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2010年1月24日

“森の中のオフィス”について (4)

 前回の本欄では、昨年4月に決まった“森の中のオフィス”の7項目の中・長期的ヴィジョンのうち、運動戦略に当たる3項目について大ざっぱに解説した。その3カ月後(7月)には、これらのヴィジョンをどのように実現していくかを示す、より具体的な方策4項目が決まった。それを示すのが「今後の国際平和信仰運動の展開について」という文書である。その中の主なものだけを拾ってみると--

1.教団内の“炭素ゼロ”の推進
 “森の中のオフィス”は2012年までに一部または全部を設置。設置の時点で“炭素ゼロ”とする。その目的で、温室効果ガスの吸収に必要な森林地をブラジルとの協力で確保するなど、具体的方策を講じる。また、2020年までに、その他の世界の主要拠点で“炭素ゼロ”を実現する。

2.グローバルな対社会アプローチ
 温室効果ガスの排出削減を社会全体で進めるために、世界の生長の家拠点および信徒の生活の場において、生長の家の御教えを伝えるとともに低炭素のライフスタイルを推奨し、自治体等とも連携して地域の低炭素化に貢献する。

3.日本での対社会アプローチ
 環境分野の活動としては、トップランナーの役割をさらに推進する。
 (1) 2010年度から2012年までに、生長の家の教化部、道場などの主要施設で電気自動車および急速充電施設を導入し、地域のインフラとして開放するなど、低炭素化に貢献する。
 (2) 2013年度から、組織の会員に対して、家庭での“炭素ゼロ化”を推進する。また、会員の住む各地域では、可能なところから植林等の低炭素化方策の採用を自治体や農家などへ呼びかける。
 
4.国内施設の活用
 2014年度から、“森の中のオフィス”の近隣に後継者養成を目的とした学校を設置し、活用する。この準備のため、養心女子学園の組織とカリキュラムを見直し、また本部職員を教育して必要な資格を得させるなど、人材確保を計画的に進める。
 オフィスへの移転時には、国際本部、原宿跡地、赤坂跡地、本部練成道場、河口湖練成道場、東京第一教化部、東京第二教化部の7拠点を電気自動車のネットワークで結び、活用する態勢を整える。

 この7月の文書に続いて、9月には「“森の中のオフィス”移転後の運動について」という文書が決定し、本部レベルだけでなく、教区レベルにおいても今後、どのような運動を展開するかの概略が決まった。この文書の内容は専門的すぎるので、ここでは詳しく紹介しない。しかし、第一線の活動に関係する次の部分は、引用しておいた方がいいかもしれない--
 
「大自然への畏敬や感謝の心を育て、自然との一体感を深めるため、平成22年(2010)度から、各教区において、従来の行事の中に大自然に学ぶプログラムを積極的に取り入れて、自然の美に触れたり、自然の仕組みの精妙さなどについて学ぶとともに、自然物(野菜、木材、粘土など自然界にあるもの)を使った物づくりなどを体験する。また、各地の練成会などでも、同種の行事を積極的に取り入れて“自然から奪わない”生活実現のための精神的素地を涵養する。これにより、第一線で行われる新しいタイプの誌友会の講師養成も図る」。

 本欄で20日から4回に分けて書いた説明で、生長の家が“森の中のオフィス”へ国際本部を移転する意味と、それにともなう変化について、読者が大体のイメージを理解してくだされば幸甚である。

 谷口 雅宣

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コメント

とても楽しみです。元気で長生きさせていただきます。

ありがとうございます。


          合唱
       

投稿: 山本 順子 | 2010年1月25日 09:12

合掌、ありがとうございます。

総裁先生、ブログを拝見させて戴きまして、先生の世界中の人々、動植物、鉱物等々の自然界。生きとし生けるもの全てへの深い神の愛に、感動致しました。

先生のご本『日々の祈り 神・自然・人間の大調和を祈る』が大好きで、日々拝読致しております。

総裁先生の壮大な世界平和の夢は、ご教示戴いております私達信徒の夢にもなっております。

ブログを拝読させて戴き、大調和の世界平和、自然と人間の大調和のため、人間至上主義的な考え方は、早く転換しなければと、改めて強く思いました。

これは理解力の乏しい私の個人的、主観的感想ですので、ご無礼いたしました。

私事ですが、職場が変わり、引っ越し予定ですが、ブログを拝し、太陽光発電採用アパートにしようと決心しました。

失礼致しました。

感謝合掌
廿野拝

投稿: 廿野憲子 | 2010年1月25日 11:52

谷口雅宣先生

 「森の中のオフィス」計画、具体的に示して頂き誠に有り難うございました。こうした取組が今後、生長の家で実際行われる事になると対社会に及ぼす影響力も多大なものになって来る期待が持てます。また、生長の家の中でも人材養成などの為に学校が設けられ、練成会でもそうした具体的意識を持たせる時間を設けるなど、より具体的に各信徒がディープエコロジー的生き方をして行くという事になりますね。

