2010年9月12日

ミカンが割れる

 今年の夏は第1級の“異常気象”であったことが報告されていることは、読者もご存じだろう。本欄では8月20日9月5日にこの件に触れたが、9月に入って、新聞各社はそれらをまとめて報道している。
 
 9月2日『日本経済新聞』--気象庁はこの夏(6~8月)の日本の平均気温が、平年より1.64℃高く、1898年の統計開始以来、過去最高を記録したと発表。
 9月4日『福島民報』--今夏の高温の原因について、気象庁の「異常気象分析検討会」が3日、見解をまとめ、今回の高温を30年に1度程度しか発生しないと定義される「異常気象」と位置付けた。
 同日『日経』--気象庁は3日、異常気象分析検討会を開き、春に終息したエルニーニョ現象と夏に発生したラニーニャ現象の相乗作用が一因とする検討結果を発表した。今後1週間は35℃以上の“猛暑日”となる地域がまだある見込み。
 9月10日『日経』--気象庁は9日、8月の日本周辺海域の平均海面水温が、平年を1.2℃上回る27.5℃となり、85年に統計を始めてから最も高かったと発表した。

 というわけで、世界各地でも通常では起こらない気象と、それに伴う被害が起こっていることはすでに報告ずみだ。日本では、熱中症による高齢者の死亡数が問題にされたが、4日付の『福島民報』には、家畜の死亡数まで掲げてあったのが印象に残った。それによると、農林水産省のまとめでは、7月初めから8月15日までで、全国で熱射病などで死んだり、廃棄された家畜は、乳牛が959頭、肉牛は235頭、ブタ657頭、ブロイラー28万9千羽、採卵用ニワトリ13万6千羽だったという。これに、口蹄疫による殺処分の頭数を加えて考えると、今年は家畜にとっても大変な年であることが分かる。
 
Mtimg091210  私の家の庭でも被害が生じている。といっても、これはミカンの話だ。高温が続き降雨量が少ないため、春に実を結んだミカンが割れて、地に落ちる現象が起こっている。こんなことは初めての経験だ。私はブルーベリーの木の根が深くなく、水分を必要とすることは知っていたから、東京にいる間はほとんど毎朝、バケツ2杯の水を与えていたが、ミカンは盲点だった。色づく途中の直径3~4cmのものの皮がパックリと破れ、やがて地に落ちる。その様子は何とも痛ましい。ところが、隣に立っているユズの方は、どうやら無事のようだ。全国のミカン農家の人たちは、きっと水やりに苦労されているのだ--そんなことを考えながら、皮の破れたミカンを描いた。
 
 谷口 雅宣

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2010年4月12日

再びアイポッドを買う

 生長の家が運営しているSNSサイト「ポスティングジョイ(Postingjoy)」で会った人の中に、米アップル社のアイポッドを使って絵を描いている人がいる。その人の絵を見た当初、私は「アイポッドで絵を描く」という意味がよく分からなかった。というのは、アイポッドとは携帯型音楽プレーヤーだと思っていたからだ。ところがよく調べてみると、最新型の「アイポッド・タッチ(iPod touch)」という機種は、立派なパソコンなのである。つまり、音楽が聴けるだけでなく、ビデオも見れるし電子書籍も読め、ゲームもでき、インターネットも使える。だから、ソフトさえ入手すれば絵を描くことは問題ないらしい。ただし、大きさが昔のものと同サイズで、縦11センチ、横6センチほどしかないから、「超小型のスケッチブック」という感じだ。だから、スケッチ以上のものは期待できないだろうと思った。だが、この“超小型”という点に私は魅力を感じた。どこへでも持って行けるし、絵具も筆も水も不要だからだ。

 アイポッドについては、かつて本欄で2回(2006年12月27日2008年6月16日)ほど書き、その文章が『目覚むる心地』(2009年)という本にも収録されたから、私がそれにあまり好意的でないことを知っている読者もいるだろう。その理由を端的に言えば、「音楽を聴きながら○○をする」という“ながら族”のライフスタイルが、生長の家が提唱している日時計主義と矛盾するからだ。しかし、この携帯型音楽プレーヤーがパソコンに進化してしまったならば、“ながら族”以外の使い途が大きく開かれる。多くの読者がご存じのように、私はスケッチをしたり絵封筒を描くから、こちらの方面で使えるかもしれない。もしそれがダメでも、電子本を読んだりニュース番組の視聴にも使えるだろう--というわけで、先日ついに1台買ってしまった。そして今、新しいオモチャを得た子供のように、試行錯誤しながら試している。

