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2009年5月22日

手書きと手描き

 最近、手書きと手描きの味に目覚めている。「手書き」とは、文章を紙にペンで書くことであり、「手描き」とは、絵をPC上に手で描くことである。前者は、ワープロやパソコンが登場する前には誰でもやっていたことだから、説明はいらないだろう。後者は、パソコンの周辺機器の1つである「ペン・タブレット」に類する小道具を使う代りに、紙や絵筆や絵の具を使わないでPC上に直接絵を描くことである。
 
 文章を紙にペンで書くことは、パソコンを使う従来の書き方より、概してよほど時間がかかる。が、私が記者時代は、それしか方法がなかったから、粗雑なワラ半紙でできた桝目の大きい原稿用紙に、ボールペンでバンバン書いた。その場合、締め切り時間に追われて書くのがほとんどだから、記者は“速書き”の工夫をする。私が学んだ書き方は、ボールペンを持った手を宙に浮かせて書く方法だ。普通は、効き手の小指の脇の部分を原稿用紙に接しながら書く。が、これだと、手と紙の間で摩擦が起こって書く速度が鈍くなる。そこで、当時のベテラン記者は、手を原稿用紙から離して(つまり、宙に浮かせて)書く速記法を使っていた。書道で筆を持つときのように、ペンを立てて持って書くのである。これだと、書く速度は確かに速くなるが、文字の格好は崩れてしまう。それを崩れないように書く練習をするのである。

 私の今の書き方は、そんな特殊な方法ではなく、普通の当り前の方法だ。400字または200字詰め原稿用紙に万年筆で書く。それに、従来のパソコンを使った方法も併用している。現に今、この文章はPC上で書いている。ではなぜ、紙にペンで書くようになったのかというと、事務所を移動して、万年筆と原稿用紙に対面したからだ。この辺の事情については、機関誌7月号に文章を書いたので詳しいことはそちらに譲る。が、ごく簡単に言えば、事務所の引越しの際に、父が使っていた原稿用紙の“山”と、以前誰かからもらった万年筆に対面して、その双方を捨てずに活かそうと思ったからだ。それですでに何本か原稿を書いたが、本欄に登場したものでは、「矢印探偵は行く」がそれに当たる。
 
「手描き」の方は、やや専門的になる。私が普段使っているパソコンはノート型のタブレットPCであることは、どこかに書いた。このパソコンでは、特殊なペンを使って画面に直接絵を描くことができる。そのようにして描いた絵を、私はすでに2007年10月から本欄等で発表している。(例えば、同年10月6日同月11日同月18日など)では、最近何が新しくなったかというと、これと似たようなことをオンラインでやる「手書きブログ」なるものが、登場したことだ。ここへ登録して、サイトにつながると、パソコン上ではなく、オンラインでつながったサーバー上に、直接絵を描くことになる。

 これまでの方法では、私が描いた絵はあくまでも私の“手元”のPC上に描かれる。ところが、新しいブログでは、ネット上の“先方”の機械に直接描き込むから、描いた絵を再びネットに上げる手間が大幅に省略できる。が、その反面、“先方”の機械にはネット経由で大勢の人々が描き込むから、お絵描きソフトの機能はかなり限定されている。例えば、絵の大きさは一定で、使える色の数も少なく、編集機能も最低限しかない。しかし、そういう限定された環境にあることが、かえって描き手の工夫を誘い、変わった、味のある絵を生み出すことがある--そういうことに気がつき出したのである。
 
Briosh  実は、今年4月7日の本欄に掲載した絵は、この「手書きブログ」から生まれた。また、私の英語のブログにも、そこからいくつかの絵を掲載している。まだまだ“テスト中”の範囲を出ないが、機械的なものと手作りのもの--デジタルとアナログとの不思議な組み合わせに魅力を感じている。ここに、最近の作品を掲げる。
 
 谷口 雅宣

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