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2013年5月 7日 (火)

自然は与える

Mushrooms  森の中を歩いていて楽しいことの一つは、予期しないときに、予期しない場所に、予期しないキノコを発見することだ。それも1株や2株ではなく、一面に群生していたりすると、不思議な命の集団に出会ったような気がして、一瞬、躊躇する。人間の自分がこんなところにいて良いのか……という遠慮がちな気持になるのである。何に遠慮するかというと、自分の知らない、何か神秘な生命の循環の最終段階を目撃していると思うからだ。キノコを含む菌類は、動物や植物が命を終えて、土に還る前の段階の重要な分解過程を担当している。それなら、菌類を食べるものはいないかというと、まったく逆で、たくさんの昆虫がそのおかげで栄養を得る。どんなに新しい、きれいなキノコの中にも、必ずといっていいほど虫が発見される。虫を呼ぶために芳香を発しているものもあれば、異臭を放っているのもある。

 こういう偶然の出会いとは違って、キノコ採りを目的として森に入る場合は、ハンターの心境になっているから躊躇などまったくしない。コレと思うものを発見すると、すぐに手が伸びてしまい、多数を見つけると不必要な量を採ってしまうことが多い。森の動物の中にもキノコを食するものがいて、傘の一部がかじり取られているのを見つけることがあるが、周囲全部を食い尽くした跡など見たことがない。たまに、引き抜かれたキノコがいくつも散らばっている光景に出会うことがあるが、その“下手人”は人間に決まっているのである。私は最近になってようやく、キノコを適当な量だけ採るコツを覚えたようである。要は「与える心」の実践である。

●自然の与え合いに感謝する祈り

 愛にあふれているものは、必ず愛を他に与えます。太陽からエネルギーを得た植物は、動物のために酸素や糖を豊かに与えます。植物から力を得た動物は、二酸化炭素を植物に与え返し、花粉や種を遠方に運んで植物が繁栄するのを助けます。動物は老廃物や死骸をカビやキノコなどの菌類に与えて、菌類はそれを分解して動植物に必要な栄養素に変え、土を肥やします。一見、無関係と思う生物界のすべてのものが、与え合う愛の活動をしていることを私は知っています。そして、私たち人間は、これらすべてに支えられ、愛にあふれて生きているのです。だから、必ず愛を他に与えます。
 
 私たちが「自然」と呼ぶものは、無限に他を生かし、他に与える、神さまの豊かな愛の流れの別名です。だから自然は善いものであり、調和していて、美しいのです。

 私は神さまを愛し、尊敬するように、自然を愛して敬います。ありがとうございます。

 谷口 雅宣

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コメント

総裁・谷口雅宣先生

子供版“日々の祈り”感動しながら拝読させていただいております。

中学生の頃、様々なことで悩んでいたとき、谷口雅春先生の『ジュニア希望の祈り』を拝読して、祈ったことを思い出し、我が子がいつか先生のお書き下さる子供版“日々の祈り”で祈るのかと思うと本当に嬉しく思います。

本当にありがたいことでございます。

            青年会 大平收一

投稿: 大平收一 | 2013年5月 8日 (水) 17時59分

総裁先生、ありがとうございます。
子供版「日々の祈り」すばらしいです。自然界は与え合いの世界であること。その背後には神様の無限の愛が存在すること。大人より寧ろ、子供たちの方が素直にこれを理解できると思います。ご本になって出版されるのを期待しております。
先日、「陸前高田の一本松」を見てきました。7万本の松林を一気になぎ倒した津波という自然の猛威と、それでも毅然として立ち続けた1本の松を見て、元気づけられました。現地では松原を元に戻す植林が行われています。
再拝

投稿: 佐々木(宮城教区生教会) | 2013年5月 8日 (水) 20時04分

私達、山に住む者は、山の恵みをとても大切にします。山菜も、それぞれが、必要なだけ採ります。そうでないのは、都会からレジャーで来てる方達です。こんなとり方をしたら、来年出なくなるよ、というような採り方をしていきます。山菜も、暗黙の了解でなわばりがあります。大きくなるのを楽しみに伸びるのを待っていたのに、なくなってる場合は、よそからきた方が「みつけた!」とばかりに採って行った時です。地元の人は、なわばりを越えてまで採りません。都会の人は山のルールを知らないから仕方がありませんが、残念に思います。
そんな私も、山に住むまでは、このレジャーに来る人たちと同じことをしていました。山のルールは山に住んで知りましたし、山菜を生かす方法も、ここで知りました。自然の中に住んでこそ、自然との共生がわかりますね。

投稿: 水野奈美 | 2013年5月 8日 (水) 22時24分

総裁・谷口雅宣先生
総裁先生 いつも 沢山の学びをいただきありがとうございます。 「自然の与え合いに感謝する祈り」に感動しております。 私たちは 何気なく生活するのでは何も変わらない。、 地球の中には目に見えないものに あまりにも、無神経な自分を戒めています。経文のなかでも いつもご教示頂いていますが、まだまだ 本当に分かっていない。すべてによい関係で循環して生かされていますが まだ知らない星のもとで不思議いっぱいです。  わが家に今朝は 蜘蛛が目の前を通過しようとしたとき、とっさにメモ紙を手にして蜘蛛を包み 外に放ちました。 総裁先生から 全ての動植物、細菌にいたるまで 意義があってそれぞれの働きがあることを知ることで少しでも生き物の命を大切にという生き方の真似ごとのようなことをしております。最近県外にいる息子がやっと、自ら肉食をしない努力をしていると知りとても感謝しています。、 感謝合掌
              島根教区  足立冨代   

投稿: 足立冨代 | 2013年5月 9日 (木) 18時26分

 合掌 総裁先生、いつも素晴らしいご指導をありがとうございます。最近、低地のウオーキングを始めましたが、居ながらにして森の散策をさせていただきありがとうございます。「自然の与え合いに感謝する祈り」が、私の心にスーッと収まりました。私に、総裁先生のご教示がピッタリと理会できることが何と嬉しいことか。私の中にあるものに気づかせていただき、引き出していただき、本当にありがたく感謝です。「日々の祈り」Ⅱが上梓されることをお待ちしております。
 再合掌 島根教区 石田盛喜代

投稿: 石田盛喜代 | 2013年5月11日 (土) 02時11分

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