幸せなひととき
桜の開花宣言が出てしばらくたった休日ということで、横浜まで夫婦で足を延ばした。花 見に期待していたことは言うまでもないが、主目的は5月初めの生長の家の組織の全国大会を期して出される単行本の校正や原稿書きだった。「旅先で校正する」と言うと奇妙に聞こえるかもしれないが、要するに“缶詰状態”に自分を置くためだ。自宅での休日はどうしても気が緩むし、周囲にいろいろのものがあるので誘惑が多いのである。「これさえ終えれば、後は花見!」と思いながら、周囲に何もないところで神経を集中する……ということで、とにかく形を整えるところまで仕事を終え、人々に混じってほんの少しだけ花見ができた。ありがたいことである。
横浜港の大桟橋には、ちょうど上海から豪華客船の「飛鳥Ⅱ」(5万0142t)が入港したところだった。昼前には、これに「にっぽん丸」(2万1903t)も加わって、見物客もかなり出て、大桟橋周辺は華やかな雰囲気になっていた。が、私たちは、そういう混雑から少し距離をおいて、山手の丘の上へのぼり「港の見える丘公園」付近で午後の数時間を過ごした。私は、そ の公園に日時計があるのを覚えていて、ついでに写真を撮りたいと思っていた。生長の家の講習会で「日時計主義」の話をする際に、実物の写真を見せるのが効果的と考え、これまでは十勝の帯広中央公園にある日時計の写真を使っていたが、そろそろ別のものに変えたいと感じていたのだ。
公園にも、平日にしては多くの人々がいたが、大桟橋付近のように「列をつくる」ほどの 人出ではなかったので、ゆっくりと写真が撮れた。まだ五分咲き程度のものがある一方で、満開のサクラが何本もあった。そういう木の周囲はほの白くなっているので、遠くからでも分かる。近づいていくと、必ずといっていいほど、高級な一眼レフ式のデジタルカメラを提げた中高年の人(男も女も)がいて、熱い目で満開のサクラを眺めているのだった。公園の外れに近代文学館があるが、その付近のサクラが何本も見ごろを迎えていたので、私も“中高年”の一員としてデジカメを構えて何枚か写真を撮った。そのあと妻と2人で、公園内の「山手111番館」という市が管理する木造の洋館へ入り、コーヒーとハーブティーを飲みながらケーキをつついた。幸せなひとときであった。
旅に出て桜ケーキで花見かな
谷口 雅宣
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コメント
春、桜、旅、カメラ、港、丘、夫婦、ケーキ、コーヒー等々まさに至福のひとときが伝わって来ます、人間と自然、仲良きことは美しき哉!「人生は日常生活である」と言った女優がいましたが極楽世界は死後にではなく日々の平凡な日常生活の中に満ち溢れている様に感じられます、又横浜と聞いて冠二郎の横浜物語の演歌が思い浮かびました"山下公園、、元町通り、、港が見える、、桜の丘は、、、、外国船の、、霧笛が横浜の、、静寂にむせぶ、、、俳句、クラシック以外副総裁はどんな日本の歌を歌われるのでしょう?(笑)
投稿: 尾窪勝磨 | 2008年3月29日 11:42
谷口雅宣先生
ありがとうございます。
横浜へいらしていたのですね。素晴らしい桜のお写真をありがとうございました。
投稿: 長瀬 祐一郎 | 2008年3月29日 17:25
ありがとうございます。
美味しそうな桜に誘われ、初書き込みです。
ご一緒に散歩している心地がしました。
ワークライフバランス♪素敵!
私も一仕事終えたので、
明日は、京都の八坂神社へ
お花見に参ります。(こちらは10名)
風薫る 淡雪マシュマロ お腹がすいた
(字あまり)
投稿: 羽田雅子 | 2008年3月31日 17:34
私も先日お花見へ行って参りました。すぐに散ってしまうので寂しいさもありますが、後に出てくる葉も美しいなと感じられるようになりました。
投稿: 多久 真里子 | 2008年3月31日 23:07