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2013年7月 7日 (日)

“森の中のオフィス”で落慶式

 今日は午前10時から、山梨県北杜市の生長の家“森の中のオフィス”で同オフィスの落慶式、11時すぎからは万教包容の御祭が行われた。落慶式には、ブラジル、北アメリカ、韓国、台湾、ヨーロッパの生長の家の代表者を含む幹部・信徒が参列したほか、来賓として、立正佼成会の渡邊恭位理事長、地元北杜市の白倉政司市長、オークヴィレッジの稲本正代表、東洋大学の西山茂名誉教授、環境経営学会の岡本享二理事、近隣の自治会代表者、工事関係者など多数が参加してくださった。八ヶ岳南麓地域は前日まで雨模様だったが、今日は朝から青空が拡がるよい天気に恵まれたことがとても有り難かった。万教包容の御祭では、東京からこの地に移設された神像と、新たに設置された七重塔の除幕が行われ、世界各地より集まった生長の家の幹部・代表者が『観世音菩薩讃歌』を読誦する声と、周囲の森で鳴くエゾハルゼミの合唱とがあいまった荘厳な雰囲気の中で、参列者は運動のさらなる拡大と「万教帰一」の教えの宣布を誓い合った。

 私は、落慶式の最後に概略、以下のような挨拶を行った--
 
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 皆さま、本日は生長の家の新しい国際本部である“森の中のオフィス”の落慶式にお越しくださいまして、誠にありがとうございます。ここにおいでくださった多くの方はすでにご存じのように、私ども宗教法人「生長の家」の国際本部は、東京の渋谷区の「原宿」と言われる地域にありました。建物の竣工は、昭和29年(1954年)3月ですから、59年と4カ月、およそ60年前の出来事です。生長の家の立教は昭和5年(1930年)ですが、立教当初は神戸の住吉に本拠地があったものを、昭和9年(1934年)に谷口雅春先生御一家は東京へ居を移されました。それから数えると約80年間、私たちは東京を本拠地として活動を展開してきたわけです。そういう歴史をもった宗教運動が、このたび八ヶ岳の山麓にある“森の中”へ移転し、そこで活動を始めることになるわけですから、当然、運動のやり方や方向性に多少の変化が生じることは避けられません。
 
 しかしその一方で、宗教とは、そもそも時代や環境に左右されない“宗教的真理”を宣布するための活動ですから、発祥当時から全く変わってしまうということはあってはなりません。不変の真理を掲げながらも、時代や環境の変化にともなって生じる人々や社会の要求に応えていくということは、決して簡単なことではありません。しかし、それが宗教運動の最も重要な役割だと私は思います。その目的のために、私たちは、この“森の中のオフィス”に、立教当初からの生長の家の考えを表す象徴を、いくつか設置することにしました。基本にもとづき、応用範囲を拡大するためです。それの象徴とは、①神像であり、②七重塔であり、そして、③5つの橋の名称です。
 
 会場におられる皆さんの多くは、ここへ来られる前に、敷地内の2つの橋を渡って来ておられますが、その橋に名前がついていることに気づかれたでしょうか? この敷地には、全部で5つの橋があり、それぞれに漢字で表された名称がついています。この名称は、私たち生長の家の信徒が日常の業務の中で忘れてはいけない教えを凝縮して表現したものです。それを解説していると長くなるので、別の機会に譲ろうと思います。しかし、「神像」と「七重塔」については、今後の生長の家の方向を示す大切なものであり、この落慶式のあとに行われる御祭では、これらの除幕が行われて、皆さんはその姿をご覧になることになりますから、それらが何を意味しているかをこの機会に説明させてください。
 
 すでに申し上げましたが、これら2つは、生長の家の立教当時の精神を象徴したもので、それがここに置かれるということは、私たちはこの2つに象徴される立教の本来の目的を今後もずっと掲げ続ける、という意志の表明であります。まず神像ですが、これはもともと東京・原宿の本部会館の正面玄関に設置されていたもので、「七つの燈台の点燈者」を象ったものです。七つの燈台の点燈者とは、キリスト教の聖書の『ヨハネの黙示録』第1章に出てくる霊人のことで、聖書では「七つの金の燭台」に火を点ずる者として描かれています。生長の家では、これを「七つの燈台の点燈者」と呼んできました。私たちは、この点燈者とは「世界のすべての宗教に火を点じる者」のことだと解釈しています。つまり、世界の宗教は皆、唯一つの共通真理を、それぞれの時代や環境、人々の要請に応じて宣布してきたものだと考えるのです。これを私たちは「万教帰一」の教えと呼んでいます。簡単に言えば、すべての宗教の神髄は共通しているということです。この考えをキリスト教的に表現したものが、「七つの燈台の点燈者」ということです。
 
