するために、「人間は皆、神の子である」という真理を益々多くの人々にお伝えください。 
 
 それでは、これをもって今日の御祭のご挨拶といたします。ご清聴、ありがとうございました。 
 
谷口 雅宣 

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コメント

 有り難うございます。今回の参院選は非常に残念な結果になりました。でもこれが民意ですから国民はこれから何が起ころうとそれを甘んじて受けなくてはならないと思います。

 先生が仰る様に世界的に排外的な思想を持つ指導者が増えてきているという事で今回の選挙結果もそれを反映しているのでしょうね。ここで生長の家の自他一体の信仰が拡がる事の重要性が今後ますます増えて来ると思います。

 私はいずれ実相が顕現して偽物は消えると信じております。その信念でこれからも一所懸命生長の家の運動を継続して参ります。

投稿: 堀 浩二 | 2016年7月11日 (月) 10時54分

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