« カメの長老 (2) | トップページ | 飛行機事故の“偶然” »

2010年11月 5日

米中間選挙の“明暗”

 アメリカの中間選挙で民主党が大敗した。上下両院で議席を大幅に減らし、下院では過半数を共和党に奪われ、上院の過半数はかろうじて維持した。日本の参院選での民主敗北とよく似ている。期待を抱かせすぎた“勝利”は、政権運営を誤ると“敗北”を呼び寄せるということだろうか。今回のアメリカの選挙では、しかし“ティーパーティー(茶会党)旋風”などが吹いたから、日本の事情とかなり違う部分もある。が、ここでは類似点のみを指摘しておく。日本への影響という面では、まだ見えにくいところがあるが、外交政策に大きな変化はないような気がする。それよりも気になるのは、アメリカで民主党が大きく掲げていた環境政策が頓挫する恐れがあることだ。これは日本への影響というよりは、人類さらには地球の生態系全体へ影響という点で、ゆゆしき問題となるかもしれない。
 
 5日付の『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』紙は、今後、環境政策でオバマ政権と議会との対立が予想される分野に、環境対策と化石燃料開発のための補助金制度の2つを挙げている。それによると残念なことに、今回新しく議員となった人々の多くは、「地球温暖化」という事実そのものを疑っていて、連邦政府が環境規制をすること自体に反対している。新しく下院議長になると見込まれている共和党のベイナー院内総務(John A. Boehner)などは、CO2が温暖化の原因だという科学の常識を否定しているため、すでに下院を通過した包括的環境対策法案にある排出権取引制度などを「仕事をなくすエネルギー税だ」といって厳しく攻撃してきた。また、アメリカでは来年1月から、環境保護局(EPA)が温暖化ガスを“汚染物質”として規制する予定になっていたが、“主役”が入れ替わった議会は、これを阻止する動きに出るだろう。
 
 そこでオバマ大統領は、環境政策の重点を、このような「包括的」な環境対策から「個別的」な産業分野へと移す意向を示しているという。個別の産業への補助金支給などでは、共和党の賛成を得られる可能性があるからだ。例えば、電気自動車の開発、大型トラックの燃料の天然ガス化、建物や機器のエネルギー効率の改善、自然エネルギーや原子力エネルギー産業の育成などである。これらを実行することで技術革新を促し、仕事を増やすことをねらっている。
 
 このような政策転換は、今回の選挙での“国民の意思”を読んだ結果だというが、何が“国民の意思”であるかは、解釈の余地が十分あるだろう。例えば、上に記した2009年の包括的環境対策法案に賛成した民主党議員は、今回の選挙で36人も落選した。しかし、この法案への反対者は民主党議員の中にもいて、そのうち43人が落選している。ということは、今回の選挙は環境対策が主たる争点ではないと解釈できる。特に、西海岸のカリフォルニア州で環境重視の流れが見られることは、私としては心強い。同州の人たちは、石油業界の肩入れで提出された環境対策骨抜きのための「プロポジション23」(23号提案)を否決しただけでなく、環境保護派のボクサー上院議員(Barbara Boxer)を再選し、共和党のシュワルツェネッガー知事の後任として、民主党の環境保護派で知事経験者のジェリー・ブラウン氏(Jerry Brown)を帰り咲かせた。
 
 カリフォルニア州はアメリカで最も人口が多く、文化と産業の両面で同国の変化を先取りする州として有名である。その地に生長の家のアメリカ合衆国伝道本部があって、環境対策を熱心に進めていることは特筆に値する。だから私は、カリフォルニア州民の良識とエネルギーに大いに期待するのである。
 
 谷口 雅宣

|

« カメの長老 (2) | トップページ | 飛行機事故の“偶然” »

コメント

生長の家総裁
谷口 雅宣 先生

生長の家アメリカ合衆国伝道本部の環境対策を称賛頂きまして、有り難うございます。

この度は、ISO14001取得に関する現況報告を申し上げます。
去る、10月19日と20日の2日間にわたり、BSI(British Standards Institution)
Managemento Systemsの審査官による最終審査を受けましたところ、取得を推薦する事が承認されました。間もなくCertificateが届く予定でございます。
ここまで辿りつく事が出来ましたのは、国際本部のご指導・ご支援の賜でございます。
心より感謝申しあげております。

審査官は、”自分が知る限りでは、北米でISO14001を取得した宗教団体はこれまでに無い。仲間達にも尋ねたが、彼等もその事実を耳にした事が無いと言っていた。生長の家さんは先駆者だ”などと賛嘆して下さいました。
今日まで、種々にわたりサポートを続けて下さったEnvironmental and Occupational Risk Management 社の担当者も、2日間同席され、”CONGRATULATIONS!”と、最終審査終了を涙を浮かべて祝福して下さいました。
川上副教化総長、上田理事長はじめ職員皆で、長期間にわたる努力を讃え合い、Certificateの到着を待っているところでございます。

Certificateが届き次第、改めてご報告を申しあげます。

              アメリカ合衆国教化総長
                     勅使川原 淑子 拝

投稿: 勅使川原 淑子 | 2010年11月 7日 23:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« カメの長老 (2) | トップページ | 飛行機事故の“偶然” »