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2014年3月22日 (土)

旅先からの便り (4)

 こんばんは……。今日は大阪に来ています。
 
 前回は、科学・技術を手に入れた人類は、こ新しい“共通語”を使って、神に近づく努力をし、実際に神に近づいている--つまり、素晴らしい“神の国”の建設に向かっているのかどうか--という疑問のところで終わっていました。
 
 実は、私はこのお便りを書く前まで、ロイター通信の英語サイトにあるプーチン大統領の議会演説の記録を読んでいました。この議会演説とは、彼が、クリミア自治共和国をロシア連邦に編入した際の、その理由を述べた今年3月18日の“大演説”です。それを読みながら感じていたのは、日本が属する“西側”のメディアが伝えているこの事件の状況と、彼が述べていることの大きな違いでした。
 
 日本はこの地域から遠く離れていて、利害関係はほとんどないので、日本のメディアは地域の事情に詳しくなく、ほとんどが欧米の--それもアメリカの論調に基づいた報道しかしていません。私はそれだけを読んでいたため、プーチン氏の心情(たといそれが一種の政治的ポーズであっても)を知ることはできなかったのですが、この演説にはそれがよく描かれていました。
 
 それで、何が分かったかというと、私たち人類は、科学技術という共通語を獲得したといえども、それは国際理解にほとんど役立っていないということです。詳しい説明は省略しますが、プーチン氏の言い分は、冷戦後の東欧の処理に不合理もしくは不平等があり、それについてこれまでガマンしてきたが、ついにロシア自体の国益を損なう事態に発展したため、やむを得ず自国の利益を護った--というのです。私は、それが大東亜戦争に入る前の、日本の政治家の演説とトーンが似ていることに驚きました。“バベルの塔”は今、再び崩壊の危機に直面しているのです。
 谷口 雅宣 

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コメント

総裁 谷口雅宣 先生

合掌 ありがとうございます

先生のお言葉は新たなる東西冷戦への示唆と考えます。

大東亜戦争以前の日本の状況と今回のロシアの状況が酷似している点を先生は強調されましたが日本は当時、中国東北部を満州国という日本の傀儡国家を作り、植民地支配していましたが、今回のロシアの行動はクリミアを編入した事で同じ状況が発生したと過言ではありません、しかし日本でもこの様な状況は多々ありまして、新聞報道と言う点では、一般紙の『読売・朝日・毎日』と『赤旗』では報道内容が全然違うし、日経と産経も同じ様な違う様な感じがします。たが朝日と赤旗は路線が同じ方向なのに報道内容が違うのが違和感を感じます。報道偏向を操作している機関が存在するのでしょうか。

投稿: 直井 誠 | 2014年4月 6日 (日) 17時23分

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