ぱすわあど (5)
ぼくのおばあちゃんは、ぱすわあどをわすれた。
おばあちゃんとぼくは、それを見つけるために本やさんへ行った。おばあちゃんはそこで、ことばをばんごうに変えるやりかたをおしえてくれた。1を3つかいた「111」は「いいひと」になる。ことばをみじかくすると、ばんごうになるのが、おもしろい。
ぼくは、おばあちゃんがくれた「111」のかみを見ていて、思いついた。このばんごうのつぎに4をかくと「1114」だ。「111」が「いいひと」なら、「1114」は「いいひとよ」になる。ぼくは、おばあちゃんにえんぴつをもらって、4をかいて、おばあちゃんに見せた。すると、おばあちゃんは、目をまるくして、
「これはなに」といった。
ぼくが「いいひとよだよ」というと、おばあちゃんは大きなこえで、
「まあ~」といって、それから、
「けんくん、すごい」といって、ぼくのあたまをなでてくれた。
ぼくはすごくうれしかったけど、おばあちゃんがわすれたぱすわあどがなにか、しりたかった。ぼくが、
「これが、おばあちゃんのぱすわあどなの」ときくと、おばあちゃんは、
「ちょっとちがうのよ」といって、それから、
「ばんごうが4つのところは同じだけど、そのばんごうじゃないの」といった。
ぼくは、おばあちゃんのいうことがよくわからなかったから、だまっていた。するとおばあちゃんは、はんどばっくからもう1まいかみをだして、ぼくに見せた。そこには、ばんごうがいっぱいかいてあった。
--「1371」「3618」「4649」「1164」「0312」「1192」。
おばあちゃんは、ぼくのみみのそばでこういった。
「これはぜんぶ、ぱすわあどだったけど、もうつかわなくなったのよ。かんがえすぎて、おぼえるのがむずかしくなったの。でも、いまつかっているのは、すごくかんたんで、かみにかかなくてもおぼえられると思っていたの。ところが、それをわすれちゃったのよ」。
ぼくは、おばあちゃんが、かんたんなぱすわあどをどうしてわすれるのか、ふしぎだった。
谷口 雅宣
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コメント
頭の体操5
ケンくんはパスワードの意味は分らないが4っつの数字である事は理解し、「いい人よで1114」か?と聞くが違うと言う、それから紙に書いた6っつのパスワードを見せる、そして、今使っているパスワードは簡単で覚えられると思ったが忘れた?何故忘れたのか不思議に思う、さあケンくんはどうする?
投稿: 尾窪勝磨 | 2008年4月26日 22:53