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2008年1月20日

ネコリョーシカ

 生長の家の講習会で神戸市へ行った。今年最初の講習会である。前日聞いた天気情報では、神戸市付近は午後から雪が降るとのこと。しかし、神戸市の会場周辺は雪ではなく、雨だった。兵庫県の講習会は、主会場である神戸市内のワールド記念ホールでの映像と音声を、衛星によって他の6会場に同時中継する方式がとられた。だから、他の会場--特に、山間部と日本海側の会場では、雪は降ったかもしれない。これだけ多くの会場を同時に使う講習会は、恐らくここ以外にない。報告によると、7会場合計で約1万8千人の受講者があったという。各会場では、さぞ多くの生長の家の兵庫県の信徒の方々が寒い中、ボランティアとして働いてくださったことと思う。この場を借りて、御礼申し上げます。講習会の推進とご協力、誠にありがとうございました。
 
 さて、昨夜のことだが、宿舎のホテルの売店でロシアの民芸品であるマトリョーシカを見Nekoryoshka つけた。ヒョウタンかダルマのような形をし、入れ子状になった木製人形のことである。マトリョーシカは普通、ロシアの民族衣装を着た若い女性の絵が描かれている。売店にもその通りの人形が陳列されていたのだが、その隣に、人形ではなく、ネコを描いたものが並んでいたので、思わず笑ってしまった。さらに、売り場の表示を見ると、製品名が「ネコリョーシカ」となっている。冗談なのだろうが、なんともピッタリ来る名前なので、2回笑ってしまった。で、私は、短時間に2回も笑わせてくれたものを放っておいていいだろうか……と考えながら売り場をウロウロし、ついに決意してそれを買ったのである。
 
 実は、わが家にはすでに“当たり前”の女性姿のマトリョーシカが1セットある。どこで買ったのか私は覚えていなかったが、妻に訊くと、昔(2000年ごろ)ヨーロッパに家族で旅行した時、モスクワの空港で買った記憶があるという。この旅行はロシアが目的地だったのではなく、ローマかパリへ行く途中で、モスクワの空港に立ち寄ったものだ。石油の開発と経済発展で繁栄するロシアの現状からは考えにくいが、その当時は、経済状態が芳しくなかったのか、モスクワの空港は売店とトイレ以外の場所は電気を消され、薄暗い、陰気な雰囲気に満ちていたのを覚えている。そんな中で、いくつものマトリョーシカが、売店の棚を埋め、温かい、牧歌的で、ユーモアのある空気を生み出していた。今回の“ネコリョーシカ”も素朴で、どこか滑稽な絵柄が私を惹きつけたのである。
 
 ものの本によると、マトリョーシカ(matryoshka)は、ロシアの女性名である「マトリョーナ(Matryona)」の愛称だという。一般的な形は、頭にネッカチーフ、体にはサラファンと前掛けをつけ、手には穀物の束、鎌、ニワトリなどを持つ姿で描かれるらしい。が、変り物として、ロシアやソ連時代の政治指導者を描いたものがあることは、よく知られている。この変り物の方が、風刺漫画のようで、私は愉快な気分になる。昔の共産党書記長や大統領の人形を、最近の大統領の人形が、入れ子状になって“覆い隠す”感じが、「政治権力を奪取しながら大きくなる」という彼の国の指導者のイメージにピッタリするように思うからだ。これを真似て、日本の歴代首相がマトリョーシカの絵柄になった姿を想像してみるが、どうもピッタリ来ない。アメリカの大統領を当てはめてみても、やはり何となく違和感がある。その理由は恐らく、日本の首相は「権力奪取」というよりは、「実力者間の合意」によって生まれ、アメリカの大統領は「選挙」によるからではないか。
 
 このマトリョーシカの起源について、平凡社の『世界大百科事典』には、こうある--「ロシアで作られるようになったのは1890年代半ばで、画家S.V.マリューチンとザゴルスクのろくろ師V.ズビョズドチキンによってモスクワの工房<子どもの教育>で製作されたのが初めてである。その際に日本のこけしのデザインや、だるまの入れ子のアイデアがとり入れられたと考えられている」。ところが、インターネットのフリー百科事典『ウィキペディア』Himedaruma では、これは「一説」とされていて、このほかにも、19世紀末に、箱根のロシア正教会の避暑館に来たロシア人修道士が、本国への土産に持ち帰った箱根細工の入れ子人形(こけし・だるま・七福神)が母体だという説、さらに、愛媛県の松山捕虜収容所にいたロシア兵が、愛媛県の郷土玩具の一つである「姫だるま」(=写真、前谷雅子氏提供)をまねて作ったという説を紹介している。結局、本当のことは不明だが、言えることは、日本の工芸品と共通点があるということだ。ウィキペディアには、日本製らしい“元祖”の写真もある。

 そんなことを知ってみると、初めは「冗談」だと思っていた「ネコリョーシカ」という日露混交の呼称も、案外本物っぽく聞こえてくるではないか。ところで、ネコリョーシカの“産地”であるが、売店の女主人に聞いてみると「中国製」という。ネコリョーシカよ、お前もか!
 