 私のアイポッド購入の理由には、もう1つある。それは、同じアップル社の「アイパッド(iPad)」という製品が今、アメリカで大変なヒットをしているからだ。これは簡単に言えば「キーボードのないパソコン」である。すべての操作を、画面を指で触れることで行う。この新しい操作法が、大変使いやすいと評判なのだ。また、注目されているのは、これで「本が読める」という点だ。私はすでに米アマゾン・ドット・コム社の携帯型電子本リーダー「キンドル(Kindle)」を持っているが、これとアイパッドの普及によって「世界に書籍の“流通革命”が起こる」などと騒がれている。日本でもそれに備えて、大手出版社と取次店が協力して電子書籍の流通・販売のための新制度を作ろうという動きがある。アイポッドは、そのアイパッドの小型版だと思われるから、これを使っておくことでアイパッドの上陸(1カ月後?)の影響評価がある程度できると考えた。“文書伝道”を柱の一つとしてきた生長の家は、この大きな流れを無視することはできないだろう。Img_0001
 
 ところで、この新型アイポッドで絵を描くとどうなるかは、ポスティングジョイの「絵手紙・絵封筒」のコミュニティーの「PC画」のコーナーで逐次、ご披露するつもりである。ここには、“はじめの一歩”で描いたメモを掲げておく。その稚拙さを大いに笑ってもらいたい。しかし、何ごとも一歩から始めねば始まらない、などと唱えつつ……。
 
 谷口 雅宣

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2009年11月20日

電子メモ帳を買う

 前から気になっていた製品で、文章作成用の「電子メモ帳」のようなものを買った。移動が多く、ブログのような短い文章を頻繁に作成することが多い私は、移動中の乗り物の中などで文章作成が手軽にできる道具を探していたからだ。もちろん、ノートパソコンでもそれはできる。だが、私のもっている機種は結構重く、しかもウィンドウズの「ビスタ」搭載のものを選んでしまったから、動作が遅いのである。

 最近は「ネットブック」と呼ばれる機種が人気だそうだが、これは私が今持っているノートパソコンよりは軽い。しかし、文章の作成は決して“手軽”というわけではなさそうだ。パソコンを起動し、さらにワープロソフトを立ち上げ……などしているうちに、何分もたってしまうだろう。また、その名前からしてインターネットに接続して使うことが前提となっているから、ブラウザーなど文書作成以外の機能がいろいろついている。それはそれでいいとしても、「手帳」の感覚でどこにでも持って行け、どこででも開いて記入できるような“文房具”を私はほしかったのである。

Pomera1  目をつけていた製品は、文具メーカーのキングジムが開発した「Pomera」である。私はそれを、講習会へ行く途中で、東京駅の地下街にある家電量販店で最初に見た。携帯電話より一回りほど大きく、開くと折り畳まれたキーボードが姿を現す。それをさらに開き、電源を入れ、文章を入力する。終わったら電源を切り、機械を閉じる。ただそれだけの機能だ。しかし、動作が速いという長所がある。スイッチオンから4~5秒で、文字の入力が可能となる。また、電源を落とした後に立ち上げると、前回書きかけの文章がそのまま画面に出るから、すぐに作業が始められる。
 
 私は、パソコンのキーボードの使い心地に案外こだわる。現在使っているノートパソコンはレノボ製だが、この中国のメーカーがIBMからパソコン部門を買い取って「Lenovo」というロゴを貼る前から、IBMのノートパソコンを愛用していた。その理由はキーボードのキータッチが私に合ったからである。適度に柔らかく、キーの沈みが深すぎず、また浅すぎず、Pomera2 しかも打ったときに「打った」という感じがするのである。これに比べて仕事場で使っていたNECのものは、キーの沈み具合がやや深かったから、大げさな感じがし、しかも長い間打っていると指が疲れてきた。だから、Pomeraの場合もキーボードの使い心地が気になった。また、「折り畳み式」というのが心配だった。何か華奢な感じがして、長期間の使用に耐えられるか不安だった。が、店頭で実際に文章を打ってみると、キータッチはレノボのものとあまり変わらないし、「折り畳み」も頑丈とは言えないが、それほど華奢でもなさそうだった。

