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2008年12月 2日

ガンの自然治癒

 ガンの自然治癒が案外多いのではないかという論議が、医学者の間で行われている。医学関係の記事を書いてきたニューヨーク・タイムズのジーナ・コラータ記者(Gina Kolata)が11月26日付の『ヘラルド・トリビューン』紙で報じている。それによると、ガンの自然治癒は昔から医学界では知られているが、それは皮膚ガンや腎臓ガン、それから小児ガンのごく一部で起こるとされていた。しかし、自然治癒がどれだけの頻度で起こるかの研究はされていなかったという。その理由は、ガンは早期治療が原則だから、発見されたものは必ずといっていいほど治療の対象にされ、放置したケースはあまりなかったからだ。

 ところが、このほど The Archives of Internal Medicine (内科学紀要)に発表された研究では、ノルウェーでの乳ガンの治療では、自然治癒が起こった頻度は、これまで考えられていた以上に多いらしいというのである。この研究は、50~64歳の女性の2つのグループの乳ガンの罹患率を6年間にわたって比較したもので、1つのグループは10万9784人の女性が対象で、1992年から6年間が調べられた。ノルウェーでマモグラフィー(乳房X線検査)による乳ガン検査が始まったのは1996年からで、これらの女性はほとんどすべてが96~97年にこの検査を受けたという。これに対してもう1つのグループは11万9472人の女性で、1996年から6年間が調べられた。これらの女性はほとんどすべてが定期検査を受けていたという。2つのグループの違いは、前者が6年間に1~2回検査したのに対し、後者はほぼ毎年検査したということだ。
 
 普通に考えれば、この2つのグループの中で6年間で乳癌が発見される比率はほぼ同じであるはすだ。ところが、実際に調べてみると、定期的に乳ガン検査を受けている人の方がそうでない人よりも22%も多くガンが発見されていたのである。具体的にいうと、定期検査を6年間受けていた10万人のうち1909人から進行性の乳ガンが発見されたのに比べ、定期検査を受けなかった人の場合、乳ガンが発見されたのは10万人のうち1564人だったという。この違いがなぜ生まれたかで論争が起こっているのである。
 
 この研究を行った1人のダートマス大学医学校のギルバート・ウェルチ博士(Gilbert Welch)は、「最もありそうな説明は、これらの女性のうちある人は、一度はガンが見つかったが、別の時には見つからなかったということでしょう」と言う。米国立健康研究所(NIH)の疾病予防所所長、バーネット・クレーマー博士(Barnett Kramer)は、「様々なガンの習性について広い知識のある人は、自然治癒があることは知っています。しかし、これほど頻繁だとは衝撃的です」と語る。
 
 自然治癒以外の説明もできるという。その1つは、ガンの定期検査を受けた人は、更年期障害の治療のためにホルモン投与も受けていたと考えた場合だ。が、ホルモン投与がガンの発症に関わる割合は3%以下だという。もう1つ説明は、マモグラフィーの精度が最近向上したためガンを見つけやすくなったとするものだが、ウェルチ博士らの考えでは、そういう事実はないようだ。また、別の説明では、定期検査を受けた人々には、もともとガンに罹りやすい要因があったとするものだが、2つのグループの女性の間にはガンの危険という点で違いはなく、驚くほど似通っているという。さらにもう1つの説明では、マモグラフィーの検査は完璧でないから、1回の検査では発見が漏れるケースがあるとするもの。定期的な検査では、そういう漏れがなくなるから、ガンの発見率も上昇するというのである。しかし、この場合、第1のグループの女性の発症率は、この研究で比較した6年間以降に上昇するはずであるのに、そういう事実はないという。
 
 そんなこんなで論争に決着はついていないのだが、ここから明らかになっているのは、ガンの問題は「早期発見」だけでは解決しないということだ。つまり、機器の精度が向上して早期発見が行われても、発見されたガンのすべてを治療することの“コスト”が正当化されるかということだ。もし、ガンの中に自然治癒が起こるものがもともと相当数あるならば、「様子を見る」だけで治療をしない選択肢の方が、患者にとっては金銭と心理の両面においてコストが小さいと言えるだろう。問題は、現在の医学では“治るガン”と“治らないガン”の区別がまだできないということだ。
 
 谷口 雅宣

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コメント

参考にならないかもしれませんが、
今年5月の検診で肺に影がありその場でCT検査。
「やはりありますね。」と言われました。

すぐに病院を紹介され国立医療センターで再度CT検査。
「やはり影があり癌と思われます。小さいので半年後に検査しその結果で処置を決めましょう」とのことでした。

10月27日に検査すると、
「ハッキリしているので、検査入院をしてその上で処置を決めましょう。」とのことで11月10-12日入院検査。
患部の細胞を採取しその結果は19日とのこと。

13-20日ゆには練成の運営に入りました。
19日に抜けて結果を聞きにいくと、癌細胞は見つからないとのことでした。

また半年後に検査をしましょうということです。

自分の心境の変化によって、神癒が得られたものと思っております。

投稿: 古谷正 | 2008年12月 4日 13:29

古谷さん、

>>13-20日ゆには練成の運営に入りました。
19日に抜けて結果を聞きにいくと、癌細胞は見つからないとのことでした。<<

 良かったですねぇ~、本当に!おめでとうございます……と言いたくなります。

 ところで、喫煙をされるのですか?

投稿: 谷口 | 2008年12月 4日 15:43

お医者様からも同じ質問を受けました。
タバコは20-27歳40本ぐらい
吸っておりました。
現在42年間禁煙中です。

投稿: 古谷正 | 2008年12月 4日 22:02

古谷さん、

 フーム、それはよかったですね。私も若い頃は吸っていましたが、結婚を機にやめました。似ていますね…。

投稿: 谷口 | 2008年12月 4日 23:20

癌の自然治癒は有り得ると思います、と言いますのもテレビでミクロの世界を見ていたのですが異常細胞が発生した時、何処からか突然抗体が出て来て攻撃を開始するのです(共に現象だけで何処からどんな力が働いているのか不明、突然現われるです=空即是色の世界の様に)、血管に赤血球の玉が流れている中にウイルスが進入して来ると白血球が突然出て来てウイルスを飲み込みウイルスと共に自らも消えて(使命を果たして)しまうのです、白血球は天使ではないか?と思わせられます、この力が神仏から来ると仮定しますとどういう時にその力を発揮されるのか?と言うことが分ればこんな素晴らしい事はない!と考えますが畢竟神仏のみ知る!と言う事でしょうか?

投稿: 尾窪勝磨 | 2008年12月 5日 11:00

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