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2008年10月 9日

イモムシからサナギに

 9月25日の本欄では、庭で見つけたスズメガの幼虫を絵封筒に描いたものを紹介した。この虫たちが、いよいよサナギになった。1匹は数日前から焦げ茶色の完全なサナギになっているが、残りの1匹はまだ黄緑色の体のままで、触れると少しだけ反応する。2匹とも、イモムシの状態のときは十数センチあった体長が、半分に縮んでしまった。

 ものの本によると、チョウやガの仲間である鱗翅目の多くは、イモムシがサナギになる段階で地中にもぐり、液体を口から出して土の粒子を接着・固化し、土中の部屋に壁をつくるという。そのためだろうか、サナギの表面の色は土色に近い。私は昔、冬季にクチナシか何かの下の土を掘ったときに、ガの一種であるオオスカシバらしきもののサナギを偶然、掘り出したことがある。で、その濃いアズキ色の体をつまむと突然、尻の先端をヒョコヒョコと振ったので、驚いて放したことを覚えている。あまりいい気持の記憶ではない。

 昆虫の多くは、卵→幼虫→サナギ→成虫、の段階を経る。これを「完全変態」というが、カマキリやゴキブリのようにサナギの段階を通らない「不完全変態」もある。完全変態をする昆虫は、幼虫と成虫の形態は劇的に異なり、両者が棲む場所も生活法も大きく変化することが多い。人間は変態しないことになっているが、人生上の劇的な変化をこの完全変態に喩えて、「あの人はサナギから脱皮した」などと言うことがある。「ひと皮むける」というのは、それほどの変化ではない時の表現だろう。生長の家の聖経『甘露の法雨』では、「死ぬこと」をサナギからの脱皮に喩えていることは、読者もご存じのとおりだ。霊魂の肉体からの脱出は、それほど劇的な変化だということである。

Mtimg081009  2匹の現在の状態を絵に描いた。彼らはこれから、アズキ色のサナギの姿で冬を越すのだろう。成虫となって出てくる姿はあまり見たいとは思わないので、時期を見て土に埋めてやるつもりである。

 谷口 雅宣

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コメント

蛾ってスゴイ!子供の頃、私も土の中から出てきた不思議な物体を『ギャッ』って言って放しました。サナギって…蛾のサナギって土の中にいるのもあるんですか。スゴイ!私は携帯からこのブログを拝見させて頂いておりますが、絵が物凄くリアルです。図鑑の絵みたいです。感動しました。そして、子供の頃の私に会いに行って『これは蛾のサナギなんだよ』って教えてあげたいなぁ…なんて、そんな愛しい気持ちになりました(*v.v)。

投稿: Y.S | 2008年10月10日 18:36

僕も一皮むけました。「生命の実相」とちょっとみた「花盛りの君達へ」というドラマのおかげです。物欲に振り回されていたのですが本物でないとわかりました。ありがとうございます。「これでいいのだ!」

投稿: 奥田健介 | 2008年10月12日 22:51

はじめまして。相談にのってください。実はたまたま花壇を見ると大きなイモムシをみつけました。石の上に乗っかって逞しかったのと模様があまりにも綺麗だったので蝶になるか気になり家に連れて帰りましたが、3日後さなぎになっていました。しかし、さなぎになった場所が大事な本の上だったのでこれではいけないと思い、手で無理にはがしてしまいました(はがした時に1度だけしっぽが大きく動き驚きました。その事も気になります)。小学生の子供の話では、糸を吐いて固定しているさなぎなら無理にはがしたら死んでしまうと聞きました。確かに本からはがすとき糸らしきものが本に沢山ついていてさなぎを固定していました。さなぎになって4日たちますが、花蜂の土の上に赤茶色のさなぎになっています。ちゃんと成長するか、それとも死んでいるのか心配しています。又、中学校の理科の先生に聞いたところ蝶ではなくて、蛾かもしれないと話していました。見たかんじ蝶のようなさなぎではなく、イモムシがそのまま皮をかぶったような形をしています。目の部分は黒いボタンがついたような感じで何となく顔は蛇のように見えます(かわいい顔です)。胴体には真横に黒の模様がついています。出来れば元気に成長してほしいですが・・・詳しく教えていただけませんか。

投稿: かわみつ れいこ | 2008年11月22日 00:28

かわみつさん、

 ガのサナギかもしれませんね。形を見ないと何とも言えないですが……。でも本の上に体を固定していたのならば、土の上にではなく、どこか木の枝にセロテープか何かで固定して、家の中で観察されたらどうでしょうか? セロテープは、ベタベタ使うのではなく、糸があったところに最小限の量使っておけば、サナギから出る時も邪魔にならないかもしれません。

 様子がよく分からないので、こんな処置でいいのかどうか自信がありませんが……。

投稿: 谷口 | 2008年11月23日 16:32

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