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2011年3月19日

原子力発電について

 好天に恵まれた今日の午後、ジョギングに出かけた。前日は全国的にとても冷え込んだが、今朝の予報では東京地方の最高気温が17~19℃になるという話だったから、春の心地よさを味わうことができると思ったのだ。確かに心地はよかった。ジョギングコースである明治神宮外苑には、私以外にも、カラフルなトレーナー姿の多くのジョガ-たちが軽快に走っていた。風もなく、太陽の光はやさしく肌を温め、鳥たちはさえずりながら無邪気に木々の間を飛んでいる。しかし、その心地よさに私は考え込んでしまった。
 
 静かな土曜日の心地よい東京から東北へ約225キロのところでは、この東京都に大量の電気を送っていた原子力発電所が地震と津波で破壊され、人体に危険な強い放射線を吐き出している。その強烈な放射線漏れを制御しようと、大勢の専門家や技師、自衛隊員、警察官、消防官などが生命の危険を冒して努力している。また、放射線被曝の恐怖から逃れようと、ここからさほど遠くない東京武道館(足立区)と味の素スタジアム(調布市)には、原発のある福島県から避難してきた人が収容され、その数は18日午後7時現在、254人になり、さらに増え続けている。日本政府が問題の「原発から半径30キロの圏外は安全」と言うのが信じられずに、東京は安全だというので避難してきたのだろう。

 が、スリーマイル島の原発事故の経験があるアメリカでは、政府が事故現場から「半径80キロ圏内」に住む米国人に避難勧告を出した。また、日本政府よりそちらを信じた韓国、英国、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコなどは、同様に自国民に半径80キロ圏外への避難を勧告した。東京さえ危険だと考える国もあり、イラク、バーレーン、アンゴラ、パナマ、クロアチア、コソボ、リベリア、レソトの8カ国は、外務省に対して正式に大使館の一時閉鎖を通告、ドイツやオーストリアなどは大使館の大阪移転を決断したという。これは恐らく“パニック反応”だろうが、それほど恐ろしいものを人類は造ってきたのだ。
 
 この“パニック反応”の背後は、日本政府への不信がある。テレビを見ていても、きちんとした情報を開示したうえで、責任ある立場の政治家が明確な価値判断をしているようには思えない。こんな時には大学教授や現場責任者に話をさせては、いけない。彼らは事後の自分の立場を考えて、できるだけ価値判断を避けて発言する。それは仕方がないことだ。こういう国家の危機の際には、政治家が全責任を負って国民を守るのでなければ、政治家である価値はない。「混乱を避ける」のが理由で情報を開示しないという態度は、ガン患者に告知をしないのと同じで、何の解決にもならない。患者は、医師や家族を疑いながら死んでいくことになる。

 事故現場から約45キロにある福島県三春町に住む作家で僧侶の玄侑宗久氏は、19日の『朝日新聞』にこう書いている--
 
「政府は屋内退避指示の範囲を変えていないが、本当にそれでいいのか。原発から30キロ圏外ならば、このままとどまっていても安全だという根拠は何なのか。いつまでとどまっていていいというのか。
 現場はとにかく情報が交錯している。原発近くにいる我々は、この国の指示を本当に信じていいのかどうかという、自問の渦中にある」。

 原子力発電を国家の基幹産業の一つとして採用したのであれば、その恩恵だけを喧伝するのではなく、リスクを十分に知り、それを国民に隠さずに知らせるべきである。政府の隠蔽体質は自民党時代からの遺産であるが、これは言葉を変えれば「国民不信」ということだ。今回の原発事故では、その国民不信が、逆に国民の政府不信を生んでいると言えるだろう。
 
 谷口 雅宣

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コメント

合掌ありがとうございます。

マスコミを見ると、どうしても内心、不安や焦りを感じていたので、ようやく安堵いたしました。
先生のお言葉はやはり、重みと説得力が違います。
住吉大神様、雅春先生、清超先生のお言葉として、有難く深く受取らせて頂き、ぜひ友人にも伝えさせて頂きます。

福島の友達が、家も家族も無事だったのに、原発で恐怖の日々を過ごしています。
我が家はマンションで狭く、心は1つ、皆で協力、だと言っても、実際1日も住まわせてあげれない現状に、胸が痛み、何も出来ない自分に腹立たしくもあります・・・

そこで思ったのですが、全国各地の教化部・道場に、一時的にでも避難の宿泊をさせてあげれないものでしょうか?