 そこで思い切って、休日の木曜日に渋谷の量販店で買った。そして使い始めている。まだ十分使いこなしていないが、手軽さが気に入っている。かな漢字変換機能では、ATOKが使えるので使用感は快調である。重要なのはPCとの連携だが、これはUSBケーブルとマイクロSDの2系統があるから、問題があるとは思えない。この文章も、Pomera上で書き始めたものをPCで完成させた。また、何か気づいたことがあったら本欄で報告しよう。
 
 谷口 雅宣

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2009年11月19日

マザーリーフ

 11月の初めに生長の家の講習会で鹿児島へ行った際、「マザーリーフ」という植物を信徒の方からいただいた。長さが14~15センチの何の変哲もない緑色の葉2枚で、屋久島産だ。添付されていた説明書を読むと、この葉を水に浸していると縁から芽が出て成長し、それを切り分けて土に植えると1m近くまで伸びるという。正式な名前はセイロンベンケイソウで、その名のとおり亜熱帯原産の植物だ。生産元として屋久島自然広場という名前が記されている。
 
Motherleaf2  今日の東京地方は雨模様で急に冷え込み、最高気温は9.4℃にしかならなかった。いきなり冬になってしまった感じだから、この亜熱帯植物がどうなってしまうのか気になる。鹿児島から帰ってすぐに水に浸け、それから約3週間たった今の状況は、1枚の葉の周囲の3カ所から高さ1.5㎝ぐらいの芽が伸びていて、もう1枚の葉の周囲からは、6~7箇所に約5㎜の小さい芽が出たところだ。私たちが家にいる間は暖房のある部屋に置いてあるからいいが、寒暖の変化が激しい今、留守中が心配だ。私たちは20日から3日間、東京を離れるからだ。それにしても、植物というものは、太陽光と水さえあれば自分で栄養素を生産し、子孫を殖やせるのだから素晴らしい。人間は逆立ちしてもそんなことはできない。
 
 ところで、今日は休日だったので、妻と渋谷のデパートへ行った。妻が行きつけの洋装店にいる間、私は店先で手もち無沙汰で待っていた。が、その時、店の展示品の中で、アクセサリーだけが数箇所でグルグル回っているのに気がついた。それぞれが10㎝四方ぐらいの大きさのプラスチック台の上に置かれていて、その台がゆっくり回っているのだった。最初は、単三程度の乾電池がその台の動力源かと思った。が、台をよく見ると、四辺に細長い太陽電池のようなものが付いている。そこで私は、台を取り上げて調べてみた。それは軽くて、中に乾電池が入っているようには思えない。また、電池で動く場合は、電源スイッチがあるはずだが、それも見当たらない。そこで、天井から来る照明に対して台の角度を変えてみた。すると、回転は止まってしまった。

 つまり、この小さな回転台は、携帯型の計算機と同じように、店の照明をエネルギー源として太陽電池だけで動いているのだった。だから、この回転台を何台並べても、店の電力消費量に変化はない。それが、この不況時にも、この回転台が使われている理由だと私は思った。太陽電池の性能はここまで良くなっているのだ、と私は感心した。が、考えてみると、マザーリーフは自分の生命維持だけでなく、子孫を殖やすことも「水」と「太陽光」だけでやっているのだから、このアクセサリー台以上のことを楽々とこなしている。それに、この植物に花が咲けば、アクセサリーのような作り物でない“本物”の美と対面できるだろう。人間はまだ、1枚の木の葉以上のものを創造していないのである。
 
 谷口 雅宣

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2009年10月 1日

山のキノコと対面

 休日を利用して、妻と2人で山梨県・大泉町の山荘に来た。前日の雨天とはうって変わって、雲間から青空がのぞく好天なのがうれしい。しかも、キノコの成長には湿気が必要なので、晴天の前の雨天は誠に好都合である。が、キノコはすぐに地中から出るわけではなく、2~3日の成長期間が必要なため、山荘裏の林を初め、近辺ではあまり姿が見られなかった。それでも、玄関の前に灰白色の傘のキノコが6~7株かたまって出ていたUtsukushijg。シロヌメリイグチである。また、山荘近くの砂利道の真ん中には、ニガクリタケが束になって顔を出していた。このキノコは毒入りだから、要注意だ。
 
 天女山と美しの森へも足を延ばしてみたが、ジゴボーが2~3株と、アイシメジが分散して7~8株、それにカワムラフウセンタケとおぼしき種を何株か収穫しただけだった。それ以外は目ぼしいものはほとんどなかった。キノコの季節は、まだこれからということだろう。Efuto0909302

