« 仙台の朝 | トップページ | キノコ採りしませんか »

2007年10月24日

交差した足

 私たちの足は、いつも体の最下部にあって体重をしっかり支えてくれている。が、普段はあまり注目されず、ケアされることも少ない。最近になって、足の裏のツボを刺激するサービスが登場してきているが、私はまだ世話になったことはない。その代わり、朝と夜に自分でマッサージをよくする。「今日も1日よろしく」、また「1日ご苦労さまでした」という気持を込めて……。

 今日、書店の美術コーナーを眺めていたら、フランスの画家、アンリ・マティス(Henri Matisse, 1869-1954)の晩年の作品を集めた本が目にとまった。彩色切り紙絵が中心である。マティスは晩年、体の自由があまりきかなくなってから、「紙にグワッシュで彩色した絵を切り抜いて並べる」という独特の手法で、新境地の絵画を創作したという。ハサミで紙を切り抜いた線は、筆やペンで描くものとは違う味わいがある。単調のようだが単調でなく、鋭いようでいて温かみもある。また、紙を重ねたり並べる際に、いろいろな位置や角度で簡単に“実験”してみることができる。そういう利点を大いに生かして、きわめてユニークな作品を数多く創り出した。

Feet  そういう絵を見ていた私は、よせばいいのに「パソコンの機能にも、似たようなところがあるなぁ……」などと思ってしまった。家に帰ってから、ベッドの上に脚を投げ出し、パソコンを膝に置いて自分の足を描いたのがこの絵である。たまには、1日の重労働に感謝をこめて、自分の足をしげしげと眺めるのも悪くないと思いながら……。しかし、あくまでも実験的な絵なので、くれぐれもマティスの作品と比べないでほしい。
 
 谷口 雅宣

|

« 仙台の朝 | トップページ | キノコ採りしませんか »

コメント

谷口雅宣先生

 この絵は何というか面白いですね。先生の今までの作品とは大部、趣きが異なりますね。抽象画というか現代画というか。
 でも、僭越ながら、いい趣きがあると思います。

投稿: 堀 浩二 | 2007年10月25日 14:45

確かに足は何時も地べたに着いて全体重を支え、先頭の脳の命令する通り忠実に働いてくれる、しかし「何でワシばかりいつも下なんだ?たまには先頭にしてくれ」と文句を言っているかも知れない、、、!とたまには感謝していたわってやる事も必要でしょうね(笑)。

投稿: 尾窪勝磨 | 2007年10月25日 15:54

堀さん、

 実験的作品に、どうも……。マティスを真似たので、色のコントラストが少しキツイかなぁ、などと思います。

投稿: 谷口 | 2007年10月25日 17:15

谷口雅宣先生の絵、素晴らしいです。

単純化された構図の妙と綺麗な配色。

足へのたっぷり愛情を感じられます。

投稿: 近藤敏子 | 2007年10月26日 07:27

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 仙台の朝 | トップページ | キノコ採りしませんか »