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2009年10月 8日

エコカーへの転換を急ごう

 24日から千葉市の幕張メッセで開催される東京モーターショーでは、次世代エコカーの展示が“目玉”になるらしい。今日の新聞各紙が報じている。私はかねてから本欄などで、自分の乗る車として「ハイブリッド式小型SUV」の登場を希望していたが、それはなかなか出なかった。が、今回、やっと希望の車種に近いもの、さらにはその上を行くらしい車種が登場する。地球温暖化は数年前の予想以上に進行しているから、今では、ハイブリッドよりさらにCO2排出が少ない車種に切り替えたいところだ。
 
 民主党政権の減税政策等により、ガソリン・エンジンと電気モーターを兼用するハイブリッド車(HV)は、どんどん売れているらしい。特に、トヨタ自動車のプリウスは今年度の上半期(4~9月)で約11万6300台を売り、軽自動車を含む国内新車販売ランキングで初めて首位に躍り出た(7日付『朝日』)。これはきわめて喜ばしいことだが、すでに公用で何年もプリウスに乗っている私としては、この程度の燃費効率では実質的な“排出削減”にはならないのである。さらに燃費を向上させるためには、新世代のHVであるプラグイン・ハイブリッド車(PHV)か電気自動車(EV)でなければならない。

 6月5日の本欄に書いたが、HVで先行するトヨタはEVの開発に難色を示していたようだが、時代の変化を察知したのか、今度のモーターショーには「FT-EVⅡ」という超小型電気自動車を出品するという。また、同時に展示されるプリウスのPHV版は、リットル当り55キロという驚異的な燃費効率だという。トヨタとは異なる方式のHV「インサイト」を出していたホンダは、来年2月発売予定の「CR-Z」というスポーツHVを出品するという。
 
 これに対して、今年7月に「アイミーブ」を出して電気自動車で先行していた三菱自動車は、長距離走行が可能なPHVのSUV車「PXミーブ」を出すという。これは、電気だけで50km走行でき、それ以上は発電用の補助エンジンを使って走るらしい。また、EVの「プラグイン ステラ」を7月から販売開始した富士重工も、「スバル ハイブリッド ツアラー」というコンセプトHVを出すという。その一方で、EVに力を入れてきた日産自動車については、新聞記事は詳しくない。超小型EVの「ランドグライダー」が展示されるそうだが、市販は未定。2010年後半に「リーフ」というEVを発売するらしいが、これは1回の充電で160kmまでしか走れない。

 私のかねてからの希望の車種にいちばん近いのは、ホンダの「CR-Z」ではないかと思うが、三菱の「PXミーブ」も魅力的である。ただし、双方とも実物を見ていないし、詳しいデータも知らないから、それ以上は何とも言えない。私はモーターショーへは恐らく行けないから、人々の評価を聞いてから買い替えを考えるつもりである。
 
 このように、国内の自動車メーカーがこぞって「燃費重視」の新型車を開発していることは、温暖化抑制が人類的合意になったことの表れだろう。特に、政権交替した日本政府が「1990年比25%削減」という大きな目標を掲げたことで、「待ったなし!」の認識が生まれつつあることが大きい。この方向へどんどん進むことが、さらなる技術革新と新産業育成につながるのだから、国益にもなる。我々もユーザーとして大いに協力したい。
 
 谷口 雅宣

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