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2008年7月19日

“郊外型”は廃れる? (2)

 7月1日の本欄に同じ題で書いたが、郊外型大型店の売上減が鮮明になってきたことで、私の予測に信憑性が出てきた。原因はもちろん、原油高騰から来る自動車用燃料の値上がりである。これによって車離れが進んでおり、車の使用を控える動きが顕著になってきたことは、4日の本欄にも書いた通りである。
 
「車離れ」の傾向は、『日本経済新聞』による車保有者への調査でも鮮明になっている。18日付の同紙によると、7月初旬に全国の消費者千人に行った調査では、ガソリン価格の値上がりによって「1年前より車に乗る回数をへらした」と答えた人は「53%」に達し、前回の調査(今年1月)の「36%」よりさらに増えた。このうち何を減らしたかを聞いたところ、①「短距離のドライブ・レジャー」が37%で最も多く、続いて②「郊外型ショッピングセンターでの買い物」が34%、③「車を使った外食」27%、④「マイカー通勤・通学」⑤「子供などの送迎」の順だった。

 この動きに危機感を抱く郊外型の大型店では、客をつなぎとめておくためにガソリン代の一部負担のサービスをやり始めている。18日の『産経新聞』によると、イオンは10日から4日間、ジャスコの約250店で、ガソリンスタンド用のプリペイドカードが当たる抽選会を実施、売上げが前年比で1割伸びるという成果を上げたという。イトーヨーカ堂は16~21日の期間限定で、126の全店で5千円以上の買い物客にガソリンの割引券(リッター当り10円引き)を配布している。また、カラオケ店チェーンの「シダックス・コミュニティー」は1日から、午後6時以降に車かバイクで来店した客に、ガソリン2リットル分の値引きサービスをしているという。
 
 上に挙げた「車を使った外食を減らす」傾向は、ガソリンの値上がりだけでなく、食料品全体の値上がりとも関係している。(この2つは、しかし「原油の高騰」という同一の原因から来ている)そして、このことが米の消費量の増加に結びついているようだ。18日付の『日経』によると、「食料品価格の上昇で外食をひかえる動きが広がり、家庭で消費する精米の販売が予想以上に好調」だそうだ。もっと具体的に言えば、米卸大手の「木徳神糧」が今年12月期の連結決算で、純利益が前期比52%増となるとの予想を発表したそうだ。売上高の予想は前期比でほぼ横ばいだが、営業利益は同68%増になる見込みという。給食に米を使う機会をふやそうという政府の政策とも関係しているだろうが、米価の安定が幸いしているらしい。

 こうやって眺めてみると、昨今の原油の高騰も悪いことばかりではないことが分かる。車での外出が減り、家族が家で米主体の食事をするようになれば、団欒の機会が増え、健康上も良い結果をもたらすのではないか。最近は、東京でも交通渋滞が少なくなったし、空気もきれいになっている。ガソリンの高値が長く続けば、“近場レジャー”の需要が高まるから、電動自転車のレンタル事業や公共交通手段の整備などが進み、各地の特徴を生かした駅前商店街が再生することを私は期待している。
 
 谷口 雅宣

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コメント

副総裁先生

ありがとうございます。
原油高騰が環境には良い結果を生んでいるようですね。
都内の道路は確実に空いております。
渋滞がない分、車の価値が上がりました。

ガソリンが高くなったといっても、まだ水より安いんです。
今日、新大阪で買った500CC の水は130円でした。
1ℓ換算で260円です。
北アルプスの水がリッター260円で、遠くアラブの原油をタンカーで運んで精製してガソリンにして、ガソリンスタンドまで運んで200円しないのですから、本当は安く感じなければならないのに変ですね。

リッター10km 走る車は1km 当り18円ですが、電気自動車(軽自動車クラス)はなんと、1km 当り2円しないのです。驚きました。来年辺りから電気自動車が普及するようですが、薄型テレビと同じように10年もしたら殆どが電気自動車になるような気がしますがいかがでしょうか?

投稿: 佐藤克男 | 2008年7月20日 17:08

合掌ありがとうございます。私にとってイスラム教は解りにくい宗教です。愛行で結婚の祈りを教えた若い女性がありました。その方はイスラム教の男性との結婚に悩んでいました。私は早速「女性の幸福365章」を差し上げました。良いこと書いてあるけど男性に取って都合のよいことも書いてあるといっていましたが、結局結婚でイランに嫁がれました。今は音信不通ですが幸福を願っています。それから私はイスラム教の記事を興味を持って読むようになりました。毎日新聞の中でイスラムの女性に(母親)についての記事がとても気になりました。その内容は、母親がとくに男の子を虐待して育てる記事でした。イスラム教の女性の地位は大分改善されて来たように思いますが(トルコなど東欧にかんしては)宗教色の強い中近東はこの傾向が強いと思います。聖戦等理不尽な政治情勢があるのは、この育ち方にあるのではないでしょうか。私はイスラム教の女性こそが生長の家を学び世の中を変える原動力になって欲しいと願っています。また能楽の「敦盛」をみたイラクの大学生がいつまでも殺されたから仇と思うのではなく感謝して成仏した話に感動して「敦盛」公演をイラクの大学で催している様子をNHKのニュースで見ました。日本の芸術が解り、また聖戦はもう終わりにしなければと一部の方が変わり始めている。とても嬉しいことでした。日々世界平和の祈りの中でイスラムの女性の幸せを祈っています。

投稿: 十菱秀子 | 2008年7月22日 09:30

十菱さん、

 コメント、ありがとうございました。
 「ジハード」という言葉には、もともとは「聖戦」の意味はなかったといいます。元来の意味は「真剣な努力」とか「自我との戦い」の意味だったそうです。 

投稿: 谷口 | 2008年7月22日 14:24

佐藤さん、

 すみません。貴方のコメントを公開するのを忘れていました。特に他意はありません。単なる見落としです。

 電気自動車の“燃費”ですが、どうやって計算するのでしょうか? 時速何キロで何時間かかるという数字を、単に距離で割るだけでしょうか? 

投稿: 谷口 | 2008年7月23日 16:34

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