« 生長の家ブッククラブ (4) | トップページ | ネットで祈り懺悔する »

2009年1月30日

“テロとの戦争”は終った

 私がかねてから願っていたように、アメリカが主導してきた“テロとの戦争”は終ったようだ。快哉を叫びたい。私は今年に入って1月8日、20日、21日の本欄で、アメリカの新しいオバマ政権は、前任のブッシュ政権が始めた“テロとの戦争”をやめるのではないかと期待を込めて予測してきたが、その通りになった。26日、ホワイトハウスから送られたアラビア語テレビ局「アル・アラビア」(Al Arabiya)とのインタビュー番組で、オバマ大統領は、「私の仕事は、イスラーム世界には、自分の人生を生き、子供らに自分以上の人生を送らせたいと願うだけの素晴らしい人々が満ちていることを、アメリカ国民に知らせることだ」と述べたという。28日付の『ワシントンポスト』紙などが伝えている。同大統領は、このインタビューで「イスラーム世界に対する私の仕事は、アメリカ人はあなたがたの敵ではないと伝えることだ。我々はときに間違いを犯すし、我々は完全ではなかった」とも発言したから、前政権のイスラーム世界に対する政策に誤りがあったことを認めたとも言える。
 
 このインタビューでの詳しいやりとりの記録をネットで捜したが、見つからなかった。しかし、29日付の『ヘラルド朝日』紙にロジャー・コーエン氏(Roger Cohen)が書いている論説の中に、結構詳しい引用がある。それによると、大統領は「我々の使う言葉は重要だ」と“言葉の力”の大切さを指摘したうえで、「私は、アルカイーダのような暴力を使い、テロを行う組織と、我々の政権やその行動に単に反対する人々、あるいは自国がどう進むべきかという点で特定の視点をもっている人々とを明確に分ける。我々には意見の不一致があって当然だし、その場合も互いに敬意を払うことはできる」と述べたという。コーエン氏はこれらの発言を聞いて、「9・11後のブッシュ・ドクトリンを新大統領がひっくり返したことは、重大な進展である」と評価している。そして、イスラーム社会に対するブッシュ政権の態度が、ぶっきらぼうで、攻撃的で、尊大で、イスラエル一辺倒だったのに対し、オバマ氏の態度に配慮があり、敬意が込められ、自己に厳しく、バランスがとれているとして、「驚くべき変化」(a startling departure)だと誉めている。
 
 同氏は、もちろん「言葉だけでは問題は解決しない」と言っているが、言葉を大切にする生長の家の立場からすれば、アメリカ大統領からイスラーム世界への“好意”や“尊敬”の念がテレビ画像を通して示されることで、今後の世界の動きに大きな変化が訪れる“種”が確実に植え付けられた、と評価できる。これからは、多少時間がかかっても、対立する双方でこの“種”を大切に育てていってほしい。

 日本のメディアがこのことをほとんど伝えていないのは残念だが、28日付の『日本経済新聞』は、これがオバマ氏の大統領として最初の外国メディアとの単独会見であったと述べ、「オバマ政権は発足から1週間で中東重視の外交姿勢を具体的に明示し、アラブ・中東の親米国にも協力を促す格好となっている」などと書いている。「格好となっている」というのは妙な表現だが、恐らく「そういう解釈もできる」という意味だろう。つまり、深刻な情勢となっているガザ紛争を解決するための手段として、アラビア語のメディアを使ったという、何となく懐疑的な視点である。しかし、この件に対するホワイトハウスの発表は、「アメリカとイスラーム世界との関係に大胆な変化を提供した」というものだから、オバマ氏自身にはそういう意図があると考えていいだろう。
 
 オバマ政権は、地球環境問題への本格的な取り組み姿勢を示していることに加え、今回のイスラーム社会への態度の変化、特に実質的に“ブッシュ・ドクトリン”の廃止宣言を行ったことは、大いに評価したい。
 
 谷口 雅宣

|

« 生長の家ブッククラブ (4) | トップページ | ネットで祈り懺悔する »

コメント

 谷口雅宣先生 合掌 ありがとうございます。
 最近、オバマ新政権の動向に期待している一人ですが、生長の家人として、昨今の日本の政治(政策)をどう解釈していけば良いのか、今一度、ご教授願えたらと思ってます。
 日本のあるべき姿(日本国実相の顕現)と環境問題はひとつの課題ではないでしょうか。
 私の勉強不足多々ありますが、生政連の経緯とかも含めてお教え頂ければ幸いです。
                    再拝
 

投稿: 浦尾 道夫 | 2009年2月 1日 08:14

環境問題について

先生御世話になります。
太陽光パネルですが、根本的な疑問点があります。

製造+輸送+販売で消費したしたエネルギーと、使用して得られるエネルギー量は明らかに得られる物が少ないと思いませんか?

