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2007年12月 9日

鹿児島の息吹

 生長の家の講習会のために鹿児島県霧島市のホテルに泊まった。ここは半導体などの大手メーカー「京セラ」が工場をもち「ホテル京セラ」という施設も経営している町で、何となく“京セラの町”といった雰囲気である。昨年の1月にもここで講習会をやったが、その終了後、近くの「隼人塚」という旧跡を訪れたことを1月29日の本欄に書いた。今回は、帰りの航空機の出発時間の関係でどこへも寄らずに帰途についた。

 前日の夕刻にホテルの中を散策したが、案外寒いことに気がついた。「国内最大級の大吹抜空間、7つのレストラン・バー等多彩な飲食施設、屋内外の各種温泉スパ等をもつリゾートホテル」というのが、このホテルの宣伝文句だが、「大アトリウム」と呼ばれるこの吹き抜け空間が問題のようだった。22~23階もある建物の最上階まで吹き抜けだから、暖房がむずかしいのである。恐らくバブルの頃の考え方で建物を設計したのだろうが、石油高騰の今の時代にはコスト高で困っているに違いない。従業員の物腰や態度はとても好感がもてるものだったが、ホテル内で寒さをこらえるというのは初めての経験だった。太陽光発電の先駆的メーカーなのだから、自慢の装置でいくぶんでも暖房費をまかなえないかと思う。
 
 このホテルには、レストランなどが入った別棟があるのだが、そこへ行くには渡り廊下を通る。この廊下の寒さがひとしおなのだが、壁面に日本各地の縄文時代の遺跡の案内がある。そこには土器や矢じり、生活風景を描いた絵などが掲げられていて、土製の人形である「土偶」の模型もいくつもあった。土偶については、『信仰による平和の道』(2003年刊)Mtimg071209_m に少し書いたが、この時代の遺跡からしか出土しない不思議な人形で、宗教行事に使ったと考えられているが、詳細は不明である。実物の人間に似せて作られているのではなく、肉体的特徴--目や乳房、腰など--に極端な誇張が見られるところから、呪術的用途が考えられている。『ドラえもん』の漫画にも出てくるから、読者もお馴染みかもしれない。で、その中の1つに十字形をした土偶があり、不思議な雰囲気をもっていたので、写真に撮ってからそれを絵に描いてみた。胴長の体も面白いが、パンツのようなものをはいているのが不思議だった。
 
 ところで、講習会の食事の時間に、「鹿児島県では人口が年間1万人減る」という話を聞いた。小樽市では「毎年千人減る」という話を聞いたことがあるが、その10倍もの人口減少には驚いた。そこでさっそく「鹿児島県毎月推計人口」をネットで調べてみたら、今年11月1日現在の鹿児島県の人口は「前年の同月と比べて11,366人減少して」いると書いてある。男性が6,039人減り、女性は5,327人減っているのだが、世帯数は逆に2,918も増えている。ということは、核家族化が進んでいるのだろうか。さらに調べると、前月との比較では、人口の自然増(出生と死亡の差)が「-210」であるのに対し、社会増(転入と転出の差)は「24」である。この傾向が年間通して続くと仮定すれば、高齢者が死亡して世帯が減少する一方で、それより相当多くの独身者や単身者が転入することで世帯数が全体として増加している、と考えられる。では、地域的にどこの人口が増えているかと思い、市町村別の人口動態を眺めてみると、「鹿児島市」と「霧島市」が1年前に比べてそれぞれ「370人」「100人」増加しているが、他の市町村はすべて減少していた。
 
 ここから分かることは、この2つの市が鹿児島県の経済の中心であり、その活動には企業や工場の誘致が大きく貢献しているらしい、ということだ。京セラは、創業者の稲盛和夫氏が鹿児島市出身のため霧島市に拠点を置いたとの話を聞いた。そう言えば、同市の会場から鹿児島空港へ向う車中、私と妻は民家の屋根の上に数多くの太陽光発電装置を見つけて、歓声を上げたのだった。新しい時代の息吹が、そこにあった。
 
 谷口 雅宣

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