練成のない時は、布団や暖房もありますし、食事も安価で提供(または自炊など)できないものか、各地の、あまりに広い道場と布団の数に
、少しでも被災者を泊めてあげられないものか・・・

せめてこの混乱が落ち着くまで、期限を決めて、原発が収まるまで、など、今だけでも被災者を泊めてあげられないものでしょうか??

練成の時期を遅らせてでも、受け入れて、被災者に愛を与え世話をさせて頂く事も、ゆには道場の『愛の与え合い』の練成のような気がしてなりません・・・

実際には難しいかも知れませんが、原発に怯える友を思うと、こういう声もあると、ぜひ聞いて頂けましたら
非常に嬉しく、有難く思います。

どうぞ1つの意見として、ぜひ宜しくお願い致します。


投稿: 上田 | 2011年3月20日 10:50

原子力防災派遣に関することは法令では定められているが、訓練等が十分に行われていたかが問題であると思います。
 平時において考えられ得る最悪の事態を想定して最善の対策を講じることを考えて実施するのが本当の訓練と思いますが、そのような訓練等が成されていたかがギモンです。
 法令等の定めに基づき訓練は行われていたと思いますが、事態を深く掘り下げて訓練を行っていたかが?ということです。つまり、何が起こっても大丈夫・安心だゾ!と、いうことを誇示するための訓練は体裁を優先して物事の本質的解決を後回しにするものであるということです。
 体裁だけを優先するとは、例えば、ある省が災害のため市民に飲料水を給水する給水車を予算がついたので購入したとしたが、その職員は、給水車を具体的にどのように維持するかの教育(水質基準を維持するためのこと)を全く受けていない。が、何かの訓練には、給水車を展示して誇示する。
 映画の撮影であればそれでいいけれども、国民の生命財産を守るためには、そういうことではいけないと思います。が、
 何処かにそういうところもあつたのかも知れません。

 結局、何を第一とするかが極めて大切であると思います。

 再拝

投稿: 志村 宗春 | 2011年3月20日 10:59

上田さん、

 コメントと提案、ありがとうございます。
 それから、練成道場による被災者収容の件ですが、すでに検討を始めています。

>>住吉大神様、雅春先生、清超先生のお言葉として、有難く深く受取らせて頂き、ぜひ友人にも伝えさせて頂きます<<

 何か誤解があるようですが、ここに私の名前で書いたことは住吉大神の言葉でも、雅春・清超両先生の言葉でもなく、私自身の言葉です。

投稿: 谷口 | 2011年3月20日 13:31

ありがとうございます・・合掌
以前、小閑雑感で原発のことが記載してあったことを思い出しました。
安全性をとる意味で太陽光発電や風力発電のことを唱えておられましたが、その通りのことが起こってしまいました。
企業は利益追求のために住民を危険な立場に追いやっています。
政府は、企業の言っていることを(机上の空論的)発表していますが、雅宣さんが言ってあるのが真実だと、私は信じています。
政府は、最大限危険性を排除することが大切なのに、そこまでの危険性を発表しません。
また、原発内で危険回避をしてある皆様に対しても大変心が痛んでいます。
ご家族の、思いを先日テレビで見ましたが涙が出て仕方ありませんでした。
私の家では、数年前に太陽光発電に切り替えており、安心だけではなく社会貢献にも役立っていることを切に感じています。
私の住んでいるところは、福岡県飯塚市ですが多くの方が義援活動にも貢献されているようです。
私自身も3~4名でしたら、被災者を受けいれることが出来るのではないかと、活動している仲間には伝えています。
早期の復興を心から望むものです。