もし得られる物が多いならば、それを大量に製造すれば、発電所が不要になるはずが、そうならないとおもいますが・・・。

どのように思われますか?

投稿: 依田 | 2009年2月 2日 12:05

依田さん、

>>製造+輸送+販売で消費したしたエネルギーと、使用して得られるエネルギー量は明らかに得られる物が少ないと思いませんか?<<

 私にはそれほど「明らか」には思われません。具体的にどのような計算の結果、そうなるのでしょうか?

投稿: 谷口 | 2009年2月 2日 13:25

谷口雅宣先生 
合掌 ありがとうございます。
太陽光発電の件ですが、
たしかに太陽光パネルは、発電効率が悪すぎると聞いています。
製造+輸送+販売で消費したしたエネルギーを
考えると、元を取るのに10年以上かかると聞きました。(数年前の話です)
けれども、数年待てば、元が取れると聞きました。
以前、金銭的余裕があるときに太陽光パネル設置を
前向きに検討したことがありますが、
諸事情があり、断念しました。
そのうち、金銭的に余裕がなくなってきてしまいました。(^-^;
今は、パネルをつけても、今以上に出費がかさんでしまうので、
もっと発電効率の良いものが出るのを待っているところです。

投稿: k.k | 2009年2月 2日 21:38

依田です。
先生ご返答ありがとうございます。感謝しております。

太陽光パネルを使用する目的は、地球への環境負荷を少なくすることだとおもいます。

まず、ここに掲げた複数ページを参照すると、エネルギーペイバックタイム(EPT。製造→輸送→販売→設置→メンテ→廃棄、にかかるエネルギーと同量のエネルギー生産されるまでの期間)は8ヶ月~5年、ネット上の情報では20年説も有ります。
素人なのでどれが正解か分かりません。

http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/PVEval.htm#opinion

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%85%89%E7%99%BA%E9%9B%BB%E3%81%AE%E7%92%B0%E5%A2%83%E6%80%A7%E8%83%BD

そして、太陽光パネルに関わるエネルギーのほとんどは日本においては”石油”か”原子力発電”です。つまり、太陽光パネルを使うと言うことは、前借りしてエネルギーを使っていると言い換えられます。

すなわち、上記EPTの期間を、全うするまで使い続けなければならず、途中で廃棄しては、環境負荷が逆に増大します。
しかし、経年による実値結果を誰も知らないのです。
(パワーコンディショナ部品は先に寿命が来てメンテが必要)

さらに、上記 原子力発電は、放射性廃棄物(電気のゴミと呼んでいます)が出ます。
この放射性廃棄物の処理に大量の水やエネルギーを使わなければ成らず、さらに我が国では公募しても廃棄物の埋め立て地がない状態。
(誰でも裏山や、近海に埋められたら嫌です。最終処分が決まっていないのに、”ゴミ”は作り続けられている現状です。)

濃縮ウラン製造時の二酸化炭素の発生度合
http://okwave.jp/qa4047217.html?rel=innerHtml

日本の放射性廃棄物の行方
http://okwave.jp/qa2825615.html

環境は二の次の政策としか言いようがない。
というより我々国民の関心が無い。

僭越ながら私の最初の目標に沿った結論としては、
・元来エネルギー消費の少ない昭和初期以前の日本が究極的なエコライフ
・原子力はなるべく使わないように、屋上緑化や自然エネルギーを使いたい
・太陽光パネルは慎重な検討が必要
です。

以下は参考です
http://okwave.jp/qa4049666.html

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC#.E9.95.B7.E6.89.80

http://allabout.co.jp/house/kankyosumai/closeup/CU20081105A/

投稿: 依田 | 2009年2月 5日 01:06

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 生長の家ブッククラブ (4) | トップページ | ネットで祈り懺悔する »