« 地球生命全体の大調和を目指して | トップページ | 原子力発電について (3) »

2011年3月22日

“森の3人組”に期待する

3mancoop  今日の午前、森と深く関わった仕事をしている3人の男性が、東京・新宿で“連携の集い”の発進を宣言した。私は事前に案内をもらっていたので、妻と連れだって参加した。この3人とは、オークヴィレッジ代表の稲本正氏、「アファンの森」設立者のC.W.ニコル氏、そして料理研究家の成澤由浩氏である。この連携には、“森を創る・森を使う・森を食べる”というキャッチフレーズがついていて、3人が人間と森との共存共栄を目指していることがよくわかる。
 
 稲本氏は、約1カ月前に生長の家本部の「環境教育研修会」に講師としてお願いし、その時のことを2月18日の本欄に書いた。同氏は、岐阜県高山市清見町に工芸村「オークヴィレッジ」を設立して、当地の森林を世話しながら国産材で各種工芸作品を製造販売する一方、植林活動などを展開している。ニコル氏は約30年前に日本に移住し、以来、長野県で執筆活動と森の再生活動を実践し、里山を購入して「アファンの森」と名付け、それを元に2002年に「C.W.ニコル・アファンの森財団法人」を設立して理事長となっている。成澤氏は、東京・南青山のレストラン「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」のオーナーシェフで、日本の自然をテーマにした料理を発表して国際的に高い評価を得ている。
 
 私のところへ3月初めに届いた案内は、この3人が「少しでも多くの人が少しでも深く森に関わって欲しい」と願って「森の文化を広げるために、楽しく具体的な提案をしようと計画して」いると、明るい調子で述べていた。が、このあとで3・11の大災害と原発事故が起こった。そこで、今日の発表では当初、会場は重苦しい雰囲気に包まれていた。が、稲本氏が、あの独特のユーモアを交えた語り口で会場を和ませ、ニコル氏が真剣な眼差しで自分がいかに日本の自然を愛しているかを情熱的に語り、成澤氏が人々の意表を突いた「土のスープ」「水のサラダ」などの珍しいオリジナル料理を映像入りで解説し、クリの木入りのビスケットを参加者に配るなどすると、会場からは何度も拍手が湧き起こった。
 
 3氏は、今年が国連が定めた国際森林年であることに注目して、連携して森を豊かに育てる運動を楽しく盛り上げようと企画していたところ、あの未曾有の大災害が起こったのだ。そこで日本の将来と、地球環境の混乱に強い危機感を抱き、今回の発表のトーンを変えたのだと私は理解した。その場で配られた「共同宣言書」には、今回の大震災を終戦時の「廃墟」に比較し、「国民が一丸となれば、再生は十分可能である」とし、しかし、その再生のためには日本が従来とは違う方向へ、森を大切にした生き方に転換する必要があると訴える--

「これからの再生は、かつての日本のように高度成長からバブル経済へと向かったような方向ではない。国土の67%もの森林を持つ日本が、なぜか森をなおざりにし、化石資源や原子力を使った持続の可能性が低い文明に偏りがちだった」。
 
 こういう認識のもとに、宣言書は「人間にとって最も大切なもの」とは「人と自然・人と人が助け合う社会である」とし、森の再生を通して「持続可能な社会の創生」を行うことを訴える。そして最後にこう述べる--
 
「これを機に、“日本が生まれ変わる”事を提言したいと思う。これからの数年の日本の変革は、日本の将来を決めるだろう。ひいては、その結果がモデルとなり、世界に新たな社会の在り方を提示する事になるだろう。だからこそ、今年の国際森林年は、持てる力を出し切って努力する価値がある、と言える」。

 私はこの発表を聴きながら、3氏の決意していることは、生長の家が“森の中”へ行って実現しようとしていることと同じ方向にある、と強く感じた。生長の家が進めている“森の中のオフィス”構想の「基本的考え方」の中には、次のような文章がある--

