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2008年11月 6日

単行本『衝撃から理解へ』

Shogeki2_  前回の本欄で、9・11事件の後に、生長の家では「イスラームという宗教を知る努力が本格化した」と書いた。これは、本欄でも数多くイスラームを取り上げただけでなく、昨年と今年の生長の家教修会でもイスラームをテーマにした研究発表が行われたことを指す。が、このことは、我々がイスラームを完全に理解したという意味ではない。まだ研究の途上にあるが、一部理解が進んだという程度のものだろう。その理解を1冊の本にまとめたものが、まもなく生長の家から発刊される。『衝撃から理解へ--イスラームとの接点をさぐる』という題の拙著で、少し硬い内容の本だが、本欄の読者にはお勧めしたい。
 
 本欄でイスラームについて書いた文章は、すでに『小閑雑感』シリーズ(世界聖典普及協会刊)の第10~11巻などに収録されている。が、このシリーズでは、ブログの形式にならって時系列的にいろいろのテーマの短い文章を並べてあるから、一つのテーマについて集中して読みたい読者には、なかなか使いにくいのである。そこで、2005年夏以降のイスラームに関する記述だけを集め、横書きを縦書きにし、小見出しをつけ、註を補うなどの加筆修正を加えると、四六判で280ページほどの単行本になった。
 
 2部構成になっていて、第1部「イスラームの衝撃」は、ジャーナリズムのイスラームに関する報道から材を取り、今日のイスラーム社会の“外観”を描き、それが私に与えた“衝撃”を語っている。第2部「イスラームへの理解」は、そういう“外観”からは分からない、イスラームの中にある考え方や教え、イスラーム内部の“分裂”の状況などを、研究書などをひもといて理解しようとした試みである。上述したように「よく理解した」のではなく、「一部理解が進んだ」程度である。それでも、読者がこの本を読んでいただけば、イスラーム諸国で今起こっている出来事の“背景”が分かるから、さらに理解を深めるための足掛かりになると思う。巻末には参考文献も付してあるから、意欲的な読者は、それら専門家の著作にもあたり、理解を深めていただきたいと思う。
 
「自分は生長の家を学びたいのであって、イスラームなどどうでもいい」と思う読者には、この本は無理にお勧めしない。しかし、イスラームが世界第2の信者数を抱える大宗教であること、イスラーム諸国の人口動態などからいって、この教えはまもなく世界第1の宗教になること、また、イスラームへの理解がなければ生長の家の「万教帰一」は絵に描いた餅であること、などに思いいたってほしいのである。また、イスラームと生長の家との共通点を知りたい人は、この本の最終章「イスラームと生長の家」をまず読んでから、他の章へと読み進んでもらってもいい。この本には、イスラームの教義についての体系的な説明はない。それに興味のある人は、参考文献をたよりに次の段階へと進まれるのがよいだろう。
 
 谷口 雅宣

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コメント

楽しみにしています。
ちょうど、ある歴史・民族学者で英国人イスラム教徒の自伝を読み終えたばかりでした。
手元に届いたら、最終章をはじめに開きます。
ありがとうございます。

投稿: Y.S | 2008年11月 8日 06:20

  》前回の本欄で9・11事件の後に、生長の家では「イスラ-ムという宗教を知る努力が本格化した」と書いた。(中略)その理解を、一冊の本にまとめたものが、間もなく生長の家から発刊される『衝撃から理解へ--イスラ-ムとの接点をさぐる』という題の、少し硬い内容の本だが、本欄の読者にはお勧めしたい。《     》「自分は、生長の家を学びたいのであって、イスラ-ムなどはどうでもよい。」と思う読者には、(中略)イスラ-ムへの理解がなければ生長の家の「万教帰一」は絵に描いた餅であることなどに、思い致ってほしいのである。《
合掌 ありがとうございます。
こんなにも早く、待望のイスラ-ムに関する御著書を生長の家から発刊して頂くことになりましたことを、心から感謝申し上げます。今迄はブログでの御発表や、小閑雑感、その他機関誌等にご掲載の、これら関連記事をその都度コピ-し、自分のノ-トに一纏めにして学ばせて頂いておりました。然し今後は、その必要なく, この御本によって、より効率的に学習させて頂けますことを実に有難く、嬉しく存じております。
終戦直後生長の家に触れ入信した私は、その後長期間、ムスリムの人々に仕事関係で、密接に接触してきました。 しかし、イスラームについての理解や親近感が容易には持てず大変苦脳しました。それが、僅かここ数年の上記ブログでのご指導により、“イスラ-ムへの理解がなければ、生長の家の『万教帰一』は絵に描いた餅である”というご教示が、如実に理解、実感出来る様になりました。
この体験から見ましても、若しこれら先生の御著書が将来数ヵ国語に翻訳され、ネットなどを通じて、膨大な数のイスラ-ムの人々に広く読まれることになりますと、生長の家の説く、『万教帰一』の真理が迅速に全世界に隈無く響き渡るであろうことが期待され、胸が膨らむ思いです。
先生、ありがとうございました。益々ご多忙とは存じますが、今後とも引き続いて尊い指導を頂きますようお願い申し上げます。再拝 