 ところで先日「アバター」観て来ました。3D版のものでしたが、画面から人とかものが飛び出てくるというのは3,4回あっただけで概ね、画面が立体的に見える程度でそれほど刺激が強すぎる事無くストーリーに集中出来ました。
 ここでは「人間至上主義」の人間と自然とか神秘とか神を第一に考える異星人とそれに味方する地球人の対立という構造で、「人間至上主義」というのが如何に間違ったものであるかという事がよく描かれていたので、一人でも多くの人にこの映画を観てもらいたいと思いました。

投稿: 堀 浩二 | 2010年1月25日 13:44

いつも拝読させていただいています。
とても素晴らしい試みだと感じます。

日本を代表する「生長の家」さんが、率先して行動されることは、日本の雛形になります。

がんばってください。

投稿: 山口謙介 | 2010年1月25日 13:52

谷口雅宣先生
遠大な「森の中のオフィス」構想を拝読し、ワクワクしました。文章によるイメージもある程度膨らみますが、具体的なビジュアル・デザイン的なものも、拝見できれば、もっとイメージが身近に感じられるかと思います。
また、この壮大な「森の中のオフィス構想」を、「環境展」とかに出展し、これまでの取り組みと併せて展示できれば、社会に対して素晴らしいアピールになると思います。

投稿: 久保田裕己 | 2010年1月26日 03:10

山本さん、廿野さん、
 温かいご支援、ありがとうございます。
 “森の中のオフィス”は、八ヶ岳南麓の日照時間の長い緩やかな斜面が予定地です。実際の場所は、生長の家の公式サイトに地図入りで示されています:

http://www.jp.seicho-no-ie.org/news/sni_news_20100124.html

 ご参考に…。

堀さん、
 あの映画は、いろいろな解釈ができますね。あなたのような解釈が趨勢であれば、いいですね。

山口謙介 様:
 どういうお立場の方が存じませんが、ご声援、ありがとうございます。

久保田さん、
 ビジュアルはまもなく、生長の家の公式サイトに載ると期待しています。

投稿: 谷口 | 2010年1月26日 17:22

谷口雅宣先生

 「森の中のオフィス」、八ヶ岳に決まったのですね。驚きました。信徒の間では富士河口湖道場が転用されるのではという噂があったのです。

 ところで八ヶ岳は私も馴染みのある場所です。父の別荘が長野県の川上村にあるので、清里や野辺山や小渕沢とかは随分遊びに行きまして、八ヶ岳のセイヨ-というセゾングループの別荘地にあるレストランにも数回、食事に行きました。
 あの辺りは本当に自然がふんだんにある良い場所ですね。将来、生長の家本部が出来た時はお邪魔したいです。

投稿: 堀 浩二 | 2010年1月27日 09:14

総裁先生

合掌 ありがとうございます。
コメント、ご無沙汰しております。
ブラジルでの植林決定になりましたね。感謝いたします。

植林や環境保全には直接関係するものではありませんが、「世界の肺」ともいわれ、世界の水の30%も占めるアマゾンを巡る諸問題も興味深いと思いまして、勝手ではありますが、アマゾンの人種環境や土地所有の歴史に関する研究書を一冊紹介させて頂きます。

Amazonia: Territorial Struggles on Perennial Frontiers (Center Books in Natural History) (ハードカバー)
Paul E. Little (著)
http://www.amazon.co.jp/Amazonia-Territorial-Struggles-Perennial-Frontiers/dp/0801866618/ref=pd_ecc_rvi_cart_1

「森のオフィス」の件は、より一層生長の家であることに誇りを感じさせていただいております。
再拝

投稿: erica | 2010年3月18日 13:21

ericaさん、

 本の紹介、ありがとうございました。

投稿: 谷口 | 2010年3月18日 23:17

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