« 生長の家ってどんな教え? | トップページ | 運動の変化について (2) »

2012年11月28日 (水)

運動の変化について

 本欄の読者はすでによくご存じのことだが、来年度から、生長の家は国際本部を山梨県北杜市の“森の中のオフィス”に移転し、そこで業務を始める。その経緯や目的等については、本欄をはじめ生長の家の公式サイト、SNS上などで発表され、私も『“森の中”へ行く』(2010年)、『次世代への決断』(2012年)などの書籍で詳しく説明した。その後諸般の事情から、実際の移転時期は当初予定していた4月から10月に延期されたが、新しい“オフィス”の建物は来年春には完成する。この変化は、生長の家の歴史の中では、創始者・谷口雅春先生が神戸から東京へ移住された時(1934年)、そして東京から長崎へ移転された時(1975年)にも匹敵する重要度をもつだろう。これらの重要な“節目”の周期を調べてみると、約40年であることに気がつく。もちろん、40年たったら、どんな運動でも大きく変化しなければならないという理由はない。しかし宗教運動は、周囲の世界の状況の変化に正しく対応していくべき使命があるから、変化を恐れていてはならず、必要となれば社会に先駆けて新たな道へと進まねばならないことも事実である。
 
 それは、神の御心の表現として行われるかぎり、宗教本来の動きとも言えるのである。谷口雅春先生は『真理の吟唱』の「久遠いのちを生きる祈り」の中で次のように説かれている--
 
「神の無限の創造はたゆみなく継続して杜絶えることはないのである。それゆえ、神の子の創造もまた無限につづいて中絶することはないのである。神の創造には、二度と同じものが繰り返されることはない。それと同じく私たちの構想も二度と同じものが繰り返されることがないから、わたしの発想は常に溌剌として新たなのである。生命は常に新たであり、自由であり、つねに過去を破壊して新たなる創造へと進むのである」。(同書、p.15)

 これは何も宗教運動だけでなく、企業や事業の経営にも言えることで、変化への適切な対応の中に神の無限アイディアが表現されていくことになる。「無限の富者となる祈り」には、上記と同じ真理が個人にも適用されることが、次のように示されているーー
 
「繁栄は“神の子”にとって当然の付随物であるのである。決して私は貧しくなるなどということはないのである。自分の事業は必ず栄え、計画は必ず図にあたるのである。事に応じ、時に応じ、人に応じて、私は神に導かれて最も適切なる処置をとることができるのである。どんなに衰微せる事業でも、私はそれを生かすことができるのである。なぜなら繁栄の叡智を神から私は与えられるからである。その事業が時代に適しないものであれば、私はそれを適当な方向に転じて活かす事もできるのである。神は神通自在であるから、決して旧態依然たる陋習に甘んじている必要はないのである。棄てるべきものは棄て、切るべきものは切り、生かすべきものは生かし、転ずべきものは転じ、どんな万難をも切りひらいて行きづまることはないのである。行き詰まったと見えるところに、新しく前よりも一層偉大なる使命を見出すのである」。(同書、pp. 241-242)

 現在、東京・原宿にある生長の家本部が、山梨県北杜市の八ヶ岳山麓に移るということは、単純に考えれば“本部事務所の移転”にすぎないから、生長の家の運動の流れに大きな変化が起こると考えない人がいるかもしれない。しかし、雅春先生の神戸からのご上京後、約80年ものあいだ、私たちの運動は基本的に「東京」を本拠地として展開されてきた。東京はその間、日本の政治・経済・情報・文化の中心であり続けたし、今後もそれは続くだろう。その東京から“森の中”へ動かねばならない理由を考えるならば、私たちの運動は今後、これまでの政治が、経済が、情報が、文化が進んできたのとは異なる方向へ進む可能性を内包していることに、気づいてほしいのである。それはもちろん、“原始生活”や“未開文明”にもどることではない。私たちの目的は、すでに公表されているように、「現代人が現代の生活を営みながら自然環境と調和した生活をおくる」(“森の中のオフィス”構想の基本的考え方)ためのノウハウの獲得と、そういう生活の実践である。