「生長の家は、“大調和の真理”をさらに広く世界に宣布するとともに、我々自身の生き方の中にそれを実現していくための行動を起こす。すなわち、“現代人が現代の生活を営みならがら自然環境と調和した生活をおくる”というモデル社会の構築である。(中略)この構想は、従来のように森を開発するのではなく、人間が自然の仲間入りをさせてもらい、森の機能を活かしたまま業務を遂行し、“森と人との共存”を実現していこうとするものである」。
 
 谷口 雅宣

|

« 地球生命全体の大調和を目指して | トップページ | 原子力発電について (3) »

コメント

素晴らしいミーティングがあったんですね!!

「国土の67%もの森林を持つ日本が、なぜか森をなおざりにし、、、」
恥ずかしながら、このような認識は持っていませんでした。

今回の事件を機縁として、森林国家としての日本が目覚め、原子力に使う国家予算が太陽発電の流布、開発に向けられるように祈ります。

投稿: 辻井映貴 | 2011年3月23日 08:08

雅宣先生

ありがとうございます。このような活動の存在は嬉しいですね。

千年に一度と言われる災害により甚大な被害を受けて、これで変わらなければいつ変わるんだというくらいのチャンス(opportunity)と捉えることも可能ですね。

いつかのNHKスペシャルで日本がこのように自然豊かなのは、同じ緯度ではめずらしいこと。それもこれもヒマラヤ山脈のおかげで偏西風があること。といった内容が放映されていました。私達の国土の豊かな自然(森林)からたくさんの恵みを得ていたのに、化石燃料といった日本にはなかった資源を追い求め、人類は、それだけでは不安だとばかりついには核燃料まで作りだす始末。

これではいけないことは地球温暖化問題で重々承知はしていたけれど、じゃぁ、化石燃料に変わるものは何があるか?となった時に為政者は躊躇していたのでしょうか。

犠牲になった方々には、哀悼の念を禁じ得ませんが、これを契機として捉えて前へ進む時が来ました。それを強く感じさせてくださるお三方のお話ありがとうございます。

投稿: 谷口 美恵 | 2011年3月23日 11:18

素晴らしいお話し、有難うございます。
C.W.ニコル氏が「アファンの森」を作られる募金に協力したり、講演会やシンポジウムに参加したのは、7年位前だったと思います。オークヴィレッジの活動も、大分前から存じていましたが、倦まず弛まず、し続ける事の大切さを感じました。こういう方々と連携し、さらに幅広く「森の中に行く」という生長の家の動きが、多くの国民に広まることを期待しています。

投稿: 久保田裕己 | 2011年3月23日 17:09

合掌
総裁雅宣先生には常に最新の情報をお知らせいただき、私達を御指導下さいますこと、心より感謝申し上げます。
今回の東日本震災に関しましても身近な所から大きな視野に立っての考え方を御指導いただき、誠にありがとうございます。
かつてない大きな震災の中で私達一人ひとりの心は揺れ動き、色々な思いが交叉する毎日でございます。
五日前のことですが、ある白鳩会員さん(講師でもありますが)から下記のような文章が届きました。この方は以前から総裁御夫妻のファンでした。そんな方がこのような心になられるほど、この震災の傷は大きいのだと感じました。ただただ全ての人に物に事に礼拝するのみかと思う毎日でございます。(橋本久美子拝)


今回の震災で何人もの仕事仲間が被災しました。直後より海外の仕事仲間から安否確認のメール、お見舞い、励ましのメールが入りました。高校生の娘は宗教系の学校に通っていますが、震災の翌日の午前中に連絡があり「被災された方々のためのお祈りを今日から時間を決めて行います。」とのことで、娘もすすんで参加しました。
この震災に対して総裁先生はどんなメッセージを私達に出して下さるのだろうかとブログを開いて愕然としました。

投稿: 橋本久美子 | 2011年3月23日 19:34

橋本さん、

 この方が「愕然とした」理由は、わからないのですか? 