 収穫したキノコは、よい形のものを選んで山荘でスケッチすることが多い。今回は、アイシメジ(緑色のもの)とカワムラフウセンタケ(茶色の3株)を絵封筒にした。採る本数が少なくても、こうして絵にEfuto090930_2 描いていると、それぞれ特徴あるキノコとじっくり対面することになるので、たくさん収穫した時のような充足感を味わえる。食用キノ コでも、食べない味わい方もあるのである。

 谷口 雅宣

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2009年8月21日

青柿を拾って

 このところ硬い話題が続いているので、今日は少し気を抜いて書く。ブラジルから帰ってようやく時差ボケから抜け出せたようだが、東京の暑さにはフラフラする思いだ。日中のアマゾンは日向では40℃を超えるが、陰に入ると結構しのげる。これは湿度が低いせいだ。ところが日本の夏は、湿度の高さでへきえきする。これを“超越”するには暑さから逃げるのではなく、かえって外へ出て運動をするテがある。というわけで、今日はジョギングに出かけた。
 
 帰国して2回目だが、体がすっかりナマっていて、1回目はいつもの距離を走れず、走ったあともフラフラで、1日後に筋肉痛が出た。2回目の今日は、前回より距離を延ばしたが、やはり全メニューを消化できなかった。それはそれでいい。もう若くないのだから、無理はいけない、と自分に言い聞かせた。で、衆院選のポスターなどを眺めながら本部事務所に歩いて帰る途中、細い路地に青柿がいくつも落ちているのを見つけた。「ああ、もうそんな季節なんだ」と思った。
 
 この場所では、いつかも青柿を拾ったことがある。調べてみると、昨年の8月22日の本欄にそのことが書いてある。が、その時のものより一回り大きいように感じた。カキの木が成長するのは分かるが、それにともなって実も大きくなるのだろうか。とにかく6~7個も落ちていた。下はアスファルトか砂利なので、割れずに無事のものはなかった。昨年は、傷のないものを見つけてスケッチしたのだが、今年はほぼ“全滅”。この点でも、実が昨年より大きくなったことを示していると思う。質量が大きいものは、地面に落下する衝撃も強いからだ。それでも、わずかに傷んだ状態のものを1つ見つけて持って帰った。
 
 大きさを測ってみると、長さは6センチ、円錐形の実の円周は最大5センチあった。こんな立派な大きさのものが、嵐が吹いたわけでもないのに、ボタボタと落ちてしまっていいものだろうか……と思った。青柿の状態では種も未熟だから、子孫を殖やすための工夫とは言えまい。普通の虫や鳥は青柿を食べないだろうから、別の種類の昆虫かバクテリアの食物となるのかもしれない。それにしても、自然界は豊かだと思った。言い換えれば、このカキの木は、自分が必要とする数以上の実をつけて、他の生物に“大盤振る舞い”をしているのだ。青柿の状態でこれだけ落ち、赤くなってからも、まだ与え続ける。この“与える精神”を見習うべきだと思った。
 
Efuto090821  絵封筒に描いた。青柿は“緑色”と思いきや、決して単色ではなく、黄色や茶色の混ざった緑色もあれば、陰影の部分はほとんど黒い。つややかな肌には、光も映っている。最近、夫婦で絵手紙を描いているというM氏から残暑見舞いの絵手紙をいただいたので、返事をこれに入れるつもりだ。
 
 谷口 雅宣

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2009年7月28日

ブラジルに着きました

 しばらく御無沙汰していたが、生長の家の国際教修会などのためブラジルのサンパウロ市に来ている。短文やスナップ写真などをミニブログ「ツイッター」に随時掲載しているので、興味のある読者は本欄ではなく、サイドバー上に出るリンクをたどって、そちらを参照されたい。以下は、最新のスナップ写真。 