 それは決して夢物語ではない。その証拠に、現在建設が進んでいる“森の中のオフィス”は、建設業界では「日本初のZEB(炭素排出ゼロ建築物)」として注目されているだけでなく、地元の木材を多用した大型木造建築物としても類例がない。これらの技術的成果に、生長の家は何か特別な貢献しただろうか。いやそうではなく、日本の企業が開発ずみの技術を組み合わせただけである。私たちは、すでにあるものを利用させていただいただけなのだ。そこにもし何か貢献があったと言えるならば、それはこのような優れた技術を動員するための「需要を喚起した」ことぐらいだろう。しかし、私はそのことが重要だと思う。需要がなければ、技術はあっても使われないし、使われない技術はやがて衰退してしまう。このような建築物の建設とそれを取り囲む環境の整備は、世界有数の大都会・東京では、まず不可能である。少なくとも、生長の家の資金力では無理である。土地の値段の高さを初めとして、法制やインフラや道路事情などを考えても、実現はそれこそ“夢物語”である。「新しい文明」は、それに相応しい場所から生まれるのであって、何も都会から生まれる必要はないのである。
 
 谷口 雅宣
 

|

« 生長の家ってどんな教え? | トップページ | 運動の変化について (2) »

宗教・哲学」カテゴリの記事

自然と人間」カテゴリの記事

コメント

谷口雅宣総裁先生
いつもfacebookやブログでご指導賜りますこと、有難く、心より感謝申し上げます。
森の中のオフィスが来春完成するのですね。そうして新しい文明が”森の中”から生まれるのですね。
謹んで、お祝い申し上げます。
運動の大きな変化のこの時に、白鳩会員の一人として、参加できますことは、何よりの慶びでございます。
三正行に励み、総裁先生のご著書を学び、一人でも多くの人にお伝えしようと決意する私はただの一主婦にすぎません。
もし、み教えに出会わなければ、どんな日常生活だったのか、と想像すると、こうしてパソコンに向かい、総裁先生にコメントを送らせていただいているだけでも、我ながら、驚きと感動を覚えないではいられません。
これからも、総裁先生、白鳩会総裁、谷口純子先生のご指導を仰ぎ見、伝え続けてまいります。 合掌、再拝。

投稿: 西村 世紀子 | 2012年12月 9日 (日) 23時43分

合掌 ありがとうございます。何時も素晴らしいご指導を賜り感謝申し上げます。この度の「運動の変化について」のご指導で、生長の家が原理主義ではないことを改めて学びました。宗教運動は時代の変化に応じて、周囲の世界の状況に応じて正しく変化していくのが使命であると学ばせていただきました。“森の中のオフィス”の完成が楽しみです。今後も総裁先生に中心帰一して、人類光明化運動、国際平和信仰運動、自然と共に伸びる運動に邁進いたします。有難うございます。

投稿: 島根教区 水津英子 | 2012年12月10日 (月) 08時05分

谷口雅宣総裁先生、常に素晴しいご指導を賜ります事、有難く感謝申し上げます。
来年度、生長の家は”森の中オフィス”に本部が移転される重要な”節目”を迎えられ、宗教運動も、時代と世界の状況の変化に応じて正しく対応していくべきであり、変化を恐れず、新たな道へと進まねばならないとお示し下さいました。
私も生長の家の信徒の一人として、これからも更に足るを知る生活、肉食の削減、日時計主義の生き方、三正行の実践を通して人間神の子の自覚を深め、温暖化抑制に努めて参ります。

投稿: 桑本和美 | 2012年12月10日 (月) 16時12分

合掌ありがとうございます。素晴らしいご指導心より感謝申し上げます。
御教えの真髄は変わらなくとも、その時代に応じて運動も変化していっていることがご文章を拝読して感じられます。常に御心を聞き、執着を放ち、御教えを行じていくことが使命なのですね。
これからも総裁先生に中心帰一して三正業の実践、日時計主義の実践、自然と共に伸びる運動に邁進いたします。

投稿: 尼 幸代 | 2012年12月10日 (月) 22時50分

おめでとうございます。感動しております。

投稿: 奥岡 文 | 2012年12月22日 (土) 00時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 生長の家ってどんな教え? | トップページ | 運動の変化について (2) »