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2010年10月 3日

iPS細胞と“神の子”

 今日は佐世保市三浦町にある複合施設「アルカスSASEBO」で長崎北部教区の生長の家講習会が行われた。佐世保地方は朝から「大雨洪水警報」が出されていたから、受講者の足に影響が出ないか心配したが、幸いにも離島からの船も出て、前回より40人多い3,008人の方が参加してくださった。稲田賢三・教化部長を初めとした同教区幹部・信徒の皆さんの熱心な推進活動が実を結び、誠に喜ばしいことである。また当地は、生長の家総本山の“お膝元”であるから、同本山の職員や家族の方々の日ごろの活動が運動の伸展に結びついているのだろう。この場を借りて、心から感謝申し上げます。
 
 ところで、今日の講習会の午前中の講話で「iPS細胞」のことに触れて、この働きが明らかになったことで、“人間・神の子”の素晴らしさが医学的にも示されつつあるという意味のことを話した。すると、さっそくこれについて、佐世保市からの54歳の女性参加者から質問を受けた。次のようなものである--
 
「iPS細胞と人間神の子の真理との考え方について、もう少しくわしく教えて頂きたいと思います。私達真理を知っている者として、iPS細胞をどのように考えればよろしいのでしょうか」

 私がiPS細胞に言及したのは、ちょうどこの前日の2日に、この“万能細胞”の作製者である京都大学の山中伸弥教授が都内で講演会を開いて、現在の研究状況や今後の見通しを話したことをニュースで知ったからだった。今日の『日本経済新聞』によると、同教授は、これを使った治療法の開発時期について、「何らかの病気で10年以内に臨床研究を始める目標を掲げながら研究に取り組んでいる」と語っているが、私は、これをニュースで聞いて、「10年とは案外時間がかかるなぁ」と感じた。また、同教授がこれを使った治療の問題について、「ガン化する危険性を除かなければならない」と言っていたのを憶えている。しかし、この治療法は、ES細胞のような倫理的に問題のある方法よりも優れているから、本欄などを通して、私はこれまでも山中教授の研究を応援してきたのだった。しかしその反面、この技術も、使い方によっては深刻な問題を惹き起す可能性を否定できない。それについては、「万能細胞がもたらす“深い問題”」と題して、過去3回(2008年1月12日同13日同15日)に分けて書いた。
 
 本欄ではこれまで、iPS細胞に関してこのような経緯があったが、それらを振り返りながら、私はこの分野の研究成果から学んだことを、この日の講話で簡単に触れた。すると上記の質問が出されたため、それに答える形で少し詳しく話したのだった。しかし、時間の関係もあり言葉を尽くせなかったので、ここに言いたかったことを書こうと思う。
 
 私はこの“万能細胞”の知識を通して、「細胞」という生物の最小単位がもつ驚異的な潜在能力を知ることができた。そして、その活動が、ヒトのように複雑な多細胞生物の中では、何によって制御されているかを考えると、その背後に、どうしても“超人間的”なコントロール・センターの存在を想定せずにはいられない。別の言葉で言えば、我々の肉体は、まさに“神業”と言うべき複雑、かつ精妙な組織と秩序によって細部まで制御されていて、それを制御する主体は、いわゆる「自分」でないことは明らかなのである。このことを私は、“人間・神の子”の素晴らしさが医学的にも示されつつある、と表現したのだった。

 谷口 雅宣

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コメント

合掌ありがとうございます

いつも興味深くブログを拝見させて頂いております。
その内容の幅広さから左脳的にも右脳的にもよい刺激を頂き、感謝しております。ありがとうございます。


「細胞」を通じて“超人間的”なコントロール・センターの存在をお感じになり、“人間・神の子”の素晴らしさが医学的にも示されつつあるとおっしゃられておりますが、「細胞」だけに限らず「脳」に関しても同じ事が言えると思いました。

今年の全国大会でも脳について触れられておりましたが、脳の神経ネットワークは最近の医学、科学の進歩で少しずつ明らかになってきております。明らかになればなるほど“超人間的”なものがあると感じます。

ミラーニューロンの発見もそうですが、脳の可塑性(ある領域がダメージを受けても周りの領域が代償し、その変わりの役割を果たそうとする)もそうだと感じます。脳は細胞と違って次々と新しいものに変化するのではなく、一つの神経が樹状突起を増やし、その道を伸ばしていくことで生長してゆきます。
脳卒中などで損傷を受けて、例えば肩を動かす領域がダメージを受けても、手を動かす領域がその代償をするようにる。でもそれも肩を動かそうとその領域を使用しようとしたときに初めて手を動かす領域が代償として働きます。勝手に代償されるのではなく、こうありたいと願い、行動するからこそ、代償が始まります。以前の科学では一度ダメージを受けた場所は二度ともとに戻らないと言われていました。

科学技術の進歩でいろいろな事が発見されてきておりますが、それがわかればわかるほど“人間・神の子”を感じます。

ある先生の講演を聴きに行ったとき、脳の仕組みを知ることは、障害を受けた方にとっての可能性を広げるために重要だと言われていました。

また先生にも脳科学についてよい知見がございましたらご紹介させて頂けたらと感じております。

iPS細胞から脱線してしまい、申し訳ございませんでした。ご文章を拝読していて、ふっとそのような想いがわきました。
ありがとうございます。


再拝

投稿: 平野明日香 | 2010年10月 5日 07:10

平野さん、
 コメント、どうもありがとうございます。
 「脳」のこと書きませんでした。でも、脳は神経細胞ですから、通常の細胞に“輪をかけて”スゴイと思います。それを使って、貴女と私がネット上で会話する……これもスゴイですね。(笑)

投稿: 谷口 | 2010年10月 5日 22:22

谷口雅宣 先生、
ご返答ありがとうございます。
確かに脳も神経細胞で細胞の一種ですね。その脳の中でも機能局在があり、それぞれの領域で働きが違うのはやはりすごいですね。
先生とこのようにネット上で会話をすることで前頭前野が働きます。細胞の集まりである人間が会話できると考えるともう“神業”以外考えられないです(笑)おつきあいくださり、ありがとうございます。

投稿: 平野明日香 | 2010年10月 6日 07:11

 ありがとうございます。          アクセス件数200万突破おめでとうこざいます。

投稿: 山本幸正 | 2010年10月 7日 13:23

山本さん、

 「200万件」なんて、全然気がつきませんでした。温かいお言葉、ありがとうございます。

投稿: 谷口 | 2010年10月 7日 16:09

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