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2009年1月25日

生長の家ブッククラブ

 本欄の読者ならSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のことをご存じだろう。昨年10月末に谷口清超先生へ感謝の言葉を書くためにアメリカの大手SNS「フェースブック」(Facebook)に生長の家のグループを開設したところ、日本からも多くの人々に参加していただいた。その後、この日本のグループの動きに目立ったものはないが、同時に開設した英語のグループのメンバーの間からは、新しい動きが始まっている。それは、「Seicho-No-Ie Book Club」(生長の家ブッククラブ)の発足であり、その中で『生命の實相』第1巻を使ったディスカッションが行われていることは、注目に値する。

 これは言わば“『生命の實相』輪読会”のオンライン版で、メンバーは今日現在で37人いる。人数は決して多くはないが、メンバーの住んでいる国を見ると、日本、ブラジル、コロンビア、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、スイス、となかなか多彩である。ブッククラブのリーダーは、アメリカのニューヨーク教区教化部長、ブルース・マレリー本部講師(Bruce G. Mallery)で、国際本部の国際部北米課長、メイ利子本部講師がシスオペを務めている。
 
 この種のオンライン・ディスカッションは、フェースブックなどのSNS内では国境を越えて盛んに行われているが、その場合の問題の1つは使用言語である。生長の家ブッククラブでは「英語」を使用言語に定めているため、英語の読解力がある程度のレベルに達していないと、何が議論されているかよく分からない。また、このグループは、今のところ“入会制限”を設けているので、誰でも加入できるわけではない。そこで、日本の読者のうち英語が苦手な人のために、この場を使って同クラブでのやりとりの一部を紹介しよう。
 
 『生命の實相』第1巻は、聖書の『ヨハネの黙示録』第1章12節から20節の引用によって始まる。これに関連して、いろいろな疑問が生まれる。1つは、「生長の家大神」と呼ばれる神が、聖書のこの箇所に出てくる神であるかどうか。また、そうであった場合は、その神はどんな姿形をしているかなどである。私は、このことは重要だと感じたので、昨年の11月25日から3回にわたって本欄に「生長の家大神の姿」と題して書いたのだった。ブッククラブでのディスカッションが、本欄の内容に大いに関係していたのである。
 
 その後、ディスカッションは『生命の實相』第1巻のページの順番に沿って進められ、やがて「七つの光明宣言」の解説に入った。それぞれの項目での細かい議論については省略するが、その過程でマレリー講師は、同巻の冒頭には聖書の『ヨハネの黙示録』が引用され、そこには「七つの燭台の点火者」が出てくることを指摘し、それらの燭台は「七つの信仰」を象徴していると述べた。そして、この「七」は「完成」を意味するから、「七つの信仰」とは「すべての信仰」のことだと解釈した。実際の聖書の記述は、そこまではっきりとは書いてない:
 
「そこで、あなたの見たこと、現在のこと、今後起ろうとすることを、書きとめなさい。あなたがわたしの右手に見た七つの星と、七つの金の燭台との奥義は、こうである。すなわち、七つの星は七つの教会の御使であり、七つの燭台は七つの教会である」。(『ヨハネの黙示録』第1章19~20節)
 
 ここにある「教会」を「信仰/宗教」を意味すると拡大して解釈すれば、それぞれの「信仰/宗教」に伝えられたメッセージは「一つの神」から発せられたものであるから、『黙示録』のこの箇所には「万教帰一」の考え方が示されている、と解釈できる。また、「七」が「完成」を意味することは、聖書の『創世記』において神が7日間で天地を創造したとされていることからも分かる--というのが、同講師のその時の説明だった。
 
 そこで、私は1つの疑問を提示したのだった。それは、『創世記』には、厳密には「神が7日間で天地を創造した」とは書いてないからである。書いてあるのは、神は「6日間」で天地を創造され、7日目には「休まれた」ということだ。聖書の実際の記述はこうである--
 
「神は第7日にその作業を終えられた。すなわち、そのすべての作業を終って第7日に休まれた。神はその第7日を祝福して、これを聖別された。神がこの日に、そのすべての創造のわざを終って休まれたからである」。(『創世記』第2章2~3節)

 私は、マレリー講師に「神は“7日間”ではなく“6日間”で天地創造をされたのだと思ってましたが……」と質問し、ここから、ディスカッションは思わぬ方向へ展開していくのである。
 
 谷口 雅宣

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