投稿: 谷口 | 2011年3月23日 22:34

申し訳ありません。続きが途切れていました。

(続き)
形式的な言葉が冒頭にあるだけであとは延々自分のことばかり。早く仕事を切り上げたので帰宅難民にならずにすんだ。職員は帰宅難民になったようだってまるで他人事。信じられません。純子先生にいたっては、呑気に相変わらずお料理の写真をブログに載せて。あきれて言葉も出ません。
いくら日時計主義と言っても、今、現に大勢の人達が被災し、友人、知人、親戚の安否を心配している人達に何の配慮も思いやりも感じられないこのブログをみて、私は退会を決意しました。お世話になった地元の誌友の皆さんには本当に申し訳なく思っておりますが、こういう代表者のもとでは、私は、やっていけません。


以上です。

投稿: 橋本久美子 | 2011年3月24日 10:47

橋本さん、

 理由が、抜けていたのですね。
 でも、続きを読んでもまだ抜けているように感じます。残念ですが、この方は誤解されているようです。

投稿: 谷口 | 2011年3月24日 17:01

合掌有難うございます。ブログを拝見させていただきました。わたしは、純子先生のブログを拝見させていただいて本当に何が大切なのかを気づかせていただきました。人間神の子の教えでありすべての命は神の命であると教えて頂いております。純子先生のブログをいつも見させて頂いて当たり前の人間を生きる事の大切さを感じます。生活実践であり現象に実相、神をあらわしていくことを教えてくださっています。この間も現象と実相を混同してしまって、その災難をありと思いそれにとらわれて自分の身辺に同じような現象を現してしまった。と話された方がいました。私などもまだまだこれからでありますので、生長の家の教えをしっかり学んで雅宣先生、純子先生についていきたいと思いました。四無量心の祈りの喜捨がたいせつだと教え下さいました。自然と人間の大調和を観ずる祈りをさせて頂き、甘露の法雨を読ませて頂く内にいろんなことを気づかせて頂きました。雅宣先生は太陽はいつも輝いている。実相は既にある。どんな曇りの時も大嵐の時も太陽は輝いていると教えていただいています。最初は涙がなぜか次から次へと流れて止まりませんでしたが、いまそれが消えて明るくなりました。本当の日時計主義の生活をいま思います。明るい心ですべての命を拝み感謝の生活を生かす生活を改めてさせて頂き、又、伝えさせて頂きます。有難うございます。再拝

投稿: 有馬真由美 | 2011年3月25日 09:45

有馬さん、
 私への激励のお言葉と感じました。心から感謝申し上げます。今後、日本と日本人は厳しい状況下に置かれると思いますが、それらの“困難に戯れる”心境と、実相を見つめる信仰とを拡大・深化していきましょう。

投稿: 谷口 | 2011年3月25日 11:33

雅宣先生
最後まで掲載して下さいまして、ありがとうございました。彼女からはこれが最後でこれ以外のことは聞いておりません。ただ、先生に知っていただいたことが私にとって救いでございます。
24日のご文章を読ませていただき、もっと真剣に太陽光発電、その他毎日の生活の中で自然に少しでもやさしい生活を実践する人々を増やすべきだったとの思いが残ります。この大震災の貴重な体験を教訓として捨徳を行じられる自分になれるよう精進いたします。
ご指導心より感謝申し上げます。

投稿: 橋本久美子 | 2011年3月25日 15:34

私も、山、森林の活性化が温暖化防止の一番の鍵をにぎっていると信じています。山が豊かになれば、川の水もきれいに、豊かになります。川がきれいになれば海もきれいになります。海の水は蒸発して山にいきます。
この方達をはじめ、森林の活性化が日本を、地球を元気にしてくれることを期待します。合掌

投稿: 水野奈美 | 2011年3月29日 01:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 地球生命全体の大調和を目指して | トップページ | 原子力発電について (3) »