投稿: 渡部 博喜 | 2011年3月20日 16:21

上田さん、
渡部さん、

 生長の家でも被災者受け入れを始めました。
 富士河口湖練成道場と飛田給の本部練成道場、それに宇治別格本山です。
 詳しくは、公式サイトへ:

http://www.jp.seicho-no-ie.org/news/sni_news_20110320.html

投稿: 谷口 | 2011年3月20日 17:18

合掌ありがとうございます。
総理の伊勢神宮年賀参拝と大震災の因果関係についてお聞きします。
以前、神戸の阪神大震災の時の村山首相は、古来続いてきた伊勢神宮年賀参拝を中止されました。この度の菅直人首相も同様と聞きます。偶然かもしれませんが、日本古来より続いてきた、国家国民の平穏安泰繁栄を願うための首相による伊勢神宮年賀参拝が行われず、また、国歌反対、皇室反対主義の政党が政権をとることと、このような大災害とは単なる偶然なのでしょうか?ご教示のほどお願いします。佐藤隆三

投稿: 佐藤隆三 | 2011年3月20日 17:26

佐藤さん、

 あなたの情報は確かですか?

 菅首相は伊勢に行ったという報道ですが--

http://www.kanshin.com/diary/3028278

 また、鳩山さんも首相の時、伊勢参拝をしています。だから、こういうのは「偶然」とは言わないで、あなたの「選択」ではないのでしょうか?

投稿: 谷口 | 2011年3月20日 17:43

原発事故に揺れる福島県福島市に住んでいます。福島市は地震被害は少なかったため外見は震災前とほとんど変わりません。しかしガソリンがないため物流が滞り町は閑散としています。それでももうすぐ物資が入れば元の生活に近いものには戻れるでしょう。でももう二度と元には戻れない大切なものを失った人たちが身近にいるのです。震災の被災者の方たちにいったい私に何が出来るのか?
一方で県外にいる友人たちからは心配し、励ましてくれるメールが届きます。何か欲しいものはない?祈ること、義援金を送ること節電することしか出来なくてごめん。それに答えるのに大きな意味では被災者である私は一体何をしてほしいのか?
 励ましの言葉はうれしい。でも今ほしい物資となるとガソリンくらいで物はあまり要らないのです。避難するときは邪魔になりかねないず。義援金は今すぐには届きません。それでは一体今一番ほしいものは何か。一生懸命考えました。
 今福島県民は原発の災害から逃れるために県外に避難しています。その数は自治体単位で避難している方だけで2万人以上。個人で親戚や友人を頼って避難している方はそれ以上でしょう。どうか県外にいる方たちへ避難した方たちを助けてあげてください。気にかけてください。優しい言葉をかけてください。今のこの状況でふるさとから好き好んで逃げる人は1人もいないはずです。
 県外に避難している方はいろいろ事情は異なります。放射能をおそれて特に子供たちのために避難を決断した方もいます。一番被害のひどかった浜通りの人たちが数多く含まれています。中には地震や津波で家や家族や友人を失い、原発事故で度重なる避難指示範囲の拡大により避難所を転々とし、物資の不足から水や食料にも難渋し、地震・津波による各地の断水により入浴や洗濯さえ1週間以上も出来ず。放射能の汚染を恐れて県外からの物資の入らない地域から必死で県外に脱出した人もいます。県内各地の困難な状況はレポートにまとめポスティングジョイに『やさしさとそうでないもの』として載せましたが、本当に苦しい思いをしているのは頼れる人もなく、家族単位で移動している避難生活者だと思います。
 どうか福島県始め東北関東大震災の被災者を応援したいと思っている人たちへご自分の県に避難している人がいないか確認してみてください。そしてどんな様子か聞いてみてください。欲しい物がないかは私ではなくその人たちに聞いてみてください。苦しいことがないか聞いてみてください。いたわってください。そして子供たちの遊び相手になってください。避難しているみんなが元気でいてくれること。それが福島に残る私達の一番の願いです。どうか被災者を助けてください。そしてなにより、特に自治体単位でなく個人で避難している人に情報を伝えてください。高齢者ではパソコンが使えない人がたくさんいます。避難所にパソコンがあるとも限りません。福島から出た避難者はふるさとにまた帰れるかとても心配していると思います。福島の情報、放射能に汚染されていないか心配していると思います。福島県内各地の放射線量は福島県のホームページ 災害対策課 原子力災害 で探せば見られます。各地の測定値が毎日更新されています。また福島県のホームページでは テーマ『福島原発事故の放射線健康リスクについて』として 放射線リスク管理アドバイザー(長崎大学放射線疫学分野教授)高村昇氏の講演会も動画で見られます。

投稿: 八島和子 | 2011年3月25日 02:01

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