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2015年11月

2015年11月22日 (日)

“ムスビの働き”から世界平和へ

 今日は午前10時から、長崎県西海市の生長の家総本山にある龍宮住吉本宮出龍宮顕斎殿で「谷口雅春大聖師御生誕日記念式典」が行われ、長崎県とその近県の約370人の信徒が参加して、生長の家創始者、谷口雅春先生への報恩感謝を表し、人類光明化・国際平和信仰運動のさらなる進展を誓った。私は式典の最後に概略、以下のような挨拶を行った-- 
 
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 皆さん、本日は谷口雅春大聖師御生誕日記念式典にお集まりくださり、ありがとうございます。また、昨日は、龍宮住吉霊宮の大祭と本宮の大祭にもご参加くださり、心から感謝申し上げます。先ほど読ませていただいた祝詞にもありましたが、今日のこの日は、生長の家創始者、谷口雅春先生のお誕生日であるだけでなく、第二代総裁の谷口清超先生が生長の家の法燈を継承された記念すべきおめでたい日であります。皆さん、おめでとうございます。有難うございます。 
 
 生長の家は、昨年のこの秋の大祭において、龍宮住吉本宮にご祭神として天之御中主大神、高御産巣日神、神産巣日神という“造化の三神”を勧請させていただき、これらの神々の“ムスビの働き”を、私たち運動の中にいよいよ明らかに顕現することにより、“自然と共に伸びる”運動を、そして世界平和実現のための国際平和信仰運動を本格的に展開していくことになりました。去る10月26日の生長の家拡大最高首脳者会では、来年度の運動方針が決定しました。そして、それを全世界の生長の家の代表者に詳しくお伝えするための「生長の家代表者会議」が、一昨日の11月19日に、山梨県北杜市の生長の家“森の中のオフィス”で行われたばかりであります。 
 
 さて、生長の家がなぜ“造化の三神”をご祭神として龍宮住吉本宮にお迎えしたかという理由は、すでに昨年来、いろいろの所で説明させていただいていますが、あらためて申し上げます。それは、今の世界が、特に“ムスビの働き”を喫緊に必要としているからであります。それは第一に、自然と人間との関係がバラバラになりつつあるし、神と人間とが離反する傾向が強まっている。そして、人間同士の関係も、個人と個人の間だけでなく、社会と社会、国家と国家、宗教と宗教とが対立する状況が深刻化しているからであります。このことは最近、フランスの首都パリで起こったテロ事件を見ても明らかな通りです。 
 
 “ムスビの働き”とは何かについて、私はこう申し上げてきました。それは「本来一つのものが、陰陽二つに分化して現れ、その二つの合一によって新価値が創造される」ということでした。こういう表現では、何か抽象的で分かりにくいと思いますが、別に難しいことでも、特殊なことでもないのです。自然界には、この“ムスビの働き”がどこにでも豊富に現れているとも申し上げてきました。簡単な例は、この「秋」という季節です。私たちが「季節」と呼んでいる現象は、本来一つのものが分かれて現れているよい例です。自然界は、本来一つしか存在しませんが、その自然界で時間の経過と共に起こる変化を、私たちは、それぞれの特徴を認めることで「春」「夏」「秋」「冬」と、分けて呼んでいるのです。 
 
「四季」という言葉を使うと、まるでそれぞれの季節が分離しているように聞こえますが、本当はそうではない。十二か月の自然は、本来一つです。しかし、私たちが生活の便宜上、「立春」とか「夏至」とか「冬至」などという言葉を使って、季節にははっきりとした分岐点があるように考えますが、事実はそうでないことは誰でも知っています。春は夏と離れて存在しているのではありません。春の中に夏の始まりがあり、夏の中に春の終りがあります。両者は相即相入の関係にあります。同じように、秋は夏と離れておらず、冬とも離れていません。また、春と冬は分離しておらず、春と秋も密接な関係にあります。 
 
 今、私たちの暮らす山梨県では、また九州を含めた日本の他の多くの場所でも、カキの実が美しく実っています。“森の中のオフィス”では、つい最近、それらのカキの実を収穫して皮をむき、それを軒先に吊して干し柿にする作業を職員たちがしました。山々に寒風が吹く冬になれば、これらのカキの実は、やがておいしい干し柿になってくれるでしょう。カキの実は、今突然、カキの木についたのではありません。春に花が咲き、それが受粉して実として成熟し、晩秋に収穫されます。「分かれて見えていたものが合一して、新しい価値が生まれる」とは、こういうことを指します。カキの実の成熟のためには、春も夏も秋も必要です。言い直すと、一輪の「花」にすぎなかったものが、自然界の春、夏、秋の特徴がすべて揃って合一することによって、成熟した「カキの実」という新しい価値となるのです。これにさらに冬の寒風が加わると、甘くおいしい「干し柿」というさらなる新価値が生まれます。これが、季節が結び合って生まれた新価値です。この種のものは、自然界には数えきれないほどあることにお気づきください。これが“ムスビの働き”です。 
 
