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2009年1月 4日

北海道“夢の国”計画

 「夢」という言葉にはいくつかの意味がある。「夢を描け」とか「夢のある話」などという場合は、「理想」とか「未来への展望」などという肯定的な意味合いが含まれる。その一方、常識を欠いた荒唐無稽な話は「夢のような話」とか「夢物語」と呼ばれて、否定的にとらえられる。これから書こうとしているのは、恐らくこの2つの中間的な意味での夢の話だ。まぁ正月に見る“初夢”のようなものとして聞いていただければ幸いである。
 
 私は、北海道を“半独立国家”としたい。それを今年に行われる総選挙の公約とし、「日本大改革党」という政党を旗揚げしよう。英語名は「Revolution-in-Japan Party (RIJ)」--通称「リッジ党」だ。なぜ北海道かと言えば、そこは日本列島最大の島であり、最大の地方公共団体であり、本州とは国際海峡によって分離され、広大な大陸的地形と自然環境を有し、また歴史的にも進取の開拓精神に富んだ人々が「Boys be ambitious!」の声に共鳴して、それこそ“夢”を描きながら愛情をもってつくり上げてきた土地であるからだ。日本を改革するのであれば、このように地理的な独自色と自由度を有し、進取の改革精神が存在するところから始めるのが、最も合理的である。

 私は、北海道が好きだ。上に挙げた理由以外にも、そこに住む人々の物事に捉われず、しかも親身になって相互協力し合う平等精神が好きだ。これらは、「男女×歳にして席を同じうせず」などという旧い文化が通用しない厳しい自然環境の中で育まれてきたもので、アメリカの開拓精神とも通じるところがある。人間はこのような中から、豪壮で斬新で、新時代を切り拓くような力に満ちたアイディアを生み出すものである。オバマ政権の“後追い”をするわけではないが、今人類が直面している文明的変化(1月1日本欄参照)に正しく早急に対応するには、日本においては「北海道」の自然と人間の活力を動員することが最も有効だと考える。

 リッジ党が政権を取った暁には、首都機能の一部を札幌に移転する。これに先立って、行政機構の大幅再編を行う。省庁では環境、農林水産、経済産業の3省を合併して、「自然資本産業省」(自産省)を設立する。国土交通省は廃止し、同省内にあった観光庁と北海道開発局は自然資本産業省に組み入れ、残る気象庁、運輸安全委員会、海上保安庁は総務省へ編入する。これにより、自然そのものの価値を認める「自然資本」の考え方にもとづいた産業育成の考え方が、初めて行政に反映されることになる。環境行政は1本化し、不要な道路建設は極力避けられるだろう。この新しい自然資本産業省を札幌に設置するのである。
 
 自産省の構想は、イギリスの環境食糧地域省(Department for Environment, Food and Rural Affairs, Defra)の考え方に倣ったものである。この新しい行政機構は、2001年6月、旧農業水産食糧省(Ministry of Agriculture, Fisheries and Food, MAFF)、旧環境交通地域局(Department of Environment, Transport and the Regions, DETR)、それに内務省(Home Office)の一部が合併して設立された。理由は、MAFFが口蹄疫の蔓延に十分対処できなかったとの反省からである。Defra の主な政策目標は「持続可能の開発」(sustainable development)である。それは、「世界の全ての人々が基本的な必要を満たしたうえ、未来世代の生活の質を犠牲にすることなく、より豊かな生活の質を享受できる種類の開発」と定義される。1国の行政機関が、「世界のすべての人々」を対象にするという、このような広大な目標のもとに組織されたことは、まさに画期的と言うべきだろう。同省が管轄する範囲は、農業と環境、持続的開発、気候変動・大気汚染への対応、自然環境保護、動植物・農業地域の保護育成など、かなり広い。

 私が注目しているのは、Defraが、農業や水産業に環境保護の役割を認め、保護育成していくことで持続的開発を実現しようとしている点だ。また、環境保護と両立した農水産業の育成を行うことで、イギリスの食糧自給率を第二次大戦前の3割台から7割へと大幅に改善してきた実績があることだ。その手段として補助金が使われてきたが、日本のように「コメを作らないこと」に対して出すのではなく、「自然環境を維持・管理すること」に対して出すという自然資本の考え方が明確に導入されていて、合理性がある。わが国のように、環境と農水産業を管轄する役所が分離している状況では、このような政策の実行は難しいだろう。

 私の自産省の構想では、これにさらに農水産業以外の産業を加えた全産業を1つの省に管轄させるのである。というのは、北海道の場合、自然エネルギーによるエネルギー自給の可能性があると考えるからである。これをスムーズに行うためには、資源エネルギー庁を経産省の傘下に置いておくのでは農水産業との連携プレーが難しい。また、自然エネルギー開発に伴う環境問題に有効に対処するためにも、環境、農水産業、資源・エネルギー供給の三者を統括する官庁が必要だと考えた。確かに、1つの役所だけが肥大化することは好ましくない結果を招く恐れはある。それが心配の場合は、経産省から資源エネルギー庁だけをはがして自産省に組み入れる選択肢があるかもしれない。
 
 さて、こうしてでき上がった自然資本産業省だが、北海道の地に設置されて一体何をするのか--そのことは、次回以降に語ろう。
 
 谷口 雅宣

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コメント

新しい年の幕開けに、まるで初日の出を拝む様に、眩しい光り輝く夢のお話を、ありがとうございました。
北海道は私の故郷。
大変リベラルな土地柄ですが、北方領土問題等…防衛面が気になる所です。
北海道とブラジル…気候こそ違いますが、これからの時代に重要な土地柄であると個人的には感じています。
あらゆる困難を乗り越える力を今こそ試す時!
神様どうかお守りお導き下さい。
ありがとうございます。

