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2009年4月 8日

夜桜を見る

 水曜日は私にとって“週末”……ということで、夕方、妻と2人で明治神宮外苑にあるレストランへ行き、ゆっくりと夕食をいただいた。数カ月前にオープンした店で、新聞にも紹介が出ていたので、席が空いているか心配した。が、客の数は意外に少ない。そうなのだ。昨今の厳しい経済事情のおかげで、このごろ街のレストランは空いているし、道路を走る自動車の数も減った。人々は生活防衛に必死なのだ。
 
 食後、青山通りを六本木方向へ渡り、さらに路地に入ってゆっくりと散歩した。このあたりは飲食店が多いのだが、どの店も客はまばらである。そのうちに、目の前がボォーッと明るくなったのは、満開のサクラ並木のせいだった。都内の“サクラの名所”の1つである青山墓地まで来ていた。と、この付近はなぜか人通りが多いのである。我々は、街灯の光を受けて夜空に白く光るサクラを愛でながら墓地内を進んだ。
 
Cherrynight  夜、墓場を歩くことはあまりない。が、満開のサクラが頭上を覆い、足元に続く白い花びらの絨毯を踏みしめて歩いていると、そこが「墓場だ」という気があまりしないのである。それでも、照明の当たらない側道は暗く、不気味な感じがするので、我々は街灯のある道を行くことにした。と、道の両側で人の声がするのである。それも、1人や2人ではなく、大勢が談笑している風情である。また、沿道の所々に、二人連れなどがしゃがみ込んで何かを食べている。夜桜見物の人々だった。

 好奇心に惹かれた私は、ためらう妻の腕を引いて側道へ入った。すると、暗がりのあちこちに10人、20人と円陣を構えて人々が座っているのである。「こんな暗いところに…」と私が言うと、妻は「目が慣れてきたら、そうでもないのかも…」と言う。私は彼らの写真撮影を試みたが、ストロボを発光させなかったためか、暗さに強いデジカメにも、ほとんど何も写らなかった。
 
 側道を引き返しながら、ふと「もし迷った霊が付近にいたら…」などと思う。また、「10人のグループで来たはずなのに、よく数えてみたら11人いたとか…」などと想像する。いや、今見た人々は皆、地べたに座っていたから、ひょっとして地縛霊…?

 夜桜には、妄想を起こさせる力があるのかもしれない。
 
 谷口 雅宣

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コメント

合掌有難うございます。東京は今が桜の一番きれいな時なのですね。福岡は 小学校の入学式の 4月9日には すっかり葉桜になり 続いて八重桜が見ごろです。今年の桜は ことのほかきれいで しかも長い間見事に 咲きほっこっていました。平尾霊園というところが やはり桜のきれいな所で ダックスを連れて 主人と散歩がてら お花見にいきました。同じ時期に一本の木から 紅と白のモリモリとした花を 咲かせる花ももの木も満開で 霊園の斜面に それはそれは見事にさいて 楽しませてくれました。、、、、でも夜の霊園はちょっとこわ~いきがします。花明りと言うのでしょうか 花の季節には 桜の咲いているところは ほんのりと明るくて 寄って行きたくなります。桜の頃はいいですね。ほんと いいですね。(o^-^o)

投稿: 桝谷栄子 | 2009年4月11日 21:48

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