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2008年9月 9日

紙テープで絵を描く

 4日に横浜へ行ったことを書いたが、その時、みなとみらい地区の小物店で紙テープのセットを買った。5色のマスキング・テープの何とも調和した色の組み合わせに惹かれて、用途などロクに考えずに買ってしまった。一種の衝動買いだ。マスキング・テープは普通、絵画や工作で着色をする際、絵の具や塗料がついてはいけない所に貼るためのものだから、テープ自体が何色であってもあまり問題にならないはずだ。ところがこのセットは、テープ自体が美しく着色されているため、絵の具をマスクするためよりは、テープそれ自体を絵の具代わりに使って絵を描くことができるかもしれない……とっさに私の脳裏に浮かんだのは、その程度のことだった。

 世の中には、紙を千切ったものを貼って絵を作る人がいる。山下清がその方法で絵を描いたことは有名だ。また、私の家のリビングには、妻の母親が花を千切り絵で描いた暑中見舞いの葉書が飾ってある。そんな記憶が脳裏を掠めたに違いない。新しい画材としての紙テープである。
 
 今日はそれを使って2、3の実験をした。葉書大のスケッチブックを開き、最初は母の千切り絵をまねて花の形をテープで作ってみた。ところがこれが案外、むずかしい。まず、テープは和紙でできているから、千切る方向が自由にならない。つまり、縦方向には裂けやすいが横方向には千切れにくい。また、テープの裏面には糊がついているから、小さく切って細工をしようとしても、裏面同士がくっついてすこぶる扱いにくい。そんなわけで、最初の花の形はほとんど冗談っぽくなった。次には、まず鉛筆でものの輪郭を描いてから、その線と線の間の空白部分に色テープを貼ることを考えた。これで形がとりやすくなったが、細かい空間を手で千切ったテープで埋めるのは、やはり難しい。そこで、テープが描線からはみ出した部分を、カッターで切ることにした。カッターを使うと、千切った紙の柔らかさが出せないが、カッターで切る場所を最小限にすることで折り合いをつけることにしMtimg080909 た。
 
 そうやって作った絵を、ここに掲げる。まあ、実験的作品だから粗雑な部分はお許しあれ。使い古した短い鉛筆のつもりである。鉛筆の“皮”の部分の着色に紙テープが使ってある。あとは普通の水彩絵の具だ。水彩の混色によって変化をつけた背景と、単色のテープを並べて貼った鉛筆の“外皮”を対照させてみた。
 
 谷口 雅宣

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コメント

 おもしろい試みですね!
 紙テープの発色が良いのに驚きました。
 思わず衝動買いされた気持ちが分かる気がします。(笑)
 以前、色紙テープを使って作品を作っている人がいることを聞いたことがあります。一種のコラージュ作品ですね。
 テープの直線を生かした抽象的表現にしても、おもしろいかも知れませんね。

投稿: TK | 2008年9月10日 09:15

TKさん、

 この絵では、紙テープを小さい所に使ったので、よく分からない面があります。おっしゃるように、今度は直線的な使い方もやってみようと思います。Thank you for your suggestion.

投稿: 谷口 | 2008年9月10日 23:09

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