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2008年6月26日

生長の家は温暖化抑制に努めている

 地球温暖化抑制のための対策として、京都議定書で定められた温室効果ガスの排出権取引があることは、本欄の読者ならばすでに十分ご承知のことだろう。これについては本欄で何回も取り上げ、必ずしも諸手を挙げて賛成はしていないものの、その一部については、実質的な温室効果ガス排出削減の効果があると認めてきた。洞爺湖サミットの開催を直前に控えて、政府内部でも排出権取引の方針が煮詰まりつつあるようだ。ただし、あくまでも企業の「自発的な参加」を原則とするうえ、「自主的削減目標」しか設定しないようであり、効果はきわめて限定的だ。6月25日付の『朝日新聞』などが伝えている。私は、東京都が25日に可決した環境確保条例改正案のように、一定規模以上の企業に温室効果ガスの削減を「義務化」するのでなければ、実質的な効果はあまり望めないと思う。

 22日に富山市で行われた生長の家講習会では、参加者の質問の中に生長の家の環境問題への取り組みが不十分ではないかと、疑問を呈する内容のものがあって、私は驚いた。それは62歳の自営業の男性からのもので、こういう内容である--
 
<「生長の家」の信仰を多くの人々に知ってもらうには、マスコミ等による宣伝が少ないと思います。又CO2の削減のアピールも少ないと思います。今のままでは少しもの足りないと思います。>

 そこで私は、生長の家が日本の宗教界では最初に、環境経営の国際基準である「ISO14001」を取得したことや、今年の1月には韓国のフロンガス工場から排出される強力な温室効果ガスの排出削減に貢献して排出権を獲得したこと、また、現在は“炭素ゼロ”運動を強力に推進していることなどを話して、この質問者の誤解を解こうとしたのだった。そんな中で、本欄の読者、濱田貴博さんから、1月10日の本欄へのコメントの形で、生長の家の排出権取得を評価する文章が、最近発刊されたビジネス書に書かれていることを教えていただいた。うれしいニュースである。この本は、北村慶著『排出権取引とは何か--知っておきたい二酸化炭素市場の仕組み』(PHPビジネス新書)で、初版発行日は今年の7月2日(!)であるから、まさに出来たてホヤホヤである。
 
 この本の25ページには、こうある--
 
<日本で初めて「排出権」を信託方式により小口化した三菱UFJ信託銀行の「排出権信託」を購入した先には、企業だけではなく、「生長の家」という宗教法人もあります。「生長の家」は、信者数200万を超える日本を代表する宗教団体です。>

 このあと、生長の家の公式サイトに発表された文章を一部引用してから、さらにこう書いてある--

<「排出権」については、温室効果ガスを排出できる権利--すなわち、地球を汚す権利--と捉えると、環境問題に真摯に取り組んでこられた人々や団体から、環境問題をカネで解決するものではないか、という疑義を受けやすいという側面があります。
 しかし、私たちが生活し、活動していく以上、それが個人の活動であれ、企業活動であれ、宗教活動であれ、温室効果ガスは発生してしまいます。
 その意味で、「生長の家」のように、地球環境への負荷を軽減する自助努力をまず行い、それを補う形で国連で認められた「排出権」を補完的に用いるという考え方は、十分に受け入れられて然るべきものであると思われます。>
 
 私は著者の北村氏について何も知らないが、この書の略歴には、「慶応義塾大学卒、ペンシルベニア大学経営大学院留学。大手グローバル金融機関勤務。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャル・プランナー1級技能士。日米欧で、投資ファンド、M&A仲介・コーポレートアドバイザリー業務、および環境関連のプロジェクト・ファイナンスや金融商品開発に携わる」とあるから、現役のファイナンシャル・プランナーなのだろう。これまで何冊も著書があり、北村氏自身のブログには「金融ビジネス書作家」との肩書きが使われている。

 排出権取引のことが分かりやすく書いてあるので、読者諸賢にも一読をお勧めする。
 
 谷口 雅宣

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コメント


 合掌 ありがとうございます
 
  北村慶著 「排出権取引とはなにか」のご文章を読ませてい  ただきました。
  うれしいですね。
  本当に日々の生活の中にみ教えを頂くこと、この上ない喜び  でございます。
  ありがとうございます。
                 諌山 綾子 拝

投稿: 諌山綾子 | 2008年6月27日 23:45

生長の家が排出権信託を購入されたことを私は大きく評価し喜んでいます。
 これに続いて、今後私共生長の家の信徒が宗教法人「生長の家」の紹介を受けて、排出権取引に参加し、個人的にも京都議定書の削減義務などに貢献する道を開いていただきたいと願っています。そのようになると期待していてよろしいのでしょうか?

