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2008年11月20日

日本の温暖化対策は間に合うか? (2)

 11日の本欄で触れた環境税の問題について、環境省が考えている新提案の内容が明らかになってきた。私は11日に『日本経済新聞』の記事をもとにして、それを「現行のガソリン税などのエネルギーにかかる税金を、税率はそのままにして、名前だけを“環境税”と言い換えることで環境税にしてしまうという方法だ」と書いた。今日(20日)の『朝日新聞』には、もう少し詳しい、そしてもう少し野心的な新提案の内容が報じられている。それによると、現在、化石燃料にかかっている税金の割合(税率)を、それぞれの燃料が排出するCO2の量に応じたものに改めていく、というのである。つまり「温暖化防止を理由に税率を引き上げながらそろえていく」(『朝日』)という中期的なねらいがあるようである。

 これは、化石燃料の税率引き上げによる実質的な“炭素税化”である。それが可能ならば、私は大いに賛成する。『朝日』には、各化石燃料を燃やした際、CO2が1トン排出される量にかかる現行の税額が一覧表で載っている。それを見ると、ガソリンは2万4052円、軽油は1万3034円、重油753円、石炭291円、天然ガス400円である。つまり、CO2排出量を基準として化石燃料にかかる現行の税率を見た場合、ガソリンと石炭のあいだには82.6倍もの不公平があるのである。言い換えると、炭素税を実施するならば、石炭には現行の82.6倍の税金をかけるべしということだ。同じように計算すると、天然ガスには60倍、重油には32倍、軽油には1.8倍の税金が必要となる。では、ガソリンの「2万4052円」が炭素税として高すぎるかというと、現在イギリスでは4万5543円、ドイツでは4万5388円、デンマークでは3万8651円の税金がかかっているから、それほどでもないことになる。
 
 ただ、日本経団連は環境税や炭素税の導入に強硬に反対してきたから、この“実質炭素税化”を簡単に容認するとは思えない。また、この不況下では、「経済優先」を唱える麻生首相の同意も簡単には得られないだろう。
 
 ところで、国レベルではなく県レベルになると、神奈川県が炭素税を独自に導入する方向で検討に入ったらしい。今日付の『日経』が伝えている。それによると、同県では知事の諮問機関である地方税制等研究が炭素税の導入案のたたき台をまとめたという。そこでは法人だけでなく個人も課税対象とし、ガソリンや灯油だけでなく、化石燃料を使って製造する電気やガスについても、料金に上乗せする形で新税を徴収するらしい。
 
 一方、私の住む東京都は、来年度の都税への環境税(炭素税)の導入を見送った。その代り、工場やビルでCO2排出削減につながる最新の設備を導入した場合には減税する仕組みを実施するという。今の経済の状況と、国の動きをにらんでの判断らしい。私としては、神奈川県と足並みをそろえてほしかった。
 
 谷口 雅宣

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コメント

僕も環境税や炭素税があった方がいいとおもいます。オバマさんがアメリカの大統領になられたら、いろいろいいことをやって先生の期待されているように日本の政治にもいい影響を与えて日本も変わればいいなと思います。僕も来年の2月でしょうか、オバマさんの大統領就任が楽しみです。本当、黒舟効果あって欲しいです。歴史にのこるようないい政治をやってほしいです。そうしたら日本もかわるでしょう!

投稿: 奥田健介 | 2008年11月22日 17:51

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