 これに対して「七重塔」は、同じ「万教帰一」の考えを仏教的に表現したものです。『法華経』見宝塔品によると、釈尊の説法のクライマックスでは多宝塔が地中から出現して真理の素晴らしさを讃えたとありますが、これに基づいて中国や日本の仏教寺院には、昔から二層の多宝塔や三重塔、五重塔、七重塔などが建立されてきました。私たちは、これを「一仏一切仏」の教えの表現としてとらえています。つまり、世界では色々の宗教や宗派の名称で真理が説かれていても、それらはことごとく同一如来の分身であり、同一の真理が、異る説き方で説かれているから、私たちは宗教争いや宗派争いをする必要はないということです。この「一仏一切仏」の考え方は、「万教帰一」の教えとまったく同じであります。つまり、キリスト教でも仏教でも「万教帰一」の教えは説かれているのでありますが、その表現の仕方が違うので、これまでは見落とされがちだったのであります。
 
 生長の家は、新しく建設されたこの“森の中のオフィス”を国際本部として業務を開始するに当たり、この「万教帰一」の考え方を目に見える形で表すため、そのキリスト教的表現である「七つの燈台の点燈者」の像と、仏教的表現である「七重塔」とを同じ広場に設置して、世界の宗教の大元は同じであり、したがって宗教争いや宗派争いをすることなく、共通目標に向かって一致協力して進むべきであることを訴え、自らもその方向に精進していく決意を新たにしようとしているのであります。
 
 それでは、世界の宗教が一致協力していくべき“共通目標”とは何でしょうか? 生長の家では、それは私たち人間の生活の場、表現の場、交流と発展の場である地球とその環境を、これ以上破壊することなく、自然界の他の生物と共存共栄することを目指して、私たちの考え方、生き方を改めていくことだと考えます。人間の活動によって地球環境が乱され、気候変動が今後も加速していくならば、世界の農業、漁業に深刻な影響が及ぼされ、森林破壊は進み、食糧難や土地の奪い合い、資源の獲得を目指した国家間の対立はさらに拡大するでしょう。そのことが充分予見されていながら、神の愛や仏の慈悲を説く宗教が、何もせずに手をこまねいていることは許されません。自分の生活さえ安全で豊かであれば、他国の人々が餓死し、また紛争の渦中で傷つき死んでいくのを無視することはできません。私たちはそのようなグローバルな問題をしっかりと見つめながら、実際の生活の場にあっては、ローカルな問題を着実に解決していくことによって、神の御国の建設、仏の浄土の現成を進めていきたいと考えるのであります。
 
 現在の日本のローカルな問題には、戦後に植えられた木々が収穫時期に来ている一方で、林業が衰退し、山が荒れていることがあります。また、地方の政治と経済が中央の犠牲となっています。これが端的に表れたのが、2年前の東日本大震災と福島第一原発の事故でした。都会でのエネルギーと資源のムダが多い生活を支えるため、地方には多額の補助金を添えて危険な原発が押しつけられてきました。それを改めるためには、エネルギーと資源のムダ遣いをやめなければいけないのですが、現在の政治は、「経済活性化」という旗印のもとに、再びムダ遣いの生活を奨励しようとしています。私たちのこの“オフィス”への移転は、その方向に対する「ノー」の宣言です。この“森の中のオフィス”では、二酸化炭素を排出しない“炭素ゼロ”で業務を遂行するだけでなく、現状において可能なかぎりの技術を駆使し、自然エネルギーによる“エネルギー自給”を目指して業務を遂行していきます。また、地元の自然保護と経済の活性化の両立を目指します。その具体的に方法については、このあとの見学会などでいろいろ説明があると思います。
 
 この落慶式にお越しくださった皆さんには、これら生長の家の目指すところをぜひご理解いただき、私ども生長の家に“新参者”として足りないところがあれば、ぜひご指導、ご鞭撻いただき、山梨県の一員として、北杜市の市民として、さらには大泉町、長坂町、小淵沢町のお仲間として末永くおつき合い頂きたくお願い申し上げます。これをもって、生長の家“森の中のオフィス”落慶のご挨拶とします。皆さま、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
 谷口 雅宣 拝
 