 自然界は本来一つなのに、それが時間の経過とともに四つの異なった季節を現しているのです。「季節」というものは本当の存在ではなく、本当の存在の4つの表現なのです。にもかかわらず、春は夏と違うから、互いに協力しないということになると、自然界の出来事はすべて破綻します。夏が冬とはあまりにも違うからといって、冬を拒否していては、生物は繁栄しません。つまり、新価値は生まれないのです。表面の違いや現れの違いによって、相手を差別し、拒否するのでは、世界は荒廃してしまうでしょう。実はそれが今、世界各地で起こっているのです。 
 
 この問題を解決するためには、「表面の違いを強調して相手を差別したり敵を作る」という心の姿勢を改めて、一見互いに違うもの同士でも、結び合わさること--つまり、認め合うこと、協力し合うことで新しい価値が生まれるという考え方を導入しなければなりません。それが“ムスビの働き”なのです。男性と女性は表面的には確かに違うけれども、同じ神の子同士だということです。そして、男女の結びつきによって、新しい価値が--家庭が、子供が、互いの友人の輪が、仕事の輪が広がるなど、人生に幅と拡がりが生まれる。これは当たり前のことなのですが、自分と他人とを峻別する心の傾向が強いと、うまくできなくなっていく。これが私がいう「デジタル」で「左脳的」な心の傾向で、都会生活の弊害の一つだと考えています。 
 
 都会生活者が世界人口の半分以上を占めるようになった現代、私たちは「デジタル」で「左脳的」な心の傾向をバランスするための、「アナログ」で「右脳的」な考え方をもっと強烈に前面に出していく必要があるので、今あらためて“ムスビの働き”が強調されているのです。 
 
 今日は谷口雅春先生のお誕生日ですから、先生のご文章の中から、これと同じことを、別の言葉で説かれているものを紹介しましょう。これは新選谷口雅春選集の第9巻の『幸福はあなたの心で』という聖典にあるものです。このご本は、アメリカ人のニューソートの思想家、R.W.トラインという人の著書を雅春先生が翻訳されたもので、原著は"In Tune with the Infinite"(無限なるものと同調して)という題です。107頁から引用します-- 
 
「私たちが神の無限の愛と一体であるという自覚を得るとき、その時こそ私たちはすべての事物のうちにただ善のみを見るような大いなる愛に満たされることになるのである。そして私たちがすべて無限愛の霊と一体であると自覚したとき、私たち生物はすべて互いに、或る意味において、“一体”であるということを悟るのである。私たちがこの真実の認識に到達するとき、何人に対しても、また何者に対してもそれに害を与えるようなことはできなくなるのである。かくて私たちすべては、一つの大いなる全体の部分であり、その全体のどの部分でも傷つけたら他の凡ゆる部分が苦しむのだということを知るのである。」 
 
 「私たちが、すべての生命が一体であるという偉大なる事実--すなわちすべての生命は一つの偉大なる無限の本源から出たところの協同体であり、従って互いの生命は同じ生命だという事実--を充分理解するとき、偏見は消滅し、互いの憎悪は停止するのである。そして互いの愛は生長し、人生を愛が全く支配するに至るであろう。こうして私たちの行くところ、また私たちが人々と接触するところ、いつでも、私たちはお互いの内部に宿る神をみとめることができるのである。そして私たちは唯善のみを期待して善のみを見出すのである。そしてその期待は必ず報いられるのである。」(p.108) 
 
 これで引用を終わりますが、ここに書かれているのは、地球環境問題の解決にも、またテロリズムや宗教対立の解決にも必要な真理であるのです。そして私たちが今、進んでいる“ムスビの働き”を拡げていこうとする運動は、これと同じ真理の実践なのであります。どうか皆さん、神はすべてのすべてでありますから、神の子・人間は、すべてのものとの一体感を失わず、それを表現することが喜びであることを忘れずに、この真理を多くの人々にお伝えし、世界平和実現の道を明るく、勇気をもって前進していきましょう。 
 
 それでは、これで私の挨拶を終わります。ご清聴、ありがとうございました。 
 
 谷口 雅宣

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2015年11月19日 (木)

