「青々舎通信」 (2)
ナナホシテントウを象ったマグネットは、おかげさまで1カ月ほどで完売となった。現在は、今月の24~25日に“森の中のオフィス”で開催される「自然の恵みフェスタ 2015」に向けて、数種のマグネットを製作中だ。その中の1つに、“オフィス型”と名付けたものがある。この「オフィス」の意味は、“森の中のオフィス”のことである。見学された読者はご存じだが、この建物は、横長の二階建て大型木造住宅を、何棟も山の斜面に沿って一列に並べ、同じく木造の渡り廊下で連結した形をしている。デザイン的な特徴は、その屋根である。屋根はいわゆる“片流れ”の構造で、真南方向に傾斜し、上端部(北側)には太陽熱吸収装置、その下部に南に向かって太陽光発電パネルが敷きつめられている。
この屋根の特徴を表現するために、“オフィス型”のマグネットは、横長の長方形の上端を右側に引き上げたような形をしている。当初、この独特の屋根の形を表現するために、オフィスの設計図にもとづいて、建物側面の正確なミニチュアを木材で作ってみた。それが右の写真である。
しかし、これでは直線と鋭角が目立ち、冷たい感じがして面白くないと思った。そこで、特徴的な屋根のとんがりを強調する一方、さらに「柔らかさ」も出そうとして、曲線が出るように材質を粘土に変え、手で型を作って成形した。さらに、ソフトな感じを引き立たせるために、塗装もパステルカラーとし、建物の窓はペンで手描きした。すると、案外柔らかく、かわいらしい感じの形ができあがった。
その反面、実際のオフィスの形からかなり変わったので、作品を見てもそれが何か分からに人もいて、「これはマンガの吹き出しですか?」な どと訊かれたこともある。「吹き出し」とは、マンガ中の会話を表現するときに、登場人物の口のあたりから吹き出した四角形の枠のことで、その中に会話の言葉が入る。オフィス型のマグネットを上下逆転させると、その「吹き出し」に似た形になるのである。当初「吹き出し」呼ばわりには戸惑ったが、それだけ愛嬌があるのだろうと解釈し、形を変えずに作っている。
谷口 雅宣
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コメント
総裁先生 ありがとうございます
デザインと色合いがマッチしていて とってもステキな出来上がりですね。
純子先生お手製のクッションも、お日様の香りに包まれたオフィスの感じが出て ご夫婦の素晴らしいコラボに乾杯🎌
ご多用の中 総裁先生と純子先生のご愛念に感謝です😃
投稿: 関本恵子 | 2015年10月13日 (火) 23時13分