 
 

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コメント

合掌 
 総裁先生 本日は"森の中オフィス落慶"本当におめでとうございます。
   七月七日、「七」は生長の家では完成の数とお伺っております。スクリーンの爽やかな森の中に自分も そこにいるように竹の地面に萌ゆる緑の植物が印象的でした。全信徒が一度に会してこの喜びを共に感動の時間として神様からいただいきましたことに感謝申し上げます。島根教区の講習会のテキストとしてご使用されました "森の中に行く"を拝読いたしましたとき、総裁先生のご決断になみなみならぬものを感じ 熱きものがこみあげてまいりました。今日はそれが現実として拝し、「喜びの中に実践しなければ総裁先生の心中にお応えでききない。これが生長の家の信徒としての当然な姿勢である」との思いであります。 魂高き宗教の方々と共に正しきこの運動をともにできますことに感謝合掌いたします。

"四季の恵み弁当"のご著書で純子先生は「食卓から平和を」の中でお示しくださっておりますように、 私たち女性は日々の台所に関わりが多くあり、心の思いひとつで世界平和の実現に大いに参加できる。二酸化炭素削減、地球に譲る生活態度は総裁先生が20年以上前からお示しくださり、今もなお平和であるためには資源、環境、を外しては考えられない。と私なりに理解いたしております。 再度 七月七日落慶おめでとうございます。 再拝
             島根教区   足立冨代 


 

投稿: 足立冨代 | 2013年7月 7日 (日) 22時16分

香川県教化部の大拝殿のスクリーンで落慶式の様子を見せていただきました。大変、感動しました。生長の家のみ教えは、完璧で素晴らしいと思います。三正行を、実践して薬剤師として人間として精進していきたいと思います。合掌、ありがとうございます。

投稿: 藤井幾代 | 2013年7月 8日 (月) 05時17分

総裁先生、ありがとうございます。
生長の家本部練成道場の大拝殿のスクリーンで、“森の中のオフィス”の落慶式を見させて頂きました。
壮大な自然との一体感を感じ、大変感動いたしました。
「大自然讃歌」の一斉読誦も、とても素晴らしかったです。

投稿: 丸山貴志 | 2013年7月 8日 (月) 10時57分

総裁先生 いつも素晴らしいご指導ありがとうございます。昨日は「森の中のオフィス」の落慶式、島根県教化部で、29名の方々とスクリーンの映像を通して参加させていただきました。教化部職員の話では、島根教区では他に3会場を含む4会場で合計77名が、記念すべき落慶式に間接参加させていただいたようです。タブレット端末をもっている白鳩会の幹部さん達は、自宅等で近所の信徒の皆さんに映像を見せてあげられたようです。
 総裁先生の仰る約40年目の節目の、意義ある行事に参加させていただき、感慨深いものを感じさせて頂きました。地球世界・社会の変化に対応するのに、立教の心、創始者谷口雅春先生の本当の心、願いをベースに私たち信徒をご指導くださいますことに、心から感謝申し上げます。その伝道の中心施設として、「森の中のオフィス」が完成したことは、真に意義あることであり、真にありがたく、お目出度いことだと思います。
 落慶式には、来賓として立正佼成会の渡邊理事長・東洋大学の西山名誉教授・環境経営学会の岡本理事の参加もさることながら、地元北杜市の白倉市長・近隣の自治会代表者の方々が参加されたとあり、関係団体等からも注目を集めていること、期待されていること、地元から歓迎されていることが窺い知れて、本当に嬉しく思いました。私は、9月の「プレオープン行事」に参加させていただく予定です。「五つの橋の名前」も楽しみにしております。
 今後益々、総裁先生ご教示の信仰運動を、総裁先生に中心帰一して、教化部長のご指導の下に微力ながら邁進させていただきたいと思っております。
 再合掌 島根教区 石田盛喜代

投稿: 石田 盛喜代 | 2013年7月 8日 (月) 18時04分

合掌、
谷口雅宣総裁先生、森の中のオフィス落慶おめでとうございます。
大海の一石どころか、世紀の記念すべき大いなる落慶、御祭りと存じます。
総裁先生の御心にこのオフィスの計画が、神様から天降って以来、十年にわたる年月をわたくし達信徒のみならず、世界中をご先導いただきました。
そうして、ご挨拶の締めくくりに、山梨県民、北杜市民の”新参者”としての謙虚なお言葉を拝聴いたし、胸がいっぱいになりました。
総裁先生への中心帰一の想いがますます確固としてまいります。必ず必ず伝道に邁進いたします。 
         再拝  島根教区 西村世紀子

