ハローウィン・カボチャ
暇をみて作っていたハローウィン・カボチャを完成させた。とは言っても、本物のカボチャをくり抜いたのではなく、粘土をカボチャ型に成形したものに、色を塗って仕上げたのだ。何を物好きな……と思われるかもしれないが、この工作は子供が家にいたころからやっているし、何となく愉快な気分になれるので、この時期が来るとやりたくなる。昔は、大きなカボチャを買ってきたくり抜いたが、今回は“腐らないカボチャ”を作ろうと思ったのだ。ハローウィンの由来等についてはよく知られるようになったし、私も本欄で2005年と昨年に書いたので、今日は粘土細工の方法を述べよう。
粘土は、乾燥後に固まるものなら何を使ってもいいのかもしれない。が、私は手が汚れないし、細かい成形がしやすい樹脂粘土を使った。新日本造形の「ハイクレイ」という製品だ。10月15日に箱根に行った話を書いたが、実はその時に、半分作りかけのカボチャを持参して、夜中に形を完成させた。この粘土は真っ白な色をしていて、彩色するには、生地の中に絵具を塗り込んでおくのと、乾燥後に着色する方法の2つがある。私は後者を用いたわけだ。
絵具は、ホルベイン社のアクリラ・ガッシュを使った。絵を描くときに使うので慣れているからだ。小さい方のカボチャは、粘土を丸めただけのものだ。これは中身が詰まっているので、表面に目鼻を描いた。2つを組み合わせると、親子のようで愉快である。
ところで、ハローウィンの習慣は古代ケルト文化からアメリカへ渡ったものというが、2007年のピュー・リーサーチセンターの調査によると、アメリカ人の68%は、天使や悪魔はハローウィンの時に限らず日常的に活動していると考えているそうだ。そんなことはあり得ないと考える人は、14%にすぎないのだそうだ。その内訳を見ると、モルモン教徒の88%、福音派のキリスト教徒の87%、黒人教会信者の87%が、天使や悪魔の存在を信じているのに対し、ユダヤ教徒の73%、仏教徒の56%、ヒンズー教徒の55%、特定の宗派に属さない人の54%は、そういう考えに反対するそうだ。日本ではどんな数字になるのか、興味深い。
谷口 雅宣
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コメント
合掌 ありがとうございます。
明日は休みいただいていますので、粘土で子供にハローウィンのカボチャを作ってみようと思っています。子供に喜ばれそうなアイディア、ありがとうございます。
ビュー・リーサーチセンターの調査サイトにアクセスさせて頂きました。
同じキリスト教でも、派の違いで信じることが大きく変わるとのことがよくわかる調査ですね。
勝手に関連付けさせていただいていることですが、霊魂の生まれ変わりを信じない教徒の方が天使や悪魔を信じるケースが高いのではないか、と思いました。何か関係あるのでしょうかと、答えは分かりませんが、いろいろ想像しながら楽しませていただきました。
また、その考えにそって日本の場合を考えますと、個人霊やお化けを信じる人が多いように見えるため、天使と悪魔の働きを信じている人は少ないのではないか、と想像してしまいます。
それにしても、宗教を問わず、天使と悪魔の活動を信じる方が圧倒的であるのが、興味深いです。天使と悪魔を別々の質問にした調査も見たいですね。
再拝
投稿: erica | 2009年10月31日 01:22
先生の、日々の生活における、心のゆとりと豊かさを感じるお話しでした。
数日前、フィールドワークの仕事で、JR「大森」駅に近い大田区山王という所を歩いていましたら、様々な家々で、「ハローウィン」の飾りを見かけました。飾りも千差万別で、さりげなく飾っている家もありました。
こういう街では、クリスマスのイルミネーションも賑やかなのかなと想像しました。
投稿: 久保田裕己 | 2009年10月31日 04:35
かぼちゃよく出来てますね~表情がとてもかわいくて・・・思わずコメントしてしまいました
ハローウィンのお祭りには、我が家は縁のないものと思っていましたが・・・
今年は到来しました
中学生になる娘が学校でお菓子を配る??と、10月に入ると着々とお菓子の袋詰めの準備をすすめておりました。
30日は夜中までカップケーキを焼いており、かぼちゃとゆうれいのかわいいメッセージカードを作り「これからもよろしくおねがいします」と書いて20個も準備してました
その作業を手伝いながら・・・「ハローウィンにひっかけての子供のお歳暮みたい」と思ってしまいました
我が家のハローウィンは「バレンタインデーに次ぐ商業主義的西洋祭り」でした
そんな娘に私達家族は「Trick or treat」と口々に声をかけお菓子を頂きました
今日はそんな子供達に本当の意味でのハローウィンについて雅宣先生のブログを読み聞かせました
子供達は先生のかぼちゃに感動しておりました
投稿: 宮本京子 | 2009年11月 1日 17:36
erica さん、
粘土のカボチャ、うまくできましたか?
顔の中では口を作るのが案外、むずかしいです。歯の部分が特に……。
宮本さん、
かぼちゃに感動とは、恐れ入ります。子供にとってはオバケの世界は結構、リアルなのだと思います。私も、今はこんな立ち場にいますが、小学生の頃は結構迷信深かったと思いますから……。
投稿: 谷口 | 2009年11月 1日 19:14