投稿: 丹羽敏雄 | 2008年11月10日 02:00

丹羽さん、

 お仕事でムスリムの方々と親しくされているのですね。今回の本がお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。ただし、本にも書きましたが、私のイスラームについての知識は限定的です。不足の点、勘違いなど発見されましたなら、ぜひ教えてください。

投稿: 谷口 | 2008年11月10日 16:09

総裁代行先生  
合掌 御返信有難うございました。ご配慮あるお言葉に心から恐縮、且つ深謝しております。今後とも、何卒宜しくご指導戴けますようお願い申し上げます。再拝合掌

投稿: 丹羽敏雄t_ | 2008年11月11日 15:51

早速、拝読させて頂きました!
247頁から読みはじめ、ラインを引き、付箋紙を貼り、余白に赤字で書き込んでいたら一気に読み終えてしまいました。
すぐに、いつもの書店に電話をし、岩波の『コーラン』など数冊を注文しました。
…ふと『生命の実相』を初めて読んだ時と同じ行動をとっている自分に気がつきました。
本文中に大本教が出て来るとその関連書籍を読み、天理教が出て来ると…という感じで黒住教祖、一燈園さらには聖書、般若心経等々を読みました。
結婚式の夜、義母から『生命の実相』全巻が送られて来た時から子供が産まれるまでの13年間、ただひたすら読み続けた時と同じ感覚に再び包まれたのです。
このご著書は私にとって、現代における『生命の実相』であります。
万教帰一編の続巻が時を経て今ここに…。
ありがとうございます。

投稿: Y・S | 2008年11月28日 08:55

Y・Sさん、

 拙著がお役に立てたようで、何よりです。ありがとうございます。私としては、内容的にはまだこれからだと思っています。

投稿: 谷口 | 2008年11月28日 15:34

万教帰一を説く霊的大宇宙の生長の家が、長い長い歴史と伝統をもつイスラームとの接点を探りながら共通性を見出していく...ということにスポットをあて学ぶことはとても意味深く、重要なことだとあらためて認識出来た素晴らしい本でした。
啓示宗教であるということ以外無知に近かった自分の中のイスラームという存在が体系的に整理され、ようやく少しずつ知識として増していくことが出来た気がします。これをきっかけに教義としての理解はこれから学んでいきたいです☆
又、エルファドル博士が生長の家国際教修会の主要講演者としてお招き出来たということの事実を考えるだけでも本当にすごいことですね!
ここから余談ですが、私にとって一番の親友の家族にムスリムの方がおられます。
国際結婚によりイスラーム地域に嫁がれたのですが、そのことを機会に以前からイスラームについての宗教的儀礼の規則についていろんなお話をきいていたんです。 その友人とは今共に地元教区で活動しているのですが、彼女の入信を契機に聖経甘露の法雨がイスラームの地に住む家族のもとへ届けられたんですね。
イスラームの地に住む一家庭の中に聖経があると思うとそれだけで嬉しくなったと同時に、イスラームと生長の家のこれからの未来に何かさらに深い結びつきを生じる予感が.....よぎりました。
友人に「衝撃から理解へ」をぜひ読んでね!と勧めたら早速すぐに購入後、読破してくれて「分かりやすかった!もっと学びたいっ!!」と言っていました。もともとコーランについても詳しく、聖書の福音も完璧に暗記しているぐらいなので、勧めた私が反対に講義してもらったのでした。
きっちり理解の基盤を固めるのに私達はお互い再読に夢中です♪
これから生長の家でもその共通性、類似性を含め、もっとイスラームについて学ぶ機会が増えたらいいなあと思います。  
「衝撃から理解へ」の発刊はとても素晴らしいスタートだと感じました。 

投稿: ゆりあ | 2008年12月26日 01:59

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