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2015年3月23日 (月)

結び合うこと (2)

 前回の本欄では、「ムスビ」という考え方の背後にある「隠された関係性」について書いた。これは哲学的考察のテーマになる命題ではあるが、今はこれ以上深く追求しない。なぜなら今回、表題のテーマを選んだ目的は、もっと気軽で、楽しいものだからだ。実は、私は今、ゲームを作ろうと考えている。何年か前にも、postingjoy上で有志を募ってゲームを作ろうとしたが、うまくいかなかった。だから、今回は成功させたいと願っている。ゲームを作る目的は、「ムスビ」という考え方を広く社会に浸透させたいからだ。今日の社会には、イジメを初め、孤立、離反、分離、遊離、対立、隔絶……などの「ムスビ」とは逆方向の現象が広がっているように見える。そんな時、世界の本当の姿はそんなものではないというメッセージを、気むずかしい顔で発するのではなく、気軽に、楽しく、笑いながら拡大していく方法はないものかと思案していたとき、「ゲームを作る」という発想が浮かんだのである。
 読者は、「ドミノ」というゲームをご存じだろうか? サイコロの目のような数が1組2枚で刻まれている長方形の牌が、ドミノ牌だ。それを数多く長々と床の上に立てて並べ、倒して遊ぶのが「ドミノ倒し」である。これは昔、私が少年の頃に、テレビでやっていて面白かったのを憶えている。自宅でもマネをしてやったかもしれない。実は、ドミノ牌を使ったゲームは「ドミノ倒し」だけではなく、麻雀や、トランプにも似た、もっと頭を使う種類のものがいくつもある。私は、そのドミノ・ゲームの原則を見て、「これはゲームに使える!」と思ったのである。ただし、その原則をありのまま使うのではなく、逆立ちさせて使う。そうすれば、「ムスビ」の考えをゲームに表現できると思ったのだ。
Domino00  ドミノ・ゲームの原則は、牌に刻まれたサイコロの目の、同じ数同士をつなげていく。その例をここに掲げるが、この図の左側には、サイコロの目の「1」と「4」がつながった牌--以下(1, 4)と表記する--と、サイコロ目の「4」と「3」がつながった牌--以下(4, 3)と表記--がある。その場合、2つの牌に共通した数「4」があるので、この2牌は連結することができる。連結した様子を、図の右側に描いた。連結の仕方は、右に90°回転しているが、これは0°でもよく、-90°でもいい。状況によって変化する。この角度は重要ではなく、ポイントは「共通した数があれば、牌と牌をつなげていける」という考え方である。これは、言い換えれば「同類がつながる」という考え方であり、とても分かりやすい。しかし、「ムスビ」の考え方はむしろ逆である。
 男女間のムスビは「補足の原理」で成り立つと言われることもあり、生物学的な側面でも、男女は異質なものの結合であることは明らかだ。もちろん「夫婦は似た者同士」という言葉もあるから、まったく異質な2人は結ばれないだろう。が逆に、まったく同質の2人が結ばれることは決してない。そもそもそんな2人は、結ばれる意味があまりないからだ。この観点を生物間のムスビに拡大して考えると、昆虫と植物、木とキノコ、果樹と鳥、人間と大腸菌……など、自然界には異質のもの同士の結合が当たり前に存在する。そして、そういう結合の網によって、全体的に安定した生態系が形成されているのである。だから、ドミノ・ゲームの原則を逆転して、「違うもの同士の結合」をルールにすれば、自然の事象を材料にしてムスビの考え方を理解し、楽しむゲームが作れるかもしれない。
 私はこう考えて、ドミノ・ゲームでは「ダブル・シックス」と呼ばれる28枚1組の牌を考えてみた。ドミノの場合、この28枚の牌は、0~6の数で可能な目の組合せすべてである。それを、私の「ムスビ」のゲームでは、数ではなく、7種の生物の組み合わせに置き換えた。それらは、「人」「虫」「花」「魚」「亀」「菌」「鳥」の7種である。
 谷口 雅宣

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コメント

合掌ありがとうございます

「何年か前にも、postingjoy上で有志を募ってゲームを作ろうとしたが、うまくいかなかった。だから、今回は成功させたいと願っている。」そうでしたね、なつかしく思い出しました。
すてきなゲームができますように。いや、できたのですね?
遊んでみたいです。

投稿: 水野奈美 | 2015年3月25日 (水) 22時55分

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