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2009年6月20日

もっと野菜を食べよう

「世界に住む人の6人に1人が飢えている」--そんな報告書が出た。国連の食糧農業機関(FAO)が19日に発表したもので、栄養不足の“飢餓”の状態にある人口が昨年より1億500万人増えて、今年中に10億2千万人になるというのだ。飢餓人口増加の原因は、昨年からの世界的な経済危機や食糧価格の高止まりなどで、20日付の『朝日新聞』によると「6人に1人」という割合は過去最悪なのだそうだ。

 FAOの予測では、昨今の経済危機の影響で、今年は先進国から途上国への投資が前年比で32%減少するだけでなく、途上国への援助(ODA)も約25%減少する。また、食糧価格の高止まりは、新興国での需要急増やバイオ燃料への転用拡大などで続いており、2006年の水準と比べるとまだ24%も高いという。世界で飢餓人口が多い地域は、アジア・太平洋が6億4200万人でトップ。続いて、サハラ以南のアフリカが2億6500万人、中南米が5300万人という。
 
 もちろん、日本人も経済危機の影響を受けている。ところが、「生活全般に満足している」人の割合は、3年前から16.5ポイントも増えて55.9%いるのだという。19日に内閣府がまとめた今年度の「国民生活選好度調査」の内容を、今日の『産経新聞』が伝えている。それによると、「暮らしが悪い方向へ向かっている」と感じている人の割合は89.5%おり、「老後の生活の見通しは明るくない」と答えた人も87.9%と大部分だった。ところが、「生活全般に満足しているか?」との質問には、10.3%が「満足」と答え、45.6%が「まあ満足」と答えた。これに対し、「不満」は5.6%、「どちらかといえば不満」は14.1%だから、日本は本当に恵まれているのだ。因みに、24.2%は「どちらでもない」と答えた。
 
 だから、日本人はもっと「人に与える」ことをしないといけない。私は、不況下で生活の満足度が「上がっている」ことを問題にしているのではない。それは大変結構なことだが、それで“自己満足”しているのではいけないと思う。「6人に1人」が飢えている世界を前にして、「私たちは生活に満足している」と言っても「それが何だ?(so what?)」と言われるだけだ。何か「他に与える」行動を起こすべきではないだろうか? それにはいろいろな選択肢があるが、最も簡単で、自分のためにもなり、他人のためにもなるのが「もっと野菜を食べる」ことだと思う。言い換えれば、「肉食を減らす」ことだ。肉食が飢餓や地球温暖化の原因になっていることは、すでにいろいろの所に何回も書いたから省略する。
 
 元ビートルズのメンバーの1人、ポール・マッカートニー氏は菜食主義者で知られているが、この15日に、地球温暖化を防ぐために「ミートフリー・マンデー」(meat-free Monday、肉抜き月曜日)というキャンペーンを始めたそうだ。畜産業から排出される温室効果ガスの排出を減らすためという。『朝日新聞』が20日の夕刊で伝えている。肉主体の食生活をするイギリス人にとっては、「1週間に1日」の肉抜きは“適当”かもしれない。が、魚もよく食べる我々日本人には、「週に2~3日」の肉抜きも不可能でないと思う。その代り、おいしい野菜を食べればいい。殺生を減らせるし、健康にもいいし、生活の満足度も向上すると私は思う。
 
Peppers  なぜそう思うか? 野菜にはいろいろの種類があり、どれも皆「美しい」からだ。それに比べ、肉は美しいだろうか? 私は野菜や果物を絵に描くことはあるが、肉を描きたいと思ったことはない。自分の皮膚の下に似たようなものがあることを知っているからだ。そんなことを思わないですむ“肉抜きの日”をつくって、野菜や果物の絵を描く--それだけで満足度が2倍も3倍も向上するのではないだろうか。

 最近、美しいパプリカをいただいたので、絵に描いた。
 
 谷口 雅宣

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コメント

 肉を食べないことを努力しておりますが、まだまだ完全ではありません。ラーメンやカレーライスを時々食べますがそこには肉が使用されております。

 話の視点は変わりますが、生長の家の信仰を持つ家庭では、肉食を減らす努力をされているところもあると思います。そのご家庭に小学生や中学生や高校生の子供さんがおられる場合、家庭では肉食を減らすことになると思いますが、学校で給食や遠足・修学旅行の際に出される食事の中に肉が使用されている場合の対応は肉食を減らす対応がとられるかは疑問です。年が若い場合は空腹感を満たすためにとにかく出されたものを食べることになるのでは?と思います。が、年齢を経てくると肉食を減らすコントロールもきくと思います。(つまり、学校給食等で肉が出されてもそれを食べないこともできるということです)
 子どもが学校給食等で出される食事の中に肉が使用されている場合の対応をどのようにしたらよいか?ということについては今後の課題ではないかと思います。

