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2008年9月19日

北極の海氷は残った

 台風13号の関東地方への接近が、生長の家講習会のために羽田を発つ日と重なりそうなので、一足先に開催場所の旭川市へ飛んだ。このような理由で講習会のための日程や旅程が変わることが、年に1回ほど起こる。想定外のことが起こると人は時に困惑するが、予定が詰まっているときには、その中のいくつかが同時に外れてしまうことがあり、却ってゆったりとした時間をもてる場合がある。今日は、どうやらそんな有り難い日のようである。講習会の旅先では、夕食は何時、入浴は何時、就寝は何時、起床は何時……などと、いつも時間を気にしながら仕事をする。が、そんなことに気を遣わない旅を、台風さんは私たちに与えてくれた。旭川地方は、好天の昨日は29℃まで気温が上がったというが、今日は曇りで最高気温は20℃。イネは刈り取り間近で、地面を黄金色に塗り替えているし、街路樹のナナカマドは小さい赤い実をいっぱいつけて秋の到来を告げている。

 地球温暖化の進行で、北極の氷が今夏には消滅するのではないか、と危惧されていた。このことは本欄を単行本化した『小閑雑感 Part 11』(世界聖典普及協会刊)の「はじめに」にも書いたが、昨年の9月に北極の海氷は過去最小になっただけでなく、この年の氷の減少率は、ここ数十年間の平均値を大幅に超えていたのである。また、今年はつい先日のことだが、北極海のロシア側とカナダ側の氷が一時すべてなくなったことが報道されていた。が、幸いなことに、今夏の北極海の氷は、昨年の同時期のレベルより多い状態のまま融解期を終えたという。18日付の『ヘラルド・トリビューン』紙が伝えている。
 
 それによると、コロラド州ボルダー市にあるアメリカ氷雪記録センター(National Snow and Ice Data Center)は、北極海の氷は夏の融解期を終えて拡大を始めているが、その大きさは9月12日に、今年の最小である450万平方キロにまで減り、衛星による観測を始めた1979年以来の平均値に比べて、33%も小さかったという。昨年の最小サイズは、412万平方キロだった。
 
 北極海の氷が少なくなることで、ホッキョクグマの絶滅が心配されているが、そういう感情的な問題に加えて深刻なのは、氷による熱反射が少なくなり、海への太陽熱の吸収が進むことで、極地の温暖化が加速することだろう。また、これまで氷で閉ざされていた極地への海上ルートができるから、資源開発が容易となり、それに伴って極地は誰のものかという“領土問題”が起こることだ。18日の『朝日新聞』は、ロシアの安全保障会議で、2020年までの優先課題として北極圏の大陸棚の境界画定が取り上げられ、メドベージェフ大統領が「基本的な課題は、北極を21世紀のロシアの資源基地に変えることだ」と発言したことを伝えている。北極の開発については、ロシアのほかカナダ、ノルウェー、アメリカなどの周辺国が先を争っており、そういう開発が進めば進むほど、開発優先の論理が力を増すことを私は危惧している。
 
 谷口 雅宣

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コメント

先生ありがとうございます。今日のブログへのコメントではないのですが、以前、先生は「若いときは何でもあれもこれもしりたがるが、真に本当に重要な情報は案外少ない」と教えていただきました。今では『本当に先生のおっしゃるとうりだ」と思っています。おかげで自由になりました。楽になりました。家でくつろぐ時間、家族と過ごす時間が増えました。すべて先生のおかげです。ありがとうございました。

投稿: 奥田健介 | 2008年9月21日 12:52

先生ありがとうございます。9月19日は僕の誕生日です。先生のブログがあってよかったです。これからも宜しくおねがいします。生長の家をやりだして14年目になるところです。これからも全力でがんばります。先生とは講習会(函館)で三回、握手していただきました。先生ご夫婦、大好きです。僕は雅春先生ご夫婦にお会いしたことのない世代です。父と僕が信徒です。僕は光明実践委員です。青年会誌友会の講師は二度やりました。
飛田給の全国大会で先生ご夫婦が帰りに緑色のプリウスに載られるところをまじかに見ました。ありがとうございます。web版日時計日記に僕の投稿がいっぱいあります。よろしかったら見てください、「okuda」というのが私です。

投稿: 奥田健介 | 2008年9月22日 11:24

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