投稿: Y.S | 2009年1月 5日 05:45

(合掌)ありがとうございます
 札幌で働く私としては先生の構想はぜひ実現してほしい夢のお話です。
二十年くらい前でしょうか実際北海道を独立させようという大きなポスターを見た事もあります。
 現在の北海道の産業は観光が中心ですが自然は一流だがサービス、組織力は二流と中傷されてもいます。
でもこれから訪れるであろう食料の自給自足の必要性から北海道の自然がクローズアップされていくとしたら地元民としてうれしいです。
続きのお話を楽しみにしております。

投稿: 藤岡 雅裕 | 2009年1月 5日 15:18

谷口先生

新年明けましておめでとうございます。
今年もご指導のほどを宜しくお願い申し上げます。
先生の初夢を拝見して嬉しく思いました。
明治元年、榎本武揚と土方才蔵が「北海道独立〝蝦夷共和国〟」の旗を掲げて北海道に上陸したのが、私が町長をしている森町(鷲の木)でした。
私の北海道構想は20年かけて食料自給率400%の自治体を作ることです。
エコエネルギーも可能性が大です。重工業をしなければエネルギーもそれほど必要ではありません。
農業と漁業、そして北海道で取れた農漁業一次産品の加工工業を主体とした自治体を目指せば、日本にとっても大切な食料基地になると思います。
このようなことから、私は我が故郷を食料自給率5年後300%、15年後400%の町にするべく基礎作りをするつもりです。

投稿: 佐藤克男 | 2009年1月 5日 15:54

あけましておめでとうございます。
 私は昨年JRの「青春18切符」を利用して東海道本線(大阪~東京間)などを往復しましたが、その時フト感じた事がありました。それは人間の肉体には”心臓”と”頭脳”という機能がちゃんと別々に分かれており、それぞれが密接に関わり合い繋がり合いながらも、独立(分離)して機能しているのに、日本という国は東京(もっと広く言えば首都圏)にその両方が混在しているなということでした。世界を見れば頭脳(政治)と心臓(経済)がちゃんと分離してあるようなところもありますのに、何故日本は東京にすべてが集中しているのかと、昨年の暮れJRの東海道線を乗り換え、乗り換えしながら深く感じ入りました。
 私の辿り着いたひとつの願いは、先ずは天皇陛下御自ら遷都されるのが一番だと考えました。
 その時私は立体(高度)的に考えて、高いところすなわち富士山の麓あたりの高台から広く政務を執り行われたらなあと願った次第ですが、それを地理(緯度)的に見て高いという観点では、日本国におきましては、最北の地、北海道はまさに最適だと本日の御文を拝読し、共鳴し感銘致しました。やはり頭脳にあたる場所はきれいな血液がたくさん必要ではあるので心臓と太いパイプで繋がっていなくてはなりませんが、「頭寒足暖」とか、頭に血が上り感情的になると「頭を冷やせ!」と言われるように頭脳は常に冷静な判断を下さなければなりません。それゆえ首都機能がクールな地(寒冷地)であることも絶対的に必要だと思います。確かに北海道は日本国全体で見れば地形的にも頭(?)みたいです!
 ただし地政学的に見て”最も安全な場所”ということからすれば、空路からの侵入を除き日本ではまだまだ東京あたりが一番安全かもしれません。しかしヘルメット(?)を着用する何らかの方法を考えれば首都機能の北海道移転も実現可能ではないかと思われます。

 少し現実的な話になりますが、今上天皇陛下様は仮令現在の御病状が完全に回復されましたにしても、10~20年後も政務を執り続けられることは”年齢的”に見て不可能だと思われます。と致しますと、この10年で遷都の御計画を煮詰めていかれまして10年後位から公表し具体的に事を進めて行って初めて、皇太子さまの御世にやっと遷都が実現されるのではないかと存じます。新しい都で完全に政務が執り行われるようになるには少なくても30年は必要だと存じます。すなわち平成30(2018)年あたりには、天皇陛下御自らが遷都の御聖断を公に発表なされ、おそらく次の元号になっているとは言え仮に平成50(2038)年には新しい遷都の地で天皇陛下が御政務を司られるようすべての交通手段はじめインフラなどが整っていなくてはならないということです。今からでも早すぎるということはないと思います。地球温暖化の進行状況を考えますれば・・・・。

雅宣先生に皇太子さまはじめ御皇室とのおつながりがございましたら、是非この案を一日も早く進めて頂きたく御進言をお願い申し上げます。国家存亡の危機であるからこそ、雅宣先生の北海道移転の“初夢?”のようなお話は実現性があるのではないかと存じ奉ります。

ミツバチでも女王様(中心)が動けば、働き蜂はそれについて行くといいます。法律や利権で雁字搦めになっております現在の政府(国会)では絵空事でしかありませんが、皇居をお遷しになるだけの遷都ならば、御聖断ひとつで実現可能かと存じ奉ります。


以上、拙い文をコメントさせていただきましたが、昨年来より私が考えていました遷都(内容に多少の相違はあるにせよ)を雅宣先生もあくまでも”夢”の話としてではありますが、お考えになられていたこと、とても嬉しくなり書かせていただきました。

投稿: 黒木 康之 | 2009年1月 5日 19:03

佐藤さん、

 本年もよろしくお願いいたします。

 ところで、札幌への“進出”は考えられていないのでしょうか?

黒木さん、

 コメント、ありがとうございます。
 しかし、あなたのお話も“夢”のようですね。
 「遷都」をするなどという政治的にお経済的にも重大な話は、現在の制度下では天皇の権限外にありますから…。

投稿: 谷口 | 2009年1月 8日 10:21

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