投稿: 志村 宗春 | 2009年6月20日 23:43

ありがとうございます。

申し訳ありません、昨日、友人と近くの焼肉食べ放題に行きました。(p_q*)

「真理に捉われすぎてもいけない」という言葉を思い出しました。

でもなるべく野菜食べます。☆

投稿: 奥田 健介 | 2009年6月21日 03:35

 私は生野菜や果物を、食前に積極的に食べています。これは、ローフード=ロー(RAW)とは「生」の意味、ローフードとはその名のとおり、食材をできるだけ生に近い状態で食べることで健康と美容を追求した食事(ダイエット)です。今年の2月、私の友人の音楽家(男性)が、2週間で4キロ減量し、ウエストも6センチ細くなったからです。映画評論家で「ローフード」の著書のある石塚ともさんと、2週間合宿しての結果でした。
 私の場合、食前に果物とサラダ(レタス、ニンジンとダイコンの千切り)を食べ、少し時間を置いて朝食を頂いています。本当は全てローにすればよいのですが、まだ、そこまでは踏み切れていません。
 ローフードの実際は、石塚ともさんのブログに詳しく書かれていますが、野菜のパワーを感じています。
http://rawbeauty.seesaa.net/

投稿: 久保田裕己 | 2009年6月21日 05:01

合掌有難うございます。今私たちにできる身近な良いことが野菜を食べること なんて嬉しい事でしょう。ハーイすぐ実行できます。我が家の庭兼畑には主人の丹精込めたキュウリ ピーマン ミニトマト ゴーヤがどっさりできています。今日は父の日。いっぱいのプレゼントが届きました。有難いばかりです。江戸川のお嫁ちゃんに 美味しい手作りの野菜さんたちを朝どりして送ります。皆で野菜を食べましょう! 

投稿: 桝谷栄子 | 2009年6月21日 10:23

雅宣先生。

 合掌有難うございます。
恵まれた今の日本は、今、私の就く老人介護の世界でも、高齢化社会により、2035年には、総人口の3人に1人は、高齢者になるーーという予想が発表されています。
肉食を控えるのが、先生の言われます身近なことですね。
私は、5月1日の宇治での研鑚会から、肉を絶っています。家では、私だけですが、家族も少しずつそうなりつつあります。
自家菜園の無農薬野菜で、色々の惣菜を作り、併せてお漬物も、職場に毎日2、3品持参させていただくと、職員の皆さんも、お年寄りも大変喜ばれ、皆さん、「真似したい!」との事で、嬉しいです。
 雅宣先生や、純子先生のお言葉で、ますます、私にできることから広げていきたい、と思えました。

有難うございます。                     
                    再拝

投稿: 山本君代 | 2009年6月21日 17:24

志村さん、

>>子どもが学校給食等で出される食事の中に肉が使用されている場合の対応をどのようにしたらよいか?<<

 これは、現状では仕方がない面があります。ただし、家庭で、子供が小さい頃から野菜をたくさん食べさせておけば、野菜のおいしさを覚えますから、分別がつく年齢になれば自分の判断で食生活を再構成するだろうと思います。また、家庭で肉食をあまりせずに、その理由を普段から子供に聞かせておくことも大事と思います。

久保田さん、

>>私の場合、食前に果物とサラダ(レタス、ニンジンとダイコンの千切り)を食べ、少し時間を置いて朝食を頂いています。本当は全てローにすればよいのですが、まだ、そこまでは踏み切れていません。<<

 「食前に……食べる」という言い方は、少し矛盾してますネ。(笑)あるいは、野菜と果物は“本当の食事ではない”という意識があるのでしょうか? ところで、野菜、果物を食べた後に、何を食べられるのですか? 差し支えなければ教えてください。


