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2007年10月11日

生光展を見る

 今日は休日を利用して、東京銀座画廊・美術館で行われている「生光展」(生長の家芸術連盟美術展)を妻と2人で見に行った。今年で29回目になる美術展だが、日本全国から57人が74点の作品を出品していて、油絵、日本画、水彩画、アクリル画、木版画、墨彩画、写真など多彩な媒体で“生命の美”を表現している。生長の家白鳩会総裁・谷口恵美子先生も「いただきもの」という題の墨彩画を出品されている。私は、今回は出品するような絵を描く余裕がなかったが、その代わり「絵封筒」という新しいジャンルの小品を10点出している。生光展は14日まで。

 絵封筒のことは6月8日の本欄に書いたが、絵を描いた封筒のことだ。ヨーロッパで生まれたもので、あちらでは「efuto」とローマ字で書くらしい。封筒の表面に大胆に絵を描き、その絵の中に切手をうまく取り込み、さらに宛先を書く場所をうまく用意するところに作家の工夫がある。また、切手を貼って実際に投函するから、スタンプが押されて宛先に届く。このスタンプが、現実と虚構の2つの世界を橋渡しするようで、また面白い。生長の家の美術志向の有志が集まるブログ「絵てがみ教室~アトリエTK」に絵封筒のコーナーがあるので、興味のある読者はご覧あれ。そこに電子的に掲示されている絵封筒の“実物”が、会場には展示されている。

 生光展を見てから、日本橋三越でやっている平山郁夫さんの新作展にも足を延ばした。生光展は、老若男女のプロとアマによる多様性が特徴だが、こちらは個展だから、平山郁夫という日本画家とじっくり対面しているような気持になる。会場の真ん中に対称的に配置された2枚のラクダの隊列の絵が、ひときわ目立った。1つは月夜の砂漠を行く隊列で、もう1つは西陽の中を行く隊列だ。意識的に同じ構図でシンメトリーに描かれているので、昼と夜の繰り返しの中を進むゆったりとした「時間」の流れが感じられた。これが、アラブのイスラム社会に流れる時間だとしたら、原理主義的思考が生まれるのも無理はないかもしれない、などと思った。

R0uault01  絵画展へ行くと、自分でも絵を描きたくなるものである。昨日も使ったタブレットPCの絵描きソフトを立ち上げて、自ら与えた“課題”に挑戦した。それは、パソコンで名画を再現する試みである。もちろん完全な再現などできるはずがないが、どこまで「それらしく」できるかを試したかった。そこで、20世紀初頭のフランスの画家、ルオー(George Anri Rouault, 1871-1958)の「ヴェロニカ」という作品の写真を脇に置いて、せっせとペンを走らせた。この作品は、ルオーが74歳ごろに描いたものと言われていて、ある解説者の言葉によると、「ゴシック芸術の天才たちと肩を並べ得る名作であるという点で、この作品はルオーにおいてもとくに優れたものである」らしい。

 ルオーの絵の特徴は、黒く太い線で人物や物の輪郭を描く点と、キリスト教の教えを内なるテーマとしている点だろうか。カンバスに油彩で描かれた原作の質感をパソコンで出すのは、至難の業である。
 
 谷口 雅宣

【参考文献】
○ベルナール・ドリヴァル著/高階秀爾訳『ルオー』(新潮美術文庫、1976年)

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コメント

私はミロの様な鮮やかな絵が好きですが宗教画にも興味があります、ルオーの絵を書かれていますが素人目でも立派なものです、私は書けませんが見るのは好きです、只人の絵を描くのではなく山川草木、花、野菜、果実他、日本の長い歴史の中の神道から何か題材を選び描かれてはどうでしょうか?提案致します。

投稿: 尾窪勝磨 | 2007年10月12日 00:25

「ヴェロニカ」の模写、ぱっと見て、画集の表紙絵かと思いました。パソコンのペイントソフトでここまでの色と油絵の質感が出せるのか――と驚きです。
ちょうど目の横にあたる白い布(?)の絵の具のひび割れまで忠実に模写されているように見えましたが…。
パソコンソフトで模写――ルオーが今見たら、びっくりすると思います(笑)。

投稿: 小関(TK) | 2007年10月12日 08:46

小関さん、

 生光展の諸準備、ご苦労さまでした。

>>パソコンのペイントソフトでここまでの色と油絵の質感が出せるのか――と驚きです。<<

 私も、この可能性に期待しています。しかしまぁ、本質的には電気信号ですから、何かの拍子にフッと消えてしまいそうな頼りなさがありますね……(笑)

投稿: 谷口 | 2007年10月12日 12:47

「絵手紙教室~アトリエTK」を拝見させて頂きました、描かれた方の澄んだ心が見え心が洗われる感じを持ちました、素晴らしい才能を持っておられる方が沢山おられる事を再確認致しました、有難う御座います。

投稿: 尾窪勝磨 | 2007年10月13日 09:46

「生光展」本日、最終日になりましたが、拝見しました。絵封筒の企画は、最初、場所が分かりませんでしたが、展覧会の会場の外にあったので帰りに、じっくりと拝見いたしました。谷口雅宣先生の絵封筒は、切手もデザインの一部になっていて、とてもユニークだと思いました。
 毎日、DMも含めて様々な封書が届きますが、あのような「絵封筒」を頂いたら、捨てられませんね。
多忙な毎日を過ごす者にとって、一服の清涼剤となりました。明日は、江ノ島での「渚のクリーンアップ」に初めて参加します。

投稿: 久保田裕己 | 2007年10月13日 23:25

私は、竹橋にある国立近代美術館で「祈りの旅路」と題した平山郁夫展に足を運びました。数日前にNHKで彼の特集番組を放送していましたが、大変目を見張る作品ばかりで、心がふるえるような感動を得ました。
銀座での生光展にも行きました。入り口を入る前から絵封筒に圧倒されました。芸術と日常が見事に融和していたので、気軽な感じがして、他の作品も肩から力を抜いて見ることができました。

投稿: 大平收一 | 2007年10月14日 13:16

合掌ありがとうございます(^人^)
生光展素晴らしかったです(*^^*)
皆様力作揃いで、仏画や風景画、静物等々いろいろなジャンルの絵が楽しめました(*^^*)

恵美子先生も出品去れているとは知らなかったので、とても得した気持ちになりました(^人^)
恵美子先生のキノコが3つ描かれた絵で、先日の雅宣先生のキノコの絵を思い出しました。どちらのキノコの絵も美味しそうで、キノコご飯が食べたくなります(*^^*)

恵美子先生の絵で、柑橘系の果物がありましたが、線のタッチが素晴らしく、何という果物か気になりましたo(^-^)o

絵封筒は、封筒毎に個性があり素敵でした(*^^*)
特に雅宣先生のネコの絵とリモコンの絵がユーモアがあって、面白かったです(◎o◎)

受け付けの方に頼んで、恵美子先生と雅宣先生の絵を、携帯で写真に撮らせて頂きましたm(_ _)m

生長の家の仲間に紹介したいと思います(*^^*)

最終日に行けて良かったです(^o^)/
ありがとうございます(^人^)

投稿: 龍娘娘 | 2007年10月14日 17:35

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