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2012年7月13日 (金)

聖経について (11)

 生長の家叢書第9篇『生長の家の歌』の初版の時期がようやく分かりかけてきた。と言っても、断定するとお叱りを受けるかもしれないので、あくまでも「推定時期」としてである。これも、本欄の読者(前回の人とは別人)からの情報提供のおかげである。この場を借りて感謝申し上げます。

 まず、次のリストを見てほしい。これは、『生長の家』誌昭和8年2月号に掲載された生長の家叢書の広告である--
 
 第1篇『神への道しるべ』
 第2篇『死を超えて生く』
 第3篇『わが心の王国』
 第4篇『こころ我を生かす』
 第5篇『七つの光明宣言』
 第6篇『いのちのゆには』
 第7篇『家庭生活の光明化』
 第8篇『光明無限の生活』
 第9篇『生長の家の歌』
 第10篇『妙法七つの燈台の教』
 特別篇『生長の家経済連盟の提唱』
 
 このリストを、本シリーズ第8回で掲げた同じ「生長の家叢書」のリストと見比べてほしい。結構の異同があることが分かる。篇数とタイトルが2つのリストで変わっていないものは、10篇中の5篇だけだ。ということは、この叢書シリーズはタイトルや各篇の篇数が 、その時々の事情によって変更されたり入れ替えられる性質のものだったということである。本シリーズ第8回に掲げたリストは、箱型ケース入りの「10篇セット」の生長の家叢書で、発行日の表示はセット共通ではなく、各篇バラバラで昭和7年10月3日、同10年11月25日、そして同年12月1日の3種類がある。これに対して今回掲げたリストは、昭和8年2月号の『生長の家』誌上のものだから、前年12月ごろに広告原稿は作成されているはずだ。ということは、広告文にはその頃の状況が記述されていることになる。これを念頭に置いて、『生長の家の歌』というパンフレットに付された次の広告コピーを読んでほしい--
 
「生長の家叢書第9篇『無限生命の泉』品切れとなりましたので、長らく誌友から翹望せられていた『生長の家の歌』を第9篇に入れました。毎日携帯又は神前仏前等にて読誦するに至便です。慢性病者は特に『生長の家』(ママ)の歌の毎日読誦により快癒を速めます。」

 この記述を素直に読めば、パンフレット『生長の家の歌』は昭和7年12月以降に初版が出版されたことになる。そう言えるのは、この前号(昭和8年1月号)の『生長の家』誌にも生長の家叢書は広告されているが、その時の第9篇は『無限生命の泉』だからだ。また、昭和7年10月号の同様の広告でも、第9篇は『無限生命の泉』である。これらの事実を考えれば、昭和8年の1月号と2月号が出版される間に、叢書第9篇の差し替え作業が行われたとみるべきだろう。だから私は、「聖経 甘露の法雨」を含む最初のパンフレット『生長の家の歌』の初版時期は「昭和7年12月」だと推定するのである。
 
 ただし、問題が一つ残る。それは、私の手許には現物のパンフレット『生長の家の歌』が5冊あるが、そのどれもが奥付の発行日に「昭和7年12月」と表記されていないことだ。最も古い表記は昭和7年10月3日であり、これは前掲した広告コピーと矛盾する。他の4冊は「昭和10年12月1日」である。これらをどう解釈していいのか、私はまだ確かな答えをもっていない。が、可能な解釈の1つは「訂正漏れ」かもしれない。というのは、「昭和7年10月3日」という発行日は、同じ叢書の中の他の何冊もの篇の発行日と同じだからだ。当時の雅春先生の多忙さを考えれば、すでに組んであった奥付の旧版を誤って利用したという可能性はあり得ると思うのである。

 谷口 雅宣

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