投稿: 谷口 | 2009年6月21日 23:18

雅宣先生
有難うございます。
今年、大学を卒業して社会人になった息子と、和食中心の朝御飯です。定番は、焼き魚、納豆、目玉焼き、野菜中心の味噌汁です。焼き魚は、鮭・鯵・赤魚・鯖などのローテーションです。妻を亡くして8年、ガスコンロが3つあるので、魚、卵、味噌汁を同時に調理できます。魚は無水鍋にキッチンシート敷き、蓋をして細火で片面3分焼くので煙も出ません。短時間で効率よく調理しています。ちなみに、妻が亡くなるまで、包丁が怖くて料理をしたことがありませんでした。

投稿: 久保田裕己 | 2009年6月22日 00:06

久保田さん、

>>焼き魚、納豆、目玉焼き、味噌汁。

 これに加えてご飯も食べられるのでしょう? 結構、たくさんの朝食を食べるようにお見受けしますが……。それとも、これは息子さん専用のメニューですか?

投稿: 谷口 | 2009年6月22日 14:05

 私も一緒に食べています。昔から食べる量は変わっていません。ローフードを知る前は、野菜サラダ、朝御飯、果物の順でしたが、今は逆で、果物と野菜サラダを先に食べ、20分ほど間を空けて朝御飯を食べています。この20分の間に洗濯を干したり、調理器具を洗ったりしています。

投稿: 久保田裕己 | 2009年6月22日 23:36

 谷口 雅宣先生

 合掌

 ご教示ありがとうございます。

≪家庭で、子供が小さい頃から野菜をたくさん食べさせておけば、野菜のおいしさを覚えますから、分別がつく年齢になれば自分の判断で食生活を再構成するだろうと思います。また、家庭で肉食をあまりせずに、その理由を普段から子供に聞かせておくことも大事と思います。≫

 私は過去、このことを何回も勉強会等で講師の先生に質問したことがありますが、的を得た回答はありませんでした。
 
 この度、答えを得ましたことをうれしく思います。

 志村 宗春拝

投稿: 志村 宗春 | 2009年6月23日 21:30

我が家には小学生の男の子と女の子がおりますが、食事をノーミートにすることには挫折の連続でした。原因は、肉食メインで育った私がぱっと思いつく料理のほとんどにお肉が使われていることと子供の野菜嫌いを直せずにいることです。もう完全に挫折だ~とあきらめかけていましたが、まずは週に1回からでもノーミートの曜日を決めて、意識的にノーミートの日を守って、次第に増やしていけるようにがんばりたいです。ちょうど純子先生のブログのおかげで、野菜料理を作りたくなってきたところでした。

投稿: 武内孝子 | 2009年6月24日 22:04

ずいぶん前から家族が雅宣先生の話に感銘を受け、家族ぐるみでほぼ菜食を続けている者です。


菜食を呼びかける事とてもすばらしいと思います。
穀物が潤沢になるなど様々なメリットがあるでしょう。

ですが気になることがあります。
菜食を続けることによる栄養素の不足です。
書店で販売されている食品成分表によると、主にミネラルとタンパク質が必要摂取量を満たさなくなります。
栄養素が足りなくなると脳梗塞など様々な病気のリスクが高くなります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3#.E5.81.A5.E5.BA.B7

我が家では足りない栄養素を大豆プロテイン、ビタミン&ミネラルサプリメントで補っています。
例:大豆プロテイン
http://www.kenko.com/product/item/itm_6552555072.html
ビタミン
http://www.fancl.co.jp/Items/Detail?category=02&item_code=5074a
ミネラル
http://www.fancl.co.jp/Items/Detail?category=02&item_code=5073a


菜食を呼びかけるとともに、栄養への知識、大豆プロテイン、サプリメントなどでの栄養摂取の呼びかけをするとよいのではないのでしょうか。

投稿: みやび | 2009年7月10日 16:41

プロテインに混ぜる牛乳も控えようかと思いましたが、そうすると我が家では一日に必要な脂質が足りなくなってしまい健康を損なう恐れがあるようです。
http://www.glico.co.jp/navi/dic/dic_03.htm

ご存知かも知れませんが、脂質は、摂りすぎも病気の元ですが、炭水化物・タンパク質と並ぶ3大栄養素の一つです。ビタミンを体に運ぶ役割などを担います。

牛乳も生産するのに鶏肉1kgに相当する穀物を消費するので残念ですが、自分と家族の健康も大切なので、あきらめることにします。
いろいろと考えてしまいました。

投稿: みやび | 2009年7月11日 17:49

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