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2010年2月 8日

寒冷化も温暖化?

 このところ、日本列島は寒気に覆われてとても寒い。6日には、東北地方の日本海側と北陸を中心に大雪となり、強風も吹き荒れた。『産経新聞』(7日付)によると、佐渡島では最大瞬間風速31.5mの吹雪となり、6日の夕方の積雪は新潟県十日町で293㎝、青森県の酸ヶ湯(すかゆ)で290㎝、山形県の肘折(ひじおり)で276㎝だったという。新潟市内でも5日の積雪が81㎝となり、26年ぶりの大雪。8日付の『朝日新聞』夕刊は、同県内の自治体の除雪費は前年の2倍を超えて計140億円以上に膨らんでいる、と伝えている。
 
 これは日本だけの現象ではなく、欧米諸国でも寒気による被害が深刻化している。7日付の『朝日』は、アメリカの首都ワシントンでの積雪が88年ぶりの量になる可能性があると書いている。ただし、日本の積雪量よりは少ない。米海洋大気局(NOAA)は5日に、ワシントンを含む東部の一部地域にブリザード(暴風雪)警報を出したというが、6日夜までの雪で首都の積雪は50~75㎝が見込まれている。この地での観測史上最大の積雪は、1922年1月にあった「70㎝」。首都近郊の交通への被害は深刻で、6日にはダレス空港で日本との直行便を含む大半の便が欠航し、国内線主体のレーガン空港では全便が欠航したらしい。また、首都圏では一時、10万世帯以上が停電したという。
 
 こういう話を聞いていると、地球温暖化はどうなってしまったのかと思う。が、これも“温暖化”にともなう気候変動の一部らしい。イギリスの科学誌『New Scientist』は1月16日号で最近の世界的な“寒波”を取り上げ、一時的な寒さで温暖化を否定する愚を戒めている。それによると、過去数十年間、北極圏の冷たい空気は強い渦状になって上空に留まっていたのだが、この冬は、その渦巻きの速度が緩んだため、寒気が通常より南方に漏れ出る現象が起っているというのだ。この漏れ方はかなり大きく、北アメリカではフロリダ半島まで、アジアでは中国、ヨーロッパではイギリスまで達しているという。その反面、北極圏やグリーンランド、地中海地方の大部分、そして南アジアでは、通常より温かくなっているらしい。この寒冷と温暖の変化を平均して地球表面の温度を割り出せば、例年より冷えていることにはならないという。冷暖の配分が違うだけなのだ。
 
 このような変化がなぜ起こるのか、が問題となる。多くの気象学者は、最近の気象の変化は地球上で時々起こっている“極端な事象”(extreme event)の1つに過ぎないと考える。が、そうでないと考える人もいる。アラスカ州フェアバンク市の国際北極研究所(International Arctic Research Center)のシャンドン・ザーン氏(Xiangdong Zhang)は、温暖化とともに北極圏上空の大気の動きに基本的な変化が生じているため、この影響で最近の極端な気象が起こっている可能性を否定しない。日本には、人間の活動と地球温暖化との関係を否定する人々がまだいるが、同誌に言わせると、一時的な寒冷現象を取り上げて地球温暖化を否定する人は、知的な問題がある(intellectually challenged)か、もしくは単に不正直なのだという。つまり、地球温暖化は20世紀を通して測定された否定しがたい現象であるから、その過程で一時的に寒冷化が起こることと比べてはならないのだ。

 谷口 雅宣

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コメント

私は学者ではありませんので当然の事ながら温暖化、寒冷化のハッキリとした原因は分かりませんが様々な情報から「現在寒冷化(太陽黒点が少なく活発でない)ではないか」と思われるにしましても地球は長期的には温暖化しているものと考えています、人間中心主義の森林伐採、砂漠化、高度な科学技術の発達等々やりっ放しで、後は野となれ山となれの生き方は人類全体にしろ個人にしろ必ず報いは自らに返って来る、人知を越えた因果の法則があるものとかなりの確信を持って考えているのです、高度経済成長時代の未始末は時間的な経過の後に公害の形で様々な被害をもたらしました、国家や会社、家庭、個人全てどんなアクションをするにしましても必ず次なるアクションを考え、配慮して後始末をキチンとして行くと言う事が大事、つまり温暖化対策はしっかり続行して行かなければならない!と思います。

投稿: 尾窪勝磨 | 2010年2月 9日 14:18

奈良教区相愛会の山中優です。今でも時々「温暖化はウソ」と称する書物の広告が新聞などに大きく載っているのを見ると、ウンザリしてしまいます。

数日前にはそうした広告が産経新聞の朝刊に載っていて、しかもそれが産経新聞社出版の新刊書だったので、ホトホト愛想が尽きてしまいました。

そうした「温暖化はウソ」という議論に対して、日本の科学者たちが真摯に反論している文書があって、そのPDFファイルがフリーでダウンロードできるのを先月知りました。
 ↓
東京大学サステイナビリティ学連携研究機構
IR3S/TIGS叢書No.1
『地球温暖化懐疑論批判』
http://www.ir3s.u-tokyo.ac.jp/sosho

まだ全部は読めていませんが、第1章と第2章は読みました。温暖化懐疑論についてのマスコミの報道姿勢に対しても疑問を投げかけていて、非常に興味深く、また大変心強かったです。

投稿: 山中優 | 2010年2月 9日 23:13

谷口雅宣先生

 先週の月曜日は雪が降り、その後もかなり寒い日が続きましたが、昨日は一転して20度になり、24度くらいになった地域もあったとか、これは全く気候の乱れだと思います。

 でも、仰る通り、国内では地球温暖化を否定、又はその原因を人間の活動によるものではないという論調がありますね。あまのじゃくと言うか何と言うか。彼らが飛びつくのがIPCCの科学者達のメール流出事件とかヒマラヤの氷河が2035年までに消失すると言ったのは誤りとかいう記事なのですが、私はこんな事は全体の流れからは枝葉末節な事だと思っています。
 ところで数年前にもとても冬が寒かった時は確か、温暖化が進むと却って、冬は寒くなるという現象があるという説明があったと記憶しています。極地の氷が溶ける事により、海水が薄まって、それが潮の流れを変えて、それにより暖流が北半球に行かなくなる事により、北ヨーロッパが冷やされてそれが日本などにも及ぶという話でした。

 この様に冬が寒いからと言って、地球温暖化は無いなんて考えるのも目先のことしか見えていない証拠だと思います。

投稿: 堀 浩二 | 2010年2月10日 10:42

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