倫理的な生活実践を拡大しよう

 今日は午前9時半から、山梨県北杜市の生長の家“森の中のオフィス”において「生長の家代表者会議」が開催され、海外も含めた生長の家の代表者約370人が集まって、次年度(2016年)の運動方針を確認し、“自然と共に伸びる”運動の進展を誓い合った。私は、全体会議の最後に概略、以下のような挨拶をおこなった-- 
 
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 本日は生長の家代表者会議に、大勢の生長の家の幹部の方々が国内のみならず、台湾や南北アメリカ、ヨーロッパからもご参加くださり、ありがとうございます。心から歓迎申し上げます。この会議は、去る10月26日の生長の家拡大最高首脳者会で決定された来年の運動方針の内容を、皆さまのような生長の家の各地の代表者であり、幹部中の幹部の方々によく知ってもらうための会であります。 
 
 今回、皆さまのお手元にある運動方針は、方針書の表紙に書いてあるとおり、「“自然と共に伸びる運動”実現のための第2次5カ年計画」の「最終年度」の運動方針であります。「最終」などという言葉を使うと、私たちの運動はもう来年で終りかという誤解が生まれそうですが、決してそういうことではありません。これまでの「2次にわたる5カ年計画」が来年で終るということで、10年間の運動に一区切りをつけるという意味です。 
 
 私たちは、ここ9年間にわたって“自然と共に伸びる”運動を実現しようと努力してきたのですが、皆さんもご存じのように、自然尊重の精神は運動や生活の中にずいぶん浸透してきたし、教団内での温室効果ガスの削減も世界的に進んできていますが、誠に残念なことですが、「教勢拡大」にはいたっていません。そこで10年計画の最終年度である来年の運動では、この「教勢拡大」を実現するための方策として、これまでにないものがいくつか盛り込まれています。この方策は、かつては「地域協力体」という名前で実験的に行われた運動の経験を一部取り入れて、それにインターネットの利用を加えた形で方針書に掲げられています。 
 
 方針書の2頁には、「地域協力体」の実験の成果がこう表現されています-- 
 
「モデル実験では、組織を越えて人・情報・ノウハウが地域内で交流し、運動が活性化した」 
 
 また、同じ頁の一番下の段落には、インターネットの運動への利用について、次のように書いてあります-- 
 
「自然と教勢を共に伸ばすため、インターネット技術を活用した迅速かつ広がりのある運動と、居住地域での対面コミュニケーションを重視した運動の両面を展開する。」 
 
 さらに、「第2次5カ年計画」の「“質の高い組織運動”の実現」の第2項には、次のようにあります-- 
 
「幹部・信徒は、インターネット上のソーシャルメディアなども活用して、新たな縁のある人々へ、積極的にみ教えを伝える。また、国際本部はネットを通じてみ教えに触れた人々が地域の活動へ結びつくよう、新しい運動形態を考案する。」 
 
 これらのいろいろの発想や取り組みを土台にして、国際本部がここ“森の中のオフィス”に移転してから初めて登場した行事が、「自然の恵みフェスタ」でした。この行事は昨年の方針書に、国際本部での行事として記述され、今年(第4年度)の方針書では、国際本部に加えて「日本国内の各拠点で可能なところは」という条件付きで実施が推奨されました。そして、今回の方針書では、次のように書いてあります-- 
 
「日本の教区および海外の伝道本部は、“生長の家 自然の恵みフェスタ 2016”を実施し、“自然と共に伸びる”生き方の具体例を地域を巻き込んだ参加者で共有し、体験・体感することで意識のレベルを高めて、“自然と共に伸びる”生き方を拡大していく。」 
 
 この書き方を見れば、フェスタという行事が、海外も含めて、私たちの運動の前面に打ち出されたことがお分かりと思います。では、そんなに重要な行事で、私たちは一体何をするのか? また、その目的は何かが問われます。それに関しては「倫理的な生活者」という言葉がキーワードになります。方針書には、信仰にもとづく「倫理的な生活」とはどんなものかが、具体的に3項目掲げられています-- 
 
 ・ノーミート、低炭素の食生活 
 ・省資源、低炭素の生活法 
 ・自然重視、低炭素の表現活動 
 
 私たちは、この3項目を日常生活において実践していきながら、フェスタではその成果を発表し合う--というのが、今回新しく打ち出された方策なのです。これはまた、かつての「地域協力体」の実験結果を踏まえて、「組織を越えて人・情報・ノウハウが交流し、運動が活性化する」ことを目的とする活動でもあります。 
 
 皆さんには、この点をしっかりと理解されて、来年以降の運動を進めていただきたいのです。さらに、運動方針としては今回初めて登場した3つのグループの名前がありますが、これら3つは、先ほど申し上げた3つの生活実践項目に対応していることは、すぐ理解できると思います。確認のために申し上げると-- 
 
