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2008年11月21日

良心的な人は長寿?

「憎まれっ子世にはばかる」という諺があるが、人に憎まれるような人間が、世間ではかえって幅をきかすという意味で、これは「悪者は長生きする」という意味にも解釈できる。英語の諺にある「Ill weeds grow aspace.」(雑草ははびこりやすい)というのと似ている。だから、いわゆる“善い人”や“良心的な人”は長生きしないと考えている人がいるかもしれない。ところが、良心的な人はそうでない人よりも長寿だということが、このほど8900人が関係する調査で明らかになった。10月25日号のイギリスの科学誌『New Scientist』(vol.200 No.2679)が伝えている。

 それによると、カリフォルニア大学リバーサイド校のハワード・フリードマン氏(Howard Friedman)とマーガレット・カーン氏(Margaret Kern)は、既発表の20の研究データの中の8900人の良心的な傾向とそれらの人々の死んだ年齢の関係を調査した。すると、どんな年齢層でも、良心的傾向が弱い人は強い人よりも、50%死ぬ確率が高いことが分かった。この違いの大きさは、寿命に影響があるとされる「社会的地位」と「知性」によっても説明しきれない幅だという。両氏は、さらにこのデータの内訳を細かく調べたところ、「社会的に成功した人」が長生きする確率が最も高いことが分かった。これらの人々は、社会的に尊敬され、自分の時間とエネルギーを社会のために注ぎ込み、同僚や隣人とよく協力し、信頼されているような人々だという。こういう人たちの生活は、より安定していて、ストレスが少ないというのが、長寿の原因の1つらしい。

 考えてみれば当り前のことかもしれないが、「社会的な成功」を早く得ようとして不正や不義を働く人が結構いるところを見ると、「社会的成功」は人生の目的ではなく、良心的生活を実践したことの結果であり、それに随伴して「長寿」というもう一つのご褒美もやってくる--こう考えればいいのである。つまり、「憎まれっ子世にはばかる」という諺は短期的には真理のように見えても、長期的には成立しないのだ。そう言えば、福岡県の米菓会社の和菓子に殺虫剤を混入した人は、良心の呵責に耐えかねて自殺したという。新聞報道によると「40代の男性社員」ということだ。和菓子に殺虫剤を入れてから良心を発動させるのではなく、入れる前に良心の囁きを尊重してほしかった。そうすれば、死ぬことはなかったのである。
 
 また、音楽的才能が豊かで若くして大いに富み、社会的成功をおさめた音楽プロデューサーのK氏(49)が、経営において失敗し、詐欺の容疑でつかまった。K氏は取り調べ中に反省し、係官にこう語ったという--
 
「生活が豪奢になり、お金がどんどん入るそばから思うように使っているうちに“裸の王様”になってしまった。誰にも意見をされず、そんな生活を疑問に思いつつ、ずっと続けた」。(『朝日新聞』)

 この反省を今後の生活の指針にし、“内在の神”の囁きである良心をくらますことなく生きていけば、K氏にも再び社会的成功の道は開けるに違いない。
 
 谷口 雅宣

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コメント

良心的生活を実践した。というか実践されつつある福岡市の社会福祉法人〔しいのみ学園」園長昇地三郎先生は102歳の今も世界を飛び回られて 幼児教育、障害児教育の専門家として活躍されていられるのは まさに雅宣先生のコメントの実証そのままだと思いました。私も良心的生活をますます実践して行きたいと思いました。

投稿: 桝谷栄子 | 2008年11月24日 00:13

良心的生活をすれば社会的も成功し長寿のご褒美もつくなんて最高です!世界中の人に伝えたいです!

投稿: 奥田健介 | 2008年11月24日 18:08

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