太陽光で生活する (2)
前回この題で本欄を書いてから、早いものでもう1カ月たった。その間、昨日までの段階では、この方面での進歩はLED電球を買い増したぐらいだった。が、今日は“飛躍的進歩”があった。注文していた太陽光発電パネルが届いたからだ。と言っても、屋根に搭載するあの大型のパネルではなく、ポータブル式の軽量パネルである。私が自宅屋根の太陽光パネルから“自立モード”で電気を取り出し、それを保存しておくための蓄電池を買ったことは、「太陽光でパソコンを使う」というシリーズの中ですでに書いた。この電池にためた電気は、私の主要な仕事の道具であるPCを、すべて“炭素ゼロ”化するのが当初の目的だった。そして、この目的はほぼ達成している。その上に太陽光発電パネルを買った理由は、次の2つである:
①今夏の電力不足に対応する、
②山荘での省エネ
福島第1原発の事故の影響で、今夏首都圏では電力の15%使用削減が求められている。私の家では、夏場のエアコン使用をやめてすでに久しい。本部の私の執務室でも、来客時などを除いてエアコンはほとんど使用せず、もっぱら扇風機の世話になってきた。だから、電力の使用を削減する余地はあまり残っていない。そこで考えたのは、太陽エネルギーで扇風機を回すことだった。また、ポータブル式の太陽光パネルならば、大泉町の山荘へ行った際にも使える。山荘の日照条件は大変よいから、太陽光パネルを持ち込めば、パソコンを動かすためだけでなく、いろいろの用途に使えると考えたのである。
そこで、以前紹介した蓄電池を入手した後の5月8日に、同じ注文先である太陽工房にパネルを発注した。それが、今ごろ届いたのだ。その理由は、大震災の被災地からの注文が多く、そちらを優先するというメーカー側の意図に従ったからだ。同社からは、「被災地の皆様より、弊社の生産能力を上回るご注文をお受けしたうえ、増産に伴う部品納品の遅れにより発送が遅くなり、ご不便、ご迷惑をおかけしまして申し訳ありません」というメールが届いた。被災地支援は望むところだから、この程度の遅延は問題ではない。
さて、使用状況を報告しよう。まずパネルの大きさや重さだが、段ボール箱に入って届けられたものは、片手でつかんで楽々と持ち上げられる。重さは約2kg。思っていたより軽量だった。外寸は 420mm×594mmで、厚さはパネル部分が約5mm だから、結構コンパクトである。これに長さ3mの防水、防塵の電気出力用のケーブルがついている。その先端を、蓄電池の箱から出ている外部端子に差し込めばすぐに使える。最大出力は、30.5Wである。このパネルの値段は、消費税込みで39,800円。
今日は一日中曇り空だったが、執務室のベランダの芝生の上にパネルを置いて充電した。充電中に、畜電池の100V用端子に電気スタンドを差し込んで使ってみたが、問題なく使える。しかし、さらにテレビを併用しようとしたら、それはできなかった。スタンドの21W程度の蛍光形の電球は光っているが、テレビは映像が映らない。電力不足である。テレビ単独の使用は問題ない。フル充電後に、テレビが電池だけでどのくらい使えるかを調べてみた。約20分は見られたが、その後は画面が点いたり消えたりの状態になった。執務室のテレビは、2008年製のシャープのAQUOSの「LC-20D30」で、定格消費電力は「72W」とある。自宅のテレビは「55W」だから電池だけで30分は見られるだろう。扇風機は40W台だから、長くて1時間か。しかし、昼間は発電しながらの使用だから、使用時間はもっと伸びるだろう。正確なデータは、もっと暑くなってから実際に使ってみて報告しよう。
谷口 雅宣
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