投稿: 加藤 忠司 | 2008年6月28日 10:49

加藤さん、

 排出権取引にはいくつか方法があって、なかなか一筋縄にいかない面もあるようです。一般の個人は、まず自分のライフスタイルの見直しから始め、温室効果ガスの排出削減に自らが努めることが重要と思います。

 アル・ゴア氏がかつて自宅の電力消費量が莫大であることを指摘され、「それでも炭素はオフセットしている」などと言い訳をしていましたが、あまり説得力がないと感じました。

投稿: 谷口 | 2008年6月30日 12:35

合掌、ありがとうございます。いつも小閑雑感を楽しく拝読している愛知県の村瀬博嗣というものです。

わたしは正直インターネットは「情報収集」ばかりで「情報発信」させてもらうのは正直あまり慣れていませんが、思い切って久しぶりに小閑雑感に投稿いたします。と、言ってもつたない個人的な感想文です。長文は苦手ですが、よろしくお願いします。

さて、わたしは5月に宇治の練成会に参加させてもらいました。その練成で講師の先生が環境問題に生長の家が積極的に取り組んでいること、わたし達個人が出来ることを講話で話されていました。宇治別格本山では照明を「間接照明」からカバーを外して「直接照明」にしています。天井の照明を改めて見上げると本当にたくさん照明が「間引き」されていることを実感します。1/3、いや1/5にまで蛍光灯が間引かれていました。逆に言えば蛍光灯を間引くまでは、今の3~5倍もの電気を無駄に使っていたということになります。

生意気で失礼なことを敢えて申し上げると、世界で最初に宗教法人として「ISO 14001」の認証を得た生長の家でさえ、そんな無駄なことを犯していたことには失望を禁じえません。本来、日本人はとても無駄というものを嫌うといいます。江戸時代の頃にはなんと「鼻紙」でさえリサイクルしていたと聞いています。今の時代にそこまでする必要はないかもしれませんが、その精神を是非見習いたいものです。これこそ真の「日本国実相顕現」ではないでしょうか?(と、勝手に思っています・・・汗)

練成会の帰りには電車に乗りましたが「環境に優しい」はずの鉄道でさえ照明は間接照明でした。生長の家のまねをしろとはいいませんが、せめてカバーを外して直接照明にしてほしいものです。ホテルのロビーや新幹線のグリーン車ならともかく・・・と言いたいのですが、もう表面だけのサービスはやめるべき時代が来たのではないでしょうか?わたしは照明は本が普通に読める程度の明るさであれば特にかまわないと思います。このまま世界の人口増加、経済発展が進めば世界全体が徹底的に無駄を省く時代が来るのは必然的です。

話を前に戻しますと、個人で出来ることには色々あるようです。特にわたしはその環境問題についての講話を聞くまではしらなかったのですが、扇風機を上手く使うと「体感温度」が3度は下がるそうです。これなら冷房を28度に設定しても25度になりますし、そのほうが冷房を25度に設定するよりも省エネになるそうです。冷房と扇風機を併用した方が、冷房単体よりも省エネとは知りませんでした。谷口雅宣先生はもう実行されたでしょうか?なかなかお得な感じです。

以上です。長文駄文、長々と失礼しました。なんだか誰でもしっていることを自慢話みたいにしてしまいました。しかし、この文章を作成しているうちに改めて環境問題への取り組みの面白さとか奥深さを感じました。もっと環境問題や将来その他の課題について書いてくださることを期待しています。作文の練習にもなりました。ありがとうごさいました。コメント遅れて申し訳ありませんでした。

それでは合掌、ありがとうございます。

投稿: 村瀬博嗣 | 2008年7月 1日 10:59

村瀬さん、

 長文の感想、ありがとうございました。温室効果ガス排出削減は、今や地球的要請です。どんどん工夫してやっていくつもりです。

>>冷房と扇風機を併用した方が、冷房単体よりも省エネとは知りませんでした。谷口雅宣先生はもう実行されたでしょうか?<<

 私はもう何年も前から、仕事場でも家でも冷房を使っていません。そして、扇風機を回しています。これの方が、健康上はよいと思います。地球の健康にも……。

投稿: 谷口 | 2008年7月 1日 12:37

北村慶著「排出権取引とは何か」を読んで、生長の家のホームページを読んでもわからなかったところがとてもよくわかりました。しかし、色々な問題をはらんでいることにも気付きました。
それでも自分の周囲から、出来るところから、温室効果ガス排出削減をやってゆくしかないと思いました。

投稿: 前谷雅子 | 2008年7月 3日 08:24

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