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2008年12月31日

2008年を振り返って

 29日の本欄で今年の“世界情勢”を簡単に振り返ったので、ここではその他のことについて書こう。

 生長の家は2007年度から「“自然と共に伸びる運動”実現のための第1次5カ年計画」を開始したが、それにもとづき、教団の活動に伴う温暖化ガスの排出をなくすという“炭素ゼロ”運動が本格的に始まったのは、今年からだ。まず1月には生長の家の本部が、国連によるクリーン開発メカニズムを利用した温室効果ガスの排出権の信託商品を5千トン分、三菱UFJ信託銀行から購入した。(1月10日)これにより、東京の同本部事務所、長崎県西海市の生長の家総本山、京都府宇治市の生長の家宇治別格本山から出る温室効果ガスの4年分が相殺された--つまり、排出されなかった--ことになる。これに続き、本部は玄関前に小型風力発電システム1基が実験的に導入された。(2月15日)このシステムは、現実の排出削減効果は大きくないが、使用しながら実際の発電でーたーを収集することで、将来の本格利用の参考にするという意味がある。
 
“炭素ゼロ”に向けた努力は、全国の信徒レベルからも始まった。長崎県西海市の生長の家総本山は、交通アクセスが不便な場所にあるため、九州以外から行く場合は航空機の利用も多く、空港からも自動車の利用が不可欠である。しかし、この過程で排出される温室効果ガスを削減するために、旅行会社が始めた“炭素ゼロ旅行”というのを採用する幹部・信徒が増えてきた。まず、埼玉県の信徒139人が、2月の団体参拝練成会に参加するためにこれを行った(2月17日)のに続き、他県からの参加者もこれを採用するようになってきている。また、同総本山にはすでに2000年に大型の太陽光発電装置が設置されたが、このほど新たに総出力50kWの新型光発電装置が練成道場屋上に設置されることが決まり、来年2月の完成を目指して工事が進んでいる。この装置は、同本山で使用される電力総量の約5%を供給することになり、稼働後は、従来の装置と併せると、同本山が使う電力総量の約2割が自然エネルギーで賄われる予定だ。

“炭素ゼロ”を目指す動きは、運動の具体的内容にも反映されている。生長の家では、全国59教区にある教化部会館や地方道場に信徒を集めて行事をすることに主眼が置かれてきたが、この方法だと、交通機関の便がよくない場所だと、どうしても自動車を使うことになる。しかし、これらの行事を地元で、自動車を使わずに行ける場所で行えば、温室効果ガスの削減が可能となる。また、信徒の住居に近い地元で行事を行うことで、参加者の増加も見込める。そういう行事の“地元シフト”がしだいに進んでいるようだ。そして、これを側面からサポートするために日時計主義の生き方を前面に出した“新しいタイプの誌友会”の開催も進んでいる。これについて詳しくは、今年2月29日の本欄や拙著『太陽はいつも輝いている』(副題:私の日時計主義実験録)などを参照されたい。

 生長の家は、すべての宗教の神髄は共通するという「万教帰一」の教えを掲げている。しかし、世界のメジャーな宗教であるイスラームについては、その“共通点”等の詳しい知識はなかった。が、昨年から今年にかけて行われた2回の生長の家教修会で、イスラームについて集中的に学ぶことができた。7月12~13日に東京で行われた生長の家教修会を経て、その結果の一部が2冊の単行本としてまとめられたことは、特筆に値する。なぜなら、イスラームは、まもなくキリスト教を超えて、信者数では世界最大の宗教となることが明らかだからだ。この2冊の本とは、エジプト人イスラーム法学者、カリード・アブ・エルファドル著『イスラームへの誤解を超えて--世界の平和と融和のために』(米谷啓一訳/日本教文社刊)と拙著『衝撃から理解へ--イスラームとの接点をさぐる』(生長の家刊)である。後者の拙著は、前者を含めたエルファドル氏の著書からの引用が多くあるが、日本人の視点から、また万教帰一の立場からイスラームへの理解を試みたものである。生長の家の“イスラーム解釈”としては最初の本と言えるだろう。

 この『衝撃から理解へ』の校正を終え、最後に「はしがき」の文章を編集部へ送ったのは10月17日だった。この頃から父の容態があまりよくなくなった。「急変した」というわけではないが、肉体の機能の面では長い下降線が続いてきた中で、これまでとは違った兆候が見られるようになり、約10日後に、父は蝋燭が燃えつきるように息を引き取られた。「故 生長の家総裁谷口清超先生追善供養祭」は12月17日に行われた。私は追悼の言葉の中で、清超先生が尊重された「自由」の精神によって私のアメリカ留学が叶ったということに触れた。それがなければ、私の人生においては、エルファドル氏の英文著書との出会いも、同氏を生長の家の教修会に招くこともなく、したがって『衝撃から理解へ』という本はこの世に誕生していなかったのである。だから、この書は、ぜひ父に読んでいただきたかった1冊であるが、今生でその願いがかなわなかったのは残念である。
 
 しかし、生長の家は「生命の不滅」を掲げる人類光明化運動であり、具体的には世界の平和を目指す国際平和信仰運動である。その方向に向かって、私たちは今年も確実な一歩を進めたことは誠にありがたいと思う。これからも更に前進するだろう。これは谷口雅春先生、谷口清超先生の数々の偉大なご業績によるものであり、また、世界中の信徒の方々の篤い信仰心とご支援、ご鞭撻のおかげである。変化に満ちた2008年の最終日に当たり、皆々さまに心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
 
 谷口 雅宣

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コメント

ありがとうございます。こちらこそお世話になりました。この欄で先生にある時は共感していただき、ある時は叱られ印象深い年でした。facebookに先生のお写真の真上に写真とコメント載せられてあの時は嬉しかったです。先生、皆様、良いお年を!( ̄▽ ̄)

投稿: 奥田 健介 | 2008年12月31日 23:00

谷口雅宣先生
 この1年間ご指導有難うございました。
「炭素ゼロ」への取り組みを、もっと世間にアピールして、一般の方の共鳴者を増やすために、例えば「エコ・プロダクツ」で展示されては、いかがでしょうか。企業のみならず、高等学校や大学、自治体なども参加しています。仮に宗教法人の参加が認められないのなら、日本教文社や世界聖典普及協会が参加してもよいと思います。
 来年も宜しくご指導をお願い致します。

投稿: 久保田裕己 | 2008年12月31日 23:15

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