投稿: 西村世紀子 | 2013年7月 9日 (火) 20時23分

 合掌 総裁谷口雅宣先生、何時も私達を正しくご指導いただきますことを心より感謝申し上げます。“森の中のオフィス”落慶誠におめでとうございます。島根教区では四会場でインターネットを通して映像を拝見させて頂きました。わたくは益田会場で11名の皆様と拝見し、また共に「大自然讃歌」の一斉読誦をさせて頂きました。ある白鳩会の幹部の方は、仕事のため落慶式の時間だけ休みをとって、タブレットで映像を拝見し感動したと伺いました。総裁先生には今日における、生長の家の運動の目指す方向などわかりやすくお話をしていただき改めて生長の家の御教えの素晴らしさを感じました。このような尊い御祭りに参加できましたことを感謝申し上げます。この素晴らしい御教えを自ら実践する事はもちろんですが、まだご存じない方々にお伝えしてまいります。再拝
島根教区 水津英子

投稿: 水津英子 | 2013年7月10日 (水) 00時46分

合掌、総裁先生 ありがとうございます。

生長の家新国際本部落慶式 心よりお祝い申し上げます。

私は 携帯から 総裁先生のご文章を拝読させていただきましたが 読みながら涙が止まりませんでした。

私たちは こんなにも壮大な世界規模の大きな愛の活動をさせていただいているのですね。

唯一無二の生長の家の素晴らしさを改めて感じさせていただきました。自分自身大自然と一体となり、日々の生活を見つめ直す機会をいただきました。
今 足元から 一歩ずつ 自然、動物、植物、人間の神の愛において既に一つである大調和の世界へ向けて 神様の御心の実現すべく 祈り 行動してゆきます。

そしてこの心を多くの子供たちにも伝えてゆきます!!!

投稿: 浦和 仁美 | 2013年7月13日 (土) 16時16分

合掌
森の中のオフィスの落慶式お目出度う御座います。
当地アメリカでもインターネットで視聴出来ました事に感激でありました。有難うございました。
私は鈴木昭夫と言います。
アメリカ南加教区に在籍し、地方講師として活動させて頂いています。
個人的な事でこの様なメールをする事に少し抵抗はありましたが、
今日は谷口雅宣総裁先生に見て頂きたい動画があり、メールを書かさせていただきました。
既にご存じかも知れませんが、TEDというインターネット番組で流れていたものです。
【Jill Bolte Taylor: A Stroke of Insight】というタイトルで、脳科学者の体験であります。下記がサイトのアドレスで御座います。

http://www.ted.com/talks/jill_bolte_taylor_s_powerful_stroke_of_insight.html

私はこの動画を見て谷口雅宣総裁先生を思い浮かべました。
先生のご著書であられます["森の中へ"ゆく]の中の31ページから
38ページにかけて先生は右脳に関してもご説明下さっています。
私は右脳左脳に関してあまり深く考えていませんでした。
しかし、この動画を見て、今谷口雅宣総裁先生が推し進めていらっしゃる生長の家の運動が納得出来ました。 (動画を見て納得したというのは私にとってすごく残念ではありましたが。)
総裁先生がお伝え下さっているように、私達人間は他の生物にも優しく共存共栄していかなければならない。私達は自然に優しい人間観、世界観を"自然と共に伸びる"運動、国際平和信仰運動をとうして伝えていく使命が今の生長の家の信徒の役割であると確信した次第であります。
私達は、右脳をもっと訓練発達させるよう心掛ける事によっても、平和な世界を招来出来ることに結びつき、又谷口雅宣総裁先生が今世界に向かって提唱していらっしゃいます"自然に優しい""自然と共に伸びる"
人間神の子の真理を私達信徒一丸となって、総裁先生のみ心を押し広めて行く覚悟が必要であると痛切に感じた次第であります。
私も地方講師として、アメリカ南加教区で"自然に優しい"人間"神の子"の真理をお伝えしていく覚悟であります。
総裁先生が、宗教に携わる者としてお説き下さる自然環境に関するお考えこそ今私達に絶対に必要な最優先課題であるということに気付かさせて頂きました。
有難うございました。 再拝

投稿: 鈴木昭夫 | 2013年7月17日 (水) 13時59分

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