Sao Paulo, 27 July 2009 (1) on Twitpic サンパウロの町

Sao Paulo, 27 July 2009 (2) on Twitpic

町には落書きが多い、高級住宅地の壁にまで描かれているのは驚くが、この写真のように、なかなか見ごたえのあるものもある。

Sao Paulo, 27 July 2009 (3) on Twitpic

この町には東京並みの人口が住むが、そこに1千カ所以上も“貧民窟”があるらしい。この写真はその一部。

Sao Paulo, 27 July 2009 (4) on Twitpic

町中では大型トレーラーが猛然と走るのが、少しコワイ。日本のダンプカーの倍ほどの長さのものもある。その“横腹”を撮った。

 谷口 雅宣

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2009年7月 9日

ジャーマン・カモミール

Kamomile  今日は、休日を利用してスケッチをした。ジャーマン・カモミールというハーブの一種で、ヒマワリとタンポポを合わせたような黄色い花の愛らしさが好きだ。長い茎の先に花が咲いた様子が、何となくおどけた感じでユーモラスに見える。普通のカモミールの花は白い花弁をもつが、ジャーマン・カモミールは黄色だ。この花をお茶にして飲むカモミール・ティーは、香りがよくておいしい。
 
 曲線の多い植物と対照させるために、手元にあった電卓を一緒に描いた。こちらの色は実物はベージュだったが、黄色の反対色である青に変えてみた。カモミールの葉は細長くて見栄えが貧弱ないので、スペアミントの葉を描き込んだ。バックの橙色は、テーブルの色を前面に敷いたもの。

Kamomile2  タブレットPCに直接手描きしたのだが、それを“印象派”風にソフトウエアで加工したものも添える。
 
 谷口 雅宣

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2009年6月25日

天女山を歩く

 今日は、午後から天女山へ行った。この山は、八ヶ岳のうちの編笠山へ上る登山道の入口にある山で、標高は1,529メートル。とは言っても、頂上まで舗装道路がついている。天女山へ行った理由は、妻が午前中、草茫々の山荘の庭を片づけている時、ジゴボウとKaimentake いうキノコを見つけたからだ。このキノコは、本欄に何回も登場しているが、カラマツタケともいって、カラマツ林によく出るイグチ科の食用キノコだ。正式には「ハナイグチ」と呼ぶ。シーズンは秋で、こんな時期に出るのは珍しいが、山荘近くで出るときは、天女山ではもっと多く出ていることが多いので、「ひょっとしたら」と思ったのである。が、カラマツ林の急坂を30分ほど歩いて、収穫はゼロだった。食用にならないドクササコの類、腐食菌のカイメンタケ(=写真)のようなものしか見つからず、わずかに妻が、古くなったベニハナイグチを1株見つけただけだった。キノコは出ない時にはまったくないので、諦めるほかはない。
 
 ここ1年ぐらい前から、天女山の植生が変わってしまった。恐らく間伐の影響だと思う。密生していたカラマツ林の間伐してくれるのはいいが、伐った木が倒れたままで放置されているのだ。今日もキノコを探すときに、ゴロゴロとした倒木の間を注意して歩かなくてはならなかった。これでは、キノコのシロは破壊されたままだろう。天女山山頂の木には、山梨県県有林課の貼紙が掲げてあり、「FSCの森林管理認証を取得し、環境に配慮しながら管理経営しています」と書いてある。FSCとは「Forest Stewardship Council」(森林管理協議会)という国際非営利組織で、森林管理の専門機関なのだろうが、伐った樹木を何年も放置しておいて、キノコがあまり生えない森にしておくのがよいことだとは、私には思えない。秋になってもキノコが出ないのであれば、一度県に尋ねてみようと思う。
 
Mtimg090625  山荘に帰ってから、ジゴボウをスケッチした。茶色と黄色の組み合わせが美しいと思った。ミソ汁や酢の物によく合う。
 
 谷口 雅宣
 

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2009年6月22日

絵封筒便り

Efuto090615  最近、描いた絵封筒を3点紹介する。
 
 赤レンガの建物は、石川教区の講習会で金沢へ行ったときのもの。夕食前、散歩した中央公園に建っていた近代文学館のスケッチである。手前にある白いテーブルと椅子のセットは、実際はもっと沢山あって人が何組か座っていたが、省略して図柄を単純化した。
Efuto090618  
 マンゴーは、宮崎の旧友から送ってきたもの。あまりにも見事な色艶だったので、食べる前に絵封筒に描き、礼状とした。
 
 タマリ漬は、昨日の栃木教区での講習会の帰途、宇都宮駅で買ったもの。駅の土産物売り場には、たくさんの種類のタマリ漬が売られているが、原産地Efuto090622 表示に注意して妻が選んだ。私は、パッケージの緑とラベルの色具合いに惹かれた。切手に注意してほしい。横浜開港150周年記念のものだが、切手とその外枠にまたがって描かれた絵を使って、封筒に印刷されたホテルの名前を隠している。

 谷口 雅宣

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