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2010年10月23日

旭川の珈琲店

 生長の家の講習会で旭川市に来た。事前の天気情報では最高気温が15℃、最低は4℃という話だったので、スプリングコート持参である。広大な空には、目に沁みるような青さの中で白い雲が点々としている。刈り取りの終った田がどこまでも続く中、冠雪した大雪山系の山々を横目で見ながら車で走る。木々の紅葉と黄葉が、常緑樹の緑を背に浮き上がって見える--自然のパノラマを堪能しているうちに、灰色のビルが立ち並ぶ市街地に、突然来ていた。
 
Halloween02  午後の早い時間に宿舎に着いたので、市内をゆっくり散策できた。“買い物公園”という名の屋根のない広い商店街で、黒い服装の子供連れの一団が整列しているので近づいていくと、ハローウィンのイベントをしていた。行列を作って歩きながら「トリック・オァ・トリート」と言い、出店の人から何かもらうイベントのようだ。そんな一団は、東京でもあまり見かけない。中には青い目の人、黒い肌の人もいる。なかなか国際的だ。イベント会場では、オバケ・カボチャの製作指導もしていたし、カボチャはタダで提供していた。さすが農業国・北海道である。
 
 私たちは、そんな中を抜けて、お目当ての“あの珈琲店”を探した。妻は、4年前にここへ来たときに入ったというが、私は憶えていない。それでも、商店街から逸れて狭い路地へ入っていくと、何となく思い出してきた。蔦がからまる古い木造の平屋で、錆びた金属製のGarden2 看板がある店……廃業していなければ、まだあるはず……。ありがたいことに、その店は4年前と変わらぬ姿で、そこにあった。珈琲亭「ちろる」である。この店は、間口は狭いが奥行きが深く、裏口を出ると中庭まである。落ち着いた色の木製の家具や暖炉がある中で、人々が静かに談笑している。私の学生時代には、こういう店が東京にもたくさんあった。そこへ入って何時間も友達と話をしていた頃を思い出し、懐かしい気持になる。中庭では、青いベンチの背後に伸びた蔦の紅葉が見事だった。そんな店で、私たちはパンプキン・パイを食べながら半時間ほど過ごし、翌日のための英気を養った。
 
 谷口 雅宣

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コメント

合掌。
先生の「蔦の紅葉した写真」とても素敵です。
「それでいいのだよ」と 語りかけてくださっているような気がして なんだかほっとしています。
ありがとうございます。再拝。

投稿: 金坂 | 2010年10月25日 20:04

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