 谷口 雅宣

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コメント

人形の世界も混血、混合の時代ですか?(笑)それにしましても物質至上主義の中国らしいですね、そんなに外貨を溜め込んでどうするのでしょう、、温暖化防止や飢餓国への援助に使って貰えば健康な国家として世界中から尊敬され喜ばれるのでしょうに、、、"足るを知る"は孔子の言葉ではなかったですかねえ、、、。

投稿: 尾窪勝磨 | 2008年1月21日 17:05

私の地元は神戸ですが、事情により講習会に行けませんでしたので出席した母に電話で色々聞きました。実相と現象をきっちり区別し、奇跡を求めるのではなく、人生の諸問題対しに祈りながらもよく考え行動していかなくてはならないのかなぁと思いました。ところで、このネコリョーシカは私も欲しいです(笑)。それでは、谷口御一家がいつも幸福でありますように。合掌。

投稿: スージー | 2008年1月21日 21:00

尾窪さん、

>>それにしましても物質至上主義の中国らしいですね、そんなに外貨を溜め込んでどうするのでしょう<<

 通商関係は“一方通行”ではあり得ません。注文がなければ、いかに中国でも商品は作りません。中国が“世界の工場”と呼ばれるのは、先進国の企業が人件費節約のために中国人を使おうと考えるからです。

投稿: 谷口 | 2008年1月21日 22:59

谷口副総裁様
仰られます様に確かに買い手が無ければ製品は作りません、国際経済はこうして発展して行くのでしょう、人件費や為替の問題もあり自然の成り行きかも知れません、それはそれで良いのですが私の言いたいのはその外貨で先進国のc02排出削除技術(中国は膨大な排出国)に設備投資(先進国から購入)したり、砂漠の拡大を防ぎ黄砂を無くして行く努力(先進国からのインフラ投資)をして貰えたら物質的にも精神的にも健全な国家として認められ尊敬されるのではないか!と思った次第です。

投稿: 尾窪勝磨 | 2008年1月22日 00:05

マトリョーシカの由来に松山捕虜収容所説があると聞いて松山生まれの私はビックリしました。箱根だとばかり思っていたからです。松山の姫だるまは神功皇后が応神天皇をご懐妊なさった時のお姿と云われています。
特に明治時代から作られている張り子のものは、ぱっちりお目々に愛らしい口元で、確かに一般に出回っているマトリョーシカの意匠に影響を与えたのかもしれません。松山捕虜収容所にいたロシアの将兵たちは歓待され妻子を呼び寄せた者もいたそうですが、姫だるまの愛らしさに望郷の念にかられた者もいたことでしょう。

投稿: 前谷雅子 | 2008年1月22日 08:46

尾窪さん、

>>私の言いたいのはその外貨で先進国のc02排出削除技術(中国は膨大な排出国)に設備投資(先進国から購入)したり、砂漠の拡大を防ぎ黄砂を無くして行く努力(先進国からのインフラ投資)をして貰えたら物質的にも精神的にも健全な国家として認められ尊敬されるのではないか<<

 京都議定書に基づいて国連が認めた温室効果ガス削減のためのプロジェクトでは、中国におけるCDM事業が他国に比べて突出しているようです。ですから、あなたも中国を尊敬しなければいけませんよ!(笑)

投稿: 谷口 | 2008年1月22日 13:54

前谷さん、

 私は「姫だるま」というのをよく知らないのですが、どこかのサイトで写真が見られるでしょうか?

投稿: 谷口 | 2008年1月22日 13:56

谷口副総裁様
「温室効果ガス削減の為のプロジェクトでは中国におけるDCM事業が他国に比べて突出しているようです」
そうでしたのですか?勉強不足で失礼致しました(笑)どうも中国に対して、マスコミを通して私の見る目は印象が良くないのです、黄砂に致しましても長く生きていますと日本に住んでいても年々酷くなっているのを実感致しますし、平和に暮らしているネパール自治区のダライラマを亡命に追い込んだり、台湾は中国の一部と主張し軍事威嚇したり、日本海のガス田開発を強行したり、首相の靖国参拝を強固に非難干渉したり、潜水艦で進入したりと、、、4000年の歴史を持つと言うキャッチフレーズ、シルクロードの中国はかの有名な竜樹や玄奘三蔵、孔子、万里の長城を生んだ偉大な国である事には間違いがありません、尊敬はしているのです(笑)

投稿: 尾窪勝磨 | 2008年1月22日 16:10

尾窪さん、

>>そうでしたのですか?勉強不足で失礼致しました(笑)どうも中国に対して、マスコミを通して私の見る目は印象が良くないのです<<

 ひと言でマスコミといっても、いろいろあります。ひょっとして『産経新聞』の愛読者ではありませんか?

投稿: 谷口 | 2008年1月22日 16:30

谷口副総裁様
「産経新聞」は読んでいませんが重要な情報を報道していないのですか?(笑)広島なのでローカル「中国新聞」しか読んでいません(泣)、それとテレビ、雑誌(継続誌はありません、光の泉は愛読書)です(笑)、いずれに致しましても様々な情報を基に事実を有りの儘に知ると言う事の重要性を再認識させて頂きました、そうでないと判断を誤る事になりますから、、、御教示有難う御座いました。

投稿: 尾窪勝磨 | 2008年1月24日 00:39

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