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2008年5月 4日

半年ぶりに山へ

 半年ぶりに山梨県大泉町の山荘に来た。朝早く東京を出たおかげで約2時間で目的地に到着し、雪を頂いた甲斐駒ケ岳を遠方に眺めながら、朝食をとることができた。青い空のもと、野鳥の澄んだ声と若芽がいっぱいに吹いた森の木々に囲まれた場所は、文字通りの“別世界”である。標高1200メートルのこの地では、ヤマザクラ、ヤエザクラ、スイセン、セイヨウタンポポ、レンギョウなどが同時に咲いている。毎年、生長の家の組織の全国大会後にここへ来ているが、連休の前半に付近へ来た人々が山菜採りをするので、我々の山荘脇に生えているタラの木の若芽が切られていることが多い。昨年同時期(5月6日)の本欄には「タラノメは伸びていない」と書いてあるが、今年は暖かかったのだろう、ちょうど食べごろの大きさに伸びていて、人間の手が届く高さのものはほとんどすべて掻き取ってあった。

 シカももちろんタラノメを食べるが、彼らは芽といっしょに、芽の出る木の先端部を凸凹にかじり取るのに対し、人間は芽だけを指先で折って取るから、刃物で切ったような滑らかな白い切り口が残る。山荘周辺のタラの木は、ほとんどが人間の手で芽を掻き取られていた。それを見るとさすがにガッカリする。しかし、こんなふうにタラノメを採る人間の様子は、シカとあまり変わらないのだった。山荘の庭にはサクラ、ヤマボウシ、ライラック、ミツバツツジなどがあるが、どれもシカの背の高さまでの枝は、ことごとく新芽を失っている。中には、折られた枝が皮一枚で元の位置から垂れ下がっているものもあり、悲惨である。しかしそれでも、シカの背を上回る部分には新芽が生えて伸びており、蕾をつけているものもある。山荘脇のタラの木も、人間の手の届かないところでは成長し続けているから、“頭の黒いシカ”が取ったと考えればいいのかもしれない。私はそう思い直し朝食後、付近を妻と歩きながら、二人で3~4本のタラノメを収穫した。

 シイタケも収穫できた。これは予想外だった。山荘の北側の林の中には、シイタケのホダ木が10本ほど横倒しに組んであった。昨秋は、そこから出たシイタケはあまり多くなかった。春のシイタケは秋より数が少ないと思っていたから、今回の訪問でもさほどの収穫は期待していなかった。ところが、大小合わせて10個以上が傘を広げていた。ただし、出てから時間がたっているものが多く、半分以上は乾燥が進んで“乾しシイタケ”状になっていた。また、山荘の西側の斜面にも、周辺のクリの倒木を整理した時につくったホダ木が立てかけてあったが、その1本から10個以上が出ていた。こちらも乾燥が進んでいたが、食べるには問題がないので、ありがたく収穫した。
 
Kamadoma  動物についても書こう。1つはカマドウマだ。この虫が春に発生することは以前から分かっていた。また、管理会社からの事前の報告にも「各部屋共に、カマドウマが大量に発生しておりました」と書いてあったから、ある程度の数は予想していた。が、管理会社の人が掃除したはずだから、残っていても数十匹程度とたかをくくっていた。ところが、山荘に着いてまもなく、浴室を調べていた妻が声を上げて私を呼んだ。「すごい数よ」というのである。行ってみると、水のない湯船の底に、長さ30センチ以上もある楕円形の黒い塊があって、それがカマドウマの死骸が集まったもののようだった(=写真)。で、死骸ならば捨てればいいと思い、手を伸ばそうとした。すると、妻がそれを引きとめて、「それ、みんな生きているのよ」と言う。ウソだろうと思いながらよく見ると、確かに虫たちは生きていて、互いに絡み合っているのだった。何のためか、私には分からない。

 自然界には人間にとって美しいものだけでなく、不気味なものもあることがよく分かった。
 
 谷口 雅宣

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コメント

まさに天国ですね、私も毎年ワラビ採りに出かけるのですがタラの木もあります、高い所は棘があって無理ですが鹿の届く範囲は無くなっている木も多々あります、家内がが全部採ったらダメよ!芽を残していないと木が枯れてしまうからと注意をされていますので実行していますが全部採ってしまっている木もあります、きっと頭の黒いシカの仕業でしょう(泣)、ちなみに私は白いシカです(ガクッ!)、揚げ物にして孟宗汁と一緒に食べましたが美味しかったです(笑顔)、大自然における人間にとっての恵は多種多様で無尽蔵ですがカマドウマ(見たことも聞いた事もありませんでした)の様なものも数々います、しかし不必要なものは一切無い!と言う事を考えますと本当に大自然は不思議を通り越して畏れ多い驚異なる事実ですね、、。

投稿: 尾窪勝磨 | 2008年5月 7日 09:17

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