« 肉体を超えて明るく生きる | トップページ | “峻厳な愛”の美しさ »

2013年4月 6日 (土)

七層の石塔について (2)

7storytower  3月16日の本欄で、生長の家の国際本部が移転する山梨県北杜市の“森の中のオフィス”の敷地には、白髪白髯の霊人の神像を東京から移設するだけでなく、「七層の石塔」を建てることを書いた。この石塔がどんなものであるかの詳細が、4月3日の会議で決まった。正式名称を「七重塔(しちじゅうのとう)」と言い、毎年、7月7日の万教包容の神示の日に、オフィス敷地内にできる「万教包容の広場」に1基ずつ増設し、その際、万教帰一の教えによる世界平和の実現を誓願する「万教包容の御祭」を行うことになった。
 
 「塔」は、もともとインドで死者を葬る施設「Stupa」を漢訳した「卒塔婆」から来ていることはすでに書いた。また、仏教がこの習慣を取り入れて、仏舎利を安置する塔を各地に建てることを始め、塔が増えて仏舎利が分けられなくなると、「法舎利」として経典を収めるようになったことにも触れた。生長の家はこの習慣を取り入れて、七重塔の最下層には、聖経『甘露の法雨』のほか『大自然讃歌』と『観世音菩薩讃歌』の経本を収めることになった。七重塔のデザインはここに掲げたようなもので、高さ2.5メートル、生長の家のオリジナルである。七層の石塔は日本各地に存在するが、それらは塔頂部に「相輪」と呼ばれる独特の構造をもっている。これは、雨風から卒塔婆を護る傘状の蓋を起源とするもので、それ自体が多層の卒塔婆を表している。私たちの七重塔では、この二重の表現を採用する代わりに、塔頂部に如意宝珠を置くことで、運動の目的をより明確に表現することにした。つまり、実相世界の荘厳を地上に顕現させるーーそういう役割をもった如意宝珠をいただいた運動であるということを表現したのである。
 
 この点については、『法華経』見宝塔品のクライマックスの解説で、谷口雅春先生は次のように、如意宝珠と多宝塔との関係を説かれている--
 
「(前略)地より湧出したことは、地下の竜宮城がそこに姿をあらわしたことであります。竜宮城の甍は七宝をもって葺いてあるので、私たちが、如意宝珠観に於いて「此処、竜宮城なり、海津見神の宮なり、塩椎神の宮なり、住吉神の宮なり、一切の宝あまねく満ち、一切の調度悉く七宝をもて荘厳せり」と観想する龍宮無限多宝の世界が、法華経の真理の説かれる処に実現することが此処に書かれているのであります。私たちは現象の“利”などを齷齪と追求することは要らない、法華経の真理が正しい意味で説かれれば、自然に多宝如来(竜宮の大神・住吉大神)の御出現を見るのであります。そこでこの七宝の塔を“多宝塔”と呼び、多宝塔の中から多宝如来の声が聞えて来るのであります」。(『法華経解釈』、p.357)

 仏教の伝統では、多宝塔は基本的に2層構造であるが、生長の家では「七つの燈台」との関係で7層構造を採用していることは、すでに書いた。そこで今回採用された塔のデザインも7層となっている。さらに、七重塔のもう1つの構造的特徴は、中心部に垂直方向に鉄筋が貫いていることで、これは「多様性を中心にまとめる」という中心帰一・万物調和の理念の象徴としてとらえられる。また、この「7」という数字は「完成」や「すべて」を表現していることから、生長の家の七重塔は、「完全円満」な「すべての存在」を包蔵する実相世界を様々な角度から表現する“象徴”としての役割を担うことになった。この役割は“7つの象徴”として次のような7項目にまとめられた--
 
 ➀万教帰一(七つの宗教)--七つの社は「七つの燈台」すなわち世界の宗教をあらわすため、七重塔は各宗教が多様性をもちつつ“人類共通の救いの原理”に中心帰一して大調和する姿をあらわす。
 
 ②国際平和(七つの大陸)--七つの社は、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリア、南極の七つの大陸をあらわすため、世界の国々が多様でありながら神の御心に中心帰一して大調和する姿をあらわす。
 
 ③多様な民族の調和(七つの民族)--民族とは、言語・文化を共有する人間の集団をいうので、七重塔は、人類の多様な民族が相互に調和している姿をあらわす。
 
 ④多様な文化の調和(七つの文化)--文化とは、社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式や生活様式の総体をいうから、七重塔は、人類のもつ多様な文化が調和しながら共存共栄していく姿をあらわすと共に、生長の家の教えが世界の各文化圏にふさわしい形で正しく伝えられている姿をあらわす。
 
 ⑤世代間の調和(七つの世代)--七重塔は、生長の家の教えが、中心を外さずに「七つの世代」にわたって、つまり「永遠に」引き継がれていく姿をあらわす。また、世代間倫理をまもること、さらには運動の後継者育成の願いを込めた象徴でもある。
 
 ⑥生物間の調和(七つの生命)--地球生命の大調和の象徴。七重塔は、地球上のあらゆる生命を意味しているので、神の御心のままに多様な生物種が繁栄する豊かな生物多様性をあらわす。
 
 ⑦拠点・組織間の調和と発展(七つの拠点)--生長の家の運動が中心帰一を保ちながら多様な拠点へ、多様な組織の形で発展していく姿をあらわす。七重塔は、生長の家の世界の各拠点、あるいは多様な組織をあらわし、各拠点・組織の人々が多様性をもちながら調和して発展する様子を象徴する。
 
 このような“古くて新しいシンボル”ができたことで、私たちの運動が今後、さらに飛躍的に進展することが期待されるのである。
 
 谷口 雅宣

|

« 肉体を超えて明るく生きる | トップページ | “峻厳な愛”の美しさ »

人類学」カテゴリの記事

宗教・哲学」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 肉体を超えて明るく生きる | トップページ | “峻厳な愛”の美しさ »