 SNIオーガニック菜園部は、「ノーミート、低炭素の食生活」を実践するための組織です。SNI自転車部は、「省資源、低炭素の生活法」を具体的に進める組織です。そしてSNIクラフト倶楽部は、「自然重視、低炭素の表現活動」の場として作られた組織です。これらは、白・相・青などの従来の運動組織の枠を超えたもので、インターネットを積極的に利用することにより、さらに教区の枠も超え、理論的には国境も超えているという点に、ご注目下さい。私たちは、この新しい運動形態を、経営学の用語を借りて「プロジェクト型組織」と呼ぶことにしました。 
 
 最後に、今回新しく「倫理的な生活者」という言葉が出てきましたが、これをあまり難しく考える必要はありません。簡単に言えば、先ほど取り上げた“実践3項目”を生活の中で継続していく人のことだと考えてください。これは、生長の家の信徒は皆、先ほどの3つの「プロジェクト型組織」に加入しないといけないという意味ではありません。加入は、任意です。しかし、どうせ実践するなら全国の仲間と一緒にやりたい。また、自分はその分野に特に興味があるという人には、どんどん加入して、ノウハウを共有してもらいたい。自転車に乗るよりは、歩くのがいいという人は、別に自転車部に入らなくていいのです。ただ、これらの“クラブ活動”の元になっているのは、生長の家の“自然と共に伸びる”という考え方ですから、それを信仰のレベルからしっかり理解したうえで、各人の得意分野で、あるいは興味のある分野を中心に積極的に表現し、人々にも伝えていくのが目的です。 
 
 “自然と共に伸びる”という意味は、自然ばかりが繁栄して、生長の家の信仰者がいなくなるのではいけません。教勢拡大と自然尊重が共に進展していくということですから、この点をぜひ理解され、地元の信徒の皆さんにも正確にお伝えください。「倫理的な生活者」の具体的姿については、拙著『今こそ自然から学ぼう』の22~23頁、26~27頁などに書かれているので、この点も参照され、教区の方々と一丸となって、また、教区や組織を超えた信仰の表現者として、“自然と共に伸びる”という目標達成に向かって力強く、明るく運動を展開してまいりましょう。 
 
 それでは、これで私の挨拶を終ります。ご清聴、ありがとうございました。 
 
 谷口 雅宣 

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2015年11月 9日 (月)

「青々舎通信」 (4)

Tennyosan_stone0815  “森の中のオフィス”で行われた「生長の家 自然の恵みフェスタ 2015」に出品したマグネットのもう一つには、「天女山」という名をつけた。天女山(1,529m)は、オフィスから車で5分ほど上がった山の名前で、オフィスとの標高差は250メートルほどあり、八ヶ岳の1つである権現岳(2,715m)の登山口になっている。しかし、このマグネットはその山の形をしているのではなく、山頂にある石碑を象ったものだ。この石碑は、日本各地の山々にある他の多くの石碑に比べて特に美しいとか、見事だというわけではないが、自転車で山頂まで登ったことのある人にとっては、特別の思い出や愛着があるはずだ。 
 
Tennyosan_cyclists  というのは、この石碑の前で写真を撮ることが、「SNI自転車部」に属する本部職員の、一種のイニシエーションの儀式になっているからである。本部職員の寮は、いずれもオフィスより標高が低い土地にある。だから、職員が自転車通勤をするためには、長い坂道を登る“難行苦行”が避けられない。いわゆる「ヒルクライム」である。それができるようになるまでが第1段階で、次にはオフィスから天女山を目指す人が多い。そして、この第2段階に達した証拠として、登頂後にこの石碑の前で写真を撮り、それをSNSに掲示して他の部員から祝福を受けるのである。左の写真は、今年のフェスタで「天女山ヒルクライム」に参加した(左から)ブラジル、台湾、アメリカの招待選手である。 
 
Tennyosanmag_0915  オフィスでの「自然の恵みフェスタ」では、「天女山ヒルクライム」という自転車イベントの後に、この石碑の前で写真を撮った人が昨年も今年もたくさんいた。これらの人々にとっては、仲間とともに目標を目指し、苦しい中でも決して諦めず、ついに目標に達したという“達成感”の象徴が、この天女山頂の石碑である。その石碑のミニチュア版をマグネットにすれば、マグネットの購入者は日常生活の中で、仲間との連帯と目標達成の記憶が蘇ってくるのではないか……というのが、私の製作意図である。 
 
 谷口 雅宣

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