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2008年12月11日

タバコ増税は腰くだけ

 タバコ税の引き上げが、見送られるようだ。今日の新聞各紙が一斉に報じているが、私が期待していた“当り前の政治”がまたも挫折した。喫煙が健康に悪いということは、科学的にも常識的にももはや疑う余地はない。駅や空港などの公共の施設が続々と禁煙となり、歩きタバコも他人への危害を及ぼすという理由で“違法”となりつつある中で、先進国の基準では低い税率が維持されてきた日本のタバコを、今後も放置しておくという決定が下されたのだ。さらに不思議なことは、その決定を下したのが「タバコ増税」を唱えてきた麻生首相自身らしいということだ。
 
 健康上の理由だけでも、喫煙を減らす努力をすべきなのに、今回は、高齢化にともなう社会保障費の伸びを2200億円抑えるという小泉時代の閣議決定を反故にしそうなだけでなく、景気後退によって税収が6兆円減ると見込まれている中で、タバコへの増税が見送られたのである。今日の『産経新聞』によると、麻生首相は周囲に「2個パック1000円でいいじゃないか」と漏らし、「1箱500円」を考えていたらしい。また、12月2日には「タバコ税をやればいいじゃないか」と言っていたのに、腰くだけもはなはだしい。

 民主政治の“最悪”の側面が出てきたのではないか。今回の増税見送りの理由について、『産経』は「葉タバコ生産農家や小売業者をバックにした議員の強い抵抗を受け、自民党税調幹部が頑として譲らなかったためだ」と書いている。さらに、「公明党が次期衆院選をにらみ“大衆増税になる”と難色を示した」かららしい。これでは、圧力団体や支持母体の短期的な利益に奉仕する政治でしかない。ほとんど衆愚政治と言っていいだろう。
 
 タバコ増税反対派の反対理由が、またふるっている--「増税しても税収が増えるとは限らない」というのだ。この意味は、タバコ税を値上げすれば、喫煙者が吸う本数を減らすからタバコの消費量が減り、タバコ税トータルで増収につながるとは限らないということだろう。私は、それならそれで益々いいと言いたい。喫煙者が吸う本数を減らし、禁煙に踏み込む人も出ることは、日本の将来にとって大変いいことだ。中・長期的には、これによって気管支系の疾患やガンが減るから、医療費が抑制されるのである。世代間倫理の立場から考えても、高齢化時代の医療費抑制は必要なのである。そういうことを考えるのが、政治家の本来の仕事なのではないか。
 
 今の自民党は、解散・総選挙になったときに如何に票を減らさないかに汲々としているだけで、国の将来など考えていないように見える。が、国民はバカではないから、そういう“票集め”に走る政治家にはますます愛想をつかせるのである。
 
 谷口 雅宣

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コメント

タバコ増税反対理由として「増税しても税収が増えるとも限らない」????増税の意味が分かっていないのではないか?「大衆増税になる」????人口1億2000万の内喫煙者は何パーセント?「葉タバコ生産農家、小売業者の反対」????私は幅にもよるけれども値上げしても増税しても消費量は残念ながらほとんど変わらない様な気がしています(あまり高価になると犯罪のリスクを伴うとは思いますが、、)、それに致しましても消費者金融の規制強化の実現と同様に個人的、社会的に見て明らかに理不尽な事の除去は政治家(政治屋ではない!選ぶのは我々ですが、、)のする仕事ではないか!と、どんなに良い提案、政策でも反対は必ずあります、恐れずに断固決断実行して貰いたいと考えています。

投稿: 尾窪勝磨 | 2008年12月12日 12:04

ありがとうございます。僕は喫煙者です。でも先生の意見に賛成です。今まで何度もやめようとしたのですが、吸わないでいるとどうしても苦しくなってしまい今でも吸っています。やめれるものなら僕もタバコやめたいです。( ̄▽ ̄)

投稿: 奥田健介 | 2008年12月12日 18:12

奥田さん、

>>やめれるものなら僕もタバコやめたいです。<<

 私も18歳ごろから10年弱、喫煙者でした。だから、あなたの気持がよく分かります。タバコをやめて10年以上たっても、夢の中でタバコを吸って「ああ、しまった!」と思って目を覚ますことがありました。あれは一種の“麻薬”です。それを、かつては国家が売っていたのですから、タリバーン時代のアフガニスタンがポピーを栽培して麻薬を輸出していたのと、そんなに変わりません。
 体に有害でありながら、中毒性のあるものを販売させているというだけでも、オカシナことだと思います。

投稿: 谷口 | 2008年12月12日 23:17

ありがとうございます。先生が喫煙者だったのは初めて知りました。やめられて素晴らしいですね。相愛会の先生(函館)でお二人、友人でも二人、タバコをやめた方々がいます。友人の一人は相年の方で創価学会の信徒の方です。この方は精神病で苦しんでいたのが学会さんの題目というお経を必死で何回も声を出して読んだらなんとよくなったのが入信のきっかけで20年以上も信仰されていて、生長の家のことも「深い教えだね。」と褒めてくれます。普及誌も貸した「生命の実相」の宗教戯曲篇(仏教篇)も読んでくださいました。( ̄▽ ̄)

投稿: 奥田健介 | 2008年12月13日 05:49

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