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2008年12月28日

本欄が書籍に (7)

Part12_bm  本欄の文章を集めた単行本シリーズ『小閑雑感』の第12巻目(=写真)が、来年1月1日付で世界聖典普及協会から発行される。カバーしている期間は、2007年11月から2008年2月までで、86篇のブログの文章が収録されている。だが事態は、特に世界経済の動きは、本書の文章が書かれた約1年前と現在との間に、大きな違いが生じている。当時は、石油の高騰からバイオエタノールの生産が利益を生むようになり、それが逆に食糧価格の高騰を招いていた。が、今日は、これらすべての値段は下がり、世界不況が深刻化している。仏教で言う「諸行無常」をこれほど鮮明に感じさせる時を、私は過去に知らない。だから、種々の経済指標の上がったり下がったりは結局、人間の心しだいであり、それらに振り回される生活から解放されない限り、我々は心の安寧を得られないということが分かるのである。

 しかし、こういう短期的な経済の浮沈の背後には、もっと重要な問題が隠されていることを忘れてはいけないだろう。それは、人類が今後「自然」とどうつき合っていくかということだ。これを「技術」の問題として捉える人々がいる。つまり、化石燃料の利用の上に立った現在の文明を、自然エネルギーや水素、原子力を基礎とした文明に転換することで、自然との共存は十分可能だと考えるのである。しかし、私はもっと深い「世界観」の問題としてとらえるべきだと感じている。そして、そういう意図で書かれた文章が、本書にはいくつか収録されている。それは、「人間と自然」という3回シリーズであり、「“欲望の街”と“霊的緑地”」「人間と動物の共存」「外来魚とのつき合い方」などである。しかし、これらの文章での考察はまだまだ不十分だ。まだ、入口をウロウロしている状態だ。そこからもっと先へ進むことが、今後の私の課題である。

 既刊の同シリーズともども、読者のご愛顧と忌憚のないご鞭撻をお願い申し上げます。

 谷口 雅宣

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