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2012年4月 4日 (水)

大自然讃歌 (4)

天使答え給う――
人間は未だ意識拡がる途上にありて、
〝自然即我〟
〝我即自然〟の実相に眼(まなこ)開かず。
個にこだわり
全を見渡し得ざる故に、
自然と戦い、
自然から奪うことにより
自己の価値増すと錯覚せり。
また、欲望肥大し、
制御しがたき人未だ多き故なり。
天の童子重ねて問う。
「師よ、個の意識も欲望も
神が人に与え給いしものに非ずや。
自然破壊の因もし両者にあらば、
何故に神両者を除(と)り去り給わざらんや」。
天使答え給う――
汝、神は自らの〝似姿〟として
人を創り給いしこと忘るべからず。
神は全ての総てなるが故に、
〝似姿〟なる人にすべてを与え、
人をして
すべてを正しき位置に納めしめ、
大調和の秩序を地上に顕現せしめんとす。
されば個の意識は
人間に於いて最高度に発達せん。
汝、
人間最勝の特長忘るべからず。
人間は他者を思いはかること
地上の生物随一なり。
されば仏道にて
「四無量心これ菩薩の浄土なり」と説くに非ずや。
イエス・キリストも
「いと小さき者の一人に為したるは、
即ち我に為したるなり」と教え給う。
この自他一体の想いこそ
人の人たる所以なり。
四無量心は神の愛にして、
〝人間・神の子〟の証なり。

天の童子さらに反問す――
「師よ、神の愛・仏の四無量心は
個の意識と相容れぬに非ざるや」。
天使説き給う――
個の意識の目的は
自らの意(こころ)をよく識(し)ることなり。
自らの〝神の子〟たる本性に気づくことなり。
多くの人々
自ら本心を欺き、
他者の告ぐるままに
自ら欲し、
自ら動き、
自ら倦怠す。
自らを正しく知らぬ者
即ち「吾は肉体なり」と信ずる者は、
肉体相互に分離して合一せざると想い、
利害対立と孤立を恐れ、
付和雷同して心定まらず、
定まらぬ心を他者に映して
自らの責任を回避せん。
されど自らの意(こころ)をよく識る者は、
自己の内に神の声を聴き、
神に於いて〝他者〟なきこと知るがゆえに、
自己の如く他者も想わんと思いはかることを得。
即ち彼は、
神に於いて自と他との合一を意識せん。

天の童子続けて問う――
「されど人の尽きせぬ欲望は
いかにして自他一体の意識と両立せん」。

 谷口 雅宣

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コメント

総裁先生                     感動で震えがとまりません。続きが待ちどうしい事です。合掌

投稿: 赤嶺里子 | 2012年4月 5日 (木) 07時08分

雅宣先生有難うございます。日々の祈りを読ませて頂き、これは、真理の吟唱、続真理の吟唱に続くものだと思いました。わっかているのに、と言われる方もいましたが、私は、この日々の祈りで、すごく助かりました。読んでいくうちに、神ー自然ー人間の大調和を祈る、を祈ることの大切さと、感動、悦びを頂きました。日々の祈りは私に足りないところを教えてくださいました。心から、雅宣先生に感謝の気持ちで一杯です。有難うございます。今、私も赤嶺さんと同じ気持ちです。心の奥そこからの感動と悦びで一杯です。雅宣先生有難うございます。

投稿: 有馬真由美 | 2012年4月 5日 (木) 13時58分

抹香くさい原理聖経より新世代型の聖経とも言うべき【大自然賛歌】は是非とも聖経風の物に仕上げて頒布して頂きたいです。又、(次世代への決断)姫路市立図書館で借りて読みましたが、内容深いですねぇ。あまりにも内容が良いので先日普及協会サイトよりサイン本注文させて頂きました。雅宣さんも色々とガチガチの原理主義の方々から批判・中傷等あると思いますが、負けずに頑張って下さいね。応援しています。

投稿: 北純一 | 2012年4月 5日 (木) 14時37分

合掌 本当に素晴らしい『大自然讃歌』…全篇をあらためて、静寂の中で拝読させていただきました。読誦させていただいたと言った方が適切でしようか。どう表現してよいのかわからないのですが、何とも言えない心地よいリズムで、讃歌の詩が右脳に響いて、私の左脳の理屈が真理へと誘われて行きました。この歌が大自然の中から生まれ出てきたような感じを受けました。約11分、その妙なるリズムの中に聖経を感じました。
 拝読、いや、読誦を重ねて行く度に、どんなことが感じられるのかと、楽しみです。全篇をA4版で9ページに、そして携帯にも入れさせて頂きました。早く聖経版か『日々の祈り』のような版で上梓されることをお待ちいたします。感謝 再合掌 島根教区 石田 盛喜代

投稿: 石田 盛喜代 | 2012年4月 6日 (金) 22時39分

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