マイ箸優遇の店
生長の家の講習会のために青森市に来ている。今朝の天気情報では東京と青森の最高気温が同じで「15℃」と表示されていたから、寒さは覚悟していた。空港から市内に至る道路上の表示は「13℃」だったから、だいたい当たっている。それにしても、近ごろの日本はアップ・ダウンの激しい気候である。青森の人に聞いたところでは、今年は例年になく雪解けが早く、春の到来が急だったので、リンゴの花が早く咲くという番狂わせがあったという。その後、また寒くなったらしい。
2年前、青森の講習会は7月だった。今回来て、その時と違うと感じたことがある。それは、我々が宿泊した「ホテル青森」の日本料理屋で、“マイ箸優遇”が行われていたことだ。つまり、マイ箸持参で食事に来た客の飲食代を5%引いてくれるのである。割り箸の代金やその廃棄にかかる費用を計算しても、食事代の5%にはなるまい。だから、これはコスト削減のためではなく、環境意識向上のためのサービスである。こういうサービスにお目にかかったのは、今回が初めてだ。それに、レジの前ではマイ箸を売るといる徹底ぶりだ。この店のオーナーは生長の家ではないか、と疑いたくなった。そういえば、7月の北海道洞爺湖サミットに至る前の、G8のエネルギー相による会合が、まもなく青森市で開催されるという。そのために、市を挙げて省エネ、エコ意識振興を図っているのかもしれない。
ところで、夕食前に市内を散歩していて、ハニートーストと再び遭遇した。読者は覚えているだろうか? 4月に福知山へ行ったとき、宿泊したホテル近くのパン屋兼レストランへ寄った際に目撃した、パン反斤に蜜をかけて食べる料理である。それが、青森港に近いパン屋兼菓子屋で売っていた。京都と青森間はずいぶん離れているが、両方の場所で同じ名前で売っていたということは、偶然ではないだろう。4月5日の本欄では、これを文字だけで紹介したのでよく分からなかったかもしれないので、今回は青森版のハニートーストを写真で紹介する。今回も、その大きさに恐れをなして、買うことはしなかった。
日本が議長国である洞爺湖サミットでは、昨今の食糧価格高騰に関する特別声明を出す方向で、関係各国との調整が進んでいるらしい。今日の『東奥日報』が夕刊で伝えている。当初の予定では、サミットの議題は①世界経済、②気候変動、③アフリカ開発、④核拡散問題の4つだったが、急きょ食糧問題が深刻化してきたからだ。ただし、これをG8の場で進めるには、難しい問題があるらしい。それは、日本が食糧輸入国であるのに対し、欧米の先進国は食糧輸出国である点だ。利害が必ずしも一致しないのである。同紙の記事には、「政府には、この機会に世界の農業生産拡大を訴え、日本国内の農業振興を図ったり、生産国の食料輸出規制に歯止めをかけるといった思惑もある」という解説がある。米の国際価格も急騰する中、日本はまだ減反政策を継続するのだろうか。これを廃止して、米を飼料やバイオ燃料に使うことを検討中という話も聞く。とにかく、様々な面で、社会や制度が大きく変わらなければならない現状が、目の前にあるのである。
そんな深刻な事態など全く感じさせない、青森市の午後のパン屋の平和な光景が、私の前にあった。
谷口 雅宣




