グラフィティー作家のこと
29日の本欄でご覧に入れたサンパウロ市の大きな“落書き”について、少し補足しよう。
ツイッターで知り合ったブラジル人によると、この“壁画”の作者は、オタヴィオとグスタヴォ・パンドルフォ(Otavio and Gustavo Pandolfo)という双子のアーティストで、当地では「オス・ゲメオス」(双子)という名で知られているそうだ。サンパウロ生まれの35歳で、1987年ごろからグラフィティーを描くようになり、サンパウロ市を初めとしたブラジル国内だけでなく、オランダやサンフランシスコでの“作品”もあるらしい。
「作品」などという言葉を使うと、街での落書きを誉めているような誤解を招くかつかもしれないが、落書きは大抵の町では違法行為だ。が、グラフィティー・アーティストはそんなことは承知の上で、街中の意外なところ--高くて手が届きそうもない場所、危険な場所など--に、自分の名前やイニシャルを図案化した“サイン”を描いたりする。
オス・ゲメオスの作品は、1980年代末のアメリカのヒップホップ・カルチャーの模倣から始まったが、1993年以降から絵の色調やデザインに“ブラジル色”が反映されてきたという。その特徴の1つは“黄色い顔の人物”で、またサンパウロの社会的、政治的状況を反映した題材、さらにはブラジルの昔話に取材したものなどテーマは多岐にわたる。興味のある人は、彼らの公式サイトを参照